ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第929話

七十五頁目

 

 改めて救助物資の湧くところまで戻った俺は、そのままそこに作った拠点に製錬炉を並べて手に入れた鉄を焼き始めた。

 そして最初に出来たインゴットで作業机も作るとまずは壊れたピッケルの修復に取り掛かり、次いでラベちゃんのサドル造りを始めた。

 このサドル自体にはインゴットは必要ないが作業机を作る分が惜しくて作れずにいたのだ。

 

 これでようやくこの子の性能も試せる、と思ったのもつかの間、フローラがジップラインも試そうと言ってきた。

 よほど興味があるようだけれど今の時点で作っても行き来するためのモーターが作れないからあまり意味がない気がする。

 しかし事前に試しておかないと後々忘れて痛い目を見そうなのも事実だし、何よりフローラがあんまり主張するから取りあえず作ることにした。

 

 ワイヤーケーブルのようなものを結んだアンカーを二つ作り、ボウガンで二か所を打ち抜くことでその間にジップラインができると言うもの。

 果たして試してみると想像よりずっと簡単にジープラインを作れて、しかも距離もそれなりの長さまで伸ばせると知って便利そうに感じた。

 ……ただ問題はやっぱりモーターがないと行き来できない、どころか上から滑り降りるにしても手で捕まるのでは危険すぎるのでやっぱりモーターが必須だと感じた事だ。

 

 やっぱり今の時点で無理して作ってみてもあまり意味はなかったようだが、まあこれでフローラも納得しただろうしこれで安心してラベちゃんの性能を確かめることができる。

 

『むぅぅ……何で上手く滑れないんだろう……こうなったらラベちゃんで綱渡り……ってできるわけ……えぇっ!?』

 

七十六頁目

 

 まさかラベちゃんが曲芸特価な生き物だとは予想もしなかった。

 ジャンプできるのは想像通りだけど壁登りはできず出血攻撃も失って完全にレオ君の劣化動物かと思っていた。

 しかしジャンプした先にたまたまさっきのジップラインが張ってあったのだが、何とラベちゃんは上手に着地した上で俺が乗った状態でなおバランスを完璧に保って見せてくれたのだ

 

 しかも命令を出すとそのまま綱渡りするようにジップライン上を問題なく行き来してくれたではないか。

 つまりこの子さえいればジップラインでかなり自由に立ち回れるようになるわけだ。

 それこそ壁に向かって斜めに張って、その中央辺りで止まれば疑似的に空中に留まれて、そのままラベちゃんの背中から麻酔矢などを放てば大抵の動物には一方的に攻撃できてしまう。

 

 これは本当に便利だ……というかジップラインが便利過ぎるのかもしれないが、とにかくこの組み合わせは物凄く使い道がありそうだ。

 何ならこれまで攻略してきた洞窟にジップラインとラベちゃんを連れ込めたら、殆ど苦戦することなく攻略することができただろう。

 これは是非とも何かあった時のためにもたくさん捕獲しておきたいところだ。

 

『ほらやっぱりジップライン作ってよかったでしょ!! いいなぁジップライン……建築と組み合わせたら絶対楽しいのにぃぃ……早く身体取り戻したいよぉぉ……』




今回名前が出た動物

ラベジャー(ラベちゃん)
ティラコレオ(レオ君)
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