ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第931話

八十頁目

 

 岩の建材で罠を作り、誘導から麻酔矢で打ち抜くところまでの作業はもはや熟達しきっている。

 お陰で何の問題もなくパララ君の捕獲に成功した。

 更に改めて孵化部屋に戻るとすでに両方の受精卵が出来ていたではないか。

 

 しかもありがたいことにどちらも低温が孵化条件ではないようで、篝火を調整すれば孵化させることはできそうであった。

 これなら受精卵と生まれてくる子供の世話を優先した方が効率が良くなりそうだ。

 だから基本的に拠点から離れず、近くに湧いた動物を望遠鏡でチェックして必要な子なら捕獲していらないなら弓矢で打って素材だけ解体してまた戻ることを繰り返すことにした。

 するとラベちゃんの同種も追加で二匹ほど捕まえられて雄雌が揃ったので、こちらもまた孵化部屋にご招待しておくことにした。

 その際に狼に似ていると思っていた通り、この子も群れで戦闘力にブーストが掛かることも判明した。

 

 ……でもやっぱり餌を与えるのに危険すぎるので牙は削らざるを得なくて、どうしても出血攻撃が失われてしまうのが勿体ないと言うかなんというか……

 

『我慢我慢、メディカルブリューでも失った指が再生したりくっ付いたりするのかはわからないんだから注意しなきゃダメ』

 

八十一頁目

 

 カルちゃんもまた雌が捕獲できて、更に繁殖速度が上がったと言っていいだろう。

 またラベちゃんは胎生、すなわち卵を付加させる必要がないので多少は放置しておいてもいいのがありがたい。

 この調子でどんどん……と言いたいところだが、待つぐらいでやれることが少なくなってきた。

 

 何せ金属鉱石は全部と化してしまいインゴットは今手持ちにあるのでおしまいなのだから、クラフトに余り専念することができないのだ。

 またどこかから金属鉱石を取ってこれれば話は別なのだが、こうなるとすり鉢でセメントや麻酔薬づくりをするぐらいしかない。

 ……本当はまた夜が近づいているからその気になれば地上にでて金属鉱石集め自体は出来なくはないけど……やっぱり恐ろしいので止めておこう。

 

 何せもうメディカルブリューは使い切っているのだから、同じ状況になったら今度こそ助からないのだから。

 ……あの命綱でもあるメディカルブリューを補充するにしてもやっぱり水源が必須なわけで、やはりあのカニを倒すのを当面の目的にした方がよさそうだ。

 

『そうそう、地上なんて危険な場所はもうしばらく近づかない方がいいって……正直言えばもう二度と行ってほしくないぐらいだよ……』




今回名前が出た動物

パラケラテリウム変種(パララ君)
ラベジャー(ラベちゃん)
カルノタウルス変種(カルちゃん)
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