六十五頁目
フローラの助言のお陰でジップラインという道具と、そこを行き来するためのモーターが思いついた。
尤も当のフローラは自分も使いたかったようで、ずるいずるいと言って拗ねてしまっているが……まあそういうところも可愛いと思えるのだから俺も重症だ。
それはともかくとして、ジップラインもモーターもやはり現時点では足りていないインゴットが必要なので作ることはできない。
何よりこれは人が単独で行き来するための物のようであり、動物を連れて移動できないから結局はそう多用できる物ではない気がする。
或いはこのジップラインとやらの上を行き来できる動物が別にいれば話は変わるかもしれないが、まあ今考えても仕方のない話だ。
取りあえずはジップラインもここでうろついているパララ君の同種も放置して、また建築業にいそしむしかない。
果たしてあの上に何があるのか……道っぽく見えるだけで実際には行き止まりだったら今度こそ泣くぞ?
『泣きたいはこっちだよぉ……ジップライン……私、身体取り戻したら使うからね!ちゃんと使い方覚えておいてよ!』
六十六頁目
今回もまた壁を五段重ねた天井の上に乗るとちょうど崖の上に上ることができた。
するとまず目についたのは無数の骨、骨、骨だ。
どれもこれも原型を保っておらず破片ばかりであったが、骨が大量に転がっているということはそれだけ多くの生き物が命を落とす危険な場所ということのような気がしてならない。
……ただちょっと他のARKにあった硬そうな原型の残っている骨と比べて砕けそうに見えたのでピッケルで叩いてみたらケラチン質の素材に使えそうな素材が取れたのは有難かった。
まあそれはそれとしてこの先に進むべきかどうか少し迷うところだ。
しかし結局はまだ見ぬ素材や金属鉱石を求めて、取りあえずラプトルを前に出してヤバそうなら撤退するぐらいの気持ちで先に進むことにした。
……だけど先を少しでも見通そうと顔を上げて進めそうな方向に目をやったところ、余りにも見慣れているものを見つけて固まってしまった。
岩場の間に大きく空いた隙間から遥か先に星々が見えていて、それと大地の間に赤く光るオベリスクが遠くの方でだが夜の闇の中ではっきりと自己主張していたのだ。
オベリスクに空……まさかここ、洞窟の出口なのかっ!?
『ねえちょっと、オベリスクの方の空気がなんかゆらゆらして見えるけど……高温だった砂漠ともちょっと違うような似てるような……もしかしてそれこそ宇宙線だか放射線が降り注いでるかもしれないし注意してよ?』
今回名前が出た動物
パラケラテリウム変種(パララ君の同種)
ユタラプトル変種