ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第933話

八十四頁目

 

 水辺での戦いになることを考えて甲羅のお陰で壁にもなるカメも捕獲し終わる頃には生まれた幼体も自力でえさを食べられる程度には成長してくれた。

 これでついに決戦の時……と意気込んだはいいが水辺までの移動にまた時間が掛かってしまう。

 足が襲い子もいるからはぐれないように移動するのは本当に大変だ。

 

 ……前にハンスさんが作っていたあのボールにこの子達を収めて移動出来たらどれだけ楽だっただろうか?

 尤も俺達が使った時は動かなかったので作っても素材が無駄になる可能性の方が高い気もする。

 まあそれ以前にそもそも未来人のハンスさんしか作り方を知らないのだからどうしようも無いし、ない物ねだりしている暇があったら移動に専念するとしよう。

 

『アルケン君とかがいれば掴んで移動できるからまだマシなのに……未だに飛行生物を一匹も見かけないけど本当にここって飛行生物居ないのかな?』

 

八十五頁目

 

 結局、幼体の面倒も見る必要があるので軍勢を途中において、足の速い子で拠点と何度も行き来する羽目になった。

 しかもジップラインもインゴットが足りないのであまり使えず、お陰で途中で野生動物に何度も絡まれて面倒なことこの上なかった。

 そんな地道な苦労の甲斐あって動物を一匹も失わないまま水辺の拠点まで戻ることができた。

 

 ただ肝心のカニは俺がここを離れたこともあるのか、かなり下流域まで行ってしまっているようで姿は見えなかった。

 まあ放っておいても絶対に戻ってくるだろうから、今のうちに金属鉱石を可能な限り採取してインゴットに変えつつメディカルブリューを準備しておこう。

 そして合間を縫ってこの水辺の付近をうろうろしている三葉虫も狩って更なる貴重資源を集めて行くことにした。

 するとその際に水中に飛び込んで水底を覗いたところ、そこに見覚えのある影が泳いでいるのを見かけた。

 

 あの可愛らしい姿は見間違えようもない……カワウソちゃんだ!

 ああ、懐かしいなぁ……あの子を巻き付けたら気持ち温度変化に少しはマシになるからって一緒に色んな所へ行ったっけ。

 尤も肩にドック君を載せている状態だとこの子まで巻き付けるのは無理だから、捕まえる必要があるかといえば微妙なところだ。

 

 ……でも余裕が出来たら捕まえよう、絶対に仲間にしよう。

 

『確かにその子を巻いたぐらいじゃここの過酷な環境がどうにかなるとは思えないもんね……特に地上のあの燃え盛る大地は絶対に耐えられないだろうし……』




今回名前が出た動物

カルボネミス変種(カメ)
アルゲンタヴィス(アルケン君)
カルキノス(カニ)
三葉虫変種
カワウソ変種
バルブドッグ(ドック君)
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