ARK とある青年の日誌   作:車馬超

926 / 1041
第926話

六十七頁目

 

 どうも俺は無意識のうちにこのARKでは地上は拝めないと思い込んでいたようだ。

 だから目の前に広がる外の光景に驚きを隠せない。

 しかし落ち着いて考えてみると、逆にいきなり洞窟から始まった事の方が異常だったような気がしてならない。

 

 元々このARKに来た時の流れからして変であった。

 もしかしてアレもバグか何かの影響で初期地点がおかしくなっていたとかなのだろうか?

 そうだとすると序盤からいきなり、と思っていた巨大蛇や巨大カニの存在も納得がいく気がしてくる。

 

 本来は時間をかけて地表を攻略しながら洞窟の入り口を見つけて入っていく、こんな流れで中盤以降に出会う敵としてはむしろちょうどいいぐらいだからだ。

 尤もそうと決めつけて行動するのはARKにおいて最も危険……いや危険の種類が多すぎるから『最も』と言う言葉は相応しくないだろうが、とにかく危険な事だ。

 だからフローラの言うとおり、とにかくラプトル達を始めとする動物達である程度検証した上で……って、いきなりラプトル達が消えたぞっ!?

 

 一体何が……ってまた崖かよっ!? 目の前の上の方に広がった星々とオベリスクに気を取らせてこれとか命取りに来てやがるぞっ!?

 

『落ちた動物達は身軽だから大丈夫だろうけど、あの子達の居るところまでスロープを上からおろしていくのは……結構面倒くさそう……』

 

六十八頁目

 

 エレベーターでも作れれば動物を連れて上下できる。

 しかし電動などやはり夢のまた夢、と思いつつももはや癖のようにインプラントを眺めてみたらあっさりと木製のエレベータが思い浮かんだ。

 原始的なやり方でレバーを動かして無理やり昇降させる感じの奴だが、重すぎない動物なら運搬できるだろう。

 

 ただこれもまたどうしても強度の問題で少しはインゴットを使わないといけないので、やっぱり今の時点で作ることはできなかった。

 この調子だと本格的に金属鉱の塊を見つけないと手詰まりになりそうだ。

 最悪この先で見つからなければ、あの川辺の拠点を取り戻すべく巨大カニをどうにか倒す方法を思案すべきかもしれない。

 

 そう思いつつ、とにかく下に降りる手段を考案していたらフローラが人が下りるだけなら土台から天井を伸ばした先にはしごを付けて下ろすのが一番手っ取り早いと教えてくれた。

 尤もこの場合はやっぱり下に落ちたラプトル達と先に進むことはできても、ラプトル達を回収するすべがないから置いてきぼりになってしまう。

 だからやっぱり今までみたいにスロープ付きの建築を作るのが一番な気がするけど、上から下に下ろすのは土台とか柱との重量の関係もあってなかなか難しそうだった。

 

 逆に言えば下から作る分には今までと同じ要領で出来るわけで、やっぱり先にはしごで俺が下に降りる方向で行くことにした。

 ……その際にも何個も梯子並べるの面倒だと思って一度にできる奴があればと思ったら、垂直な壁に打ち付けて使えそうな縄梯子を思いついてしまったが……せっかく教えてくれたフローラのやり方で降りるとしよう。




今回名前が出た動物

バジリスク(巨大蛇)
カルキノス(巨大カニ)
ユタラプトル変種
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。