百一頁目
昼と夜、どちらも薄暗いながらもやはり視界の差は歴然だ。
前に探索した時は暗くなりかけてからで、ほぼ一本道のように感じていた。
しかし今また明るくなってから行動してみると、東側に行ける余地がかなり残っているではないか。
何より例の巨大なリングのある装置と元々は繋がっていたであろう設備の跡が南側に続いていたのだが、その根元に金属鉱石の塊を見つけてしまった。
……もしこんな安全で近いところにあるとわかっていたら地上の金属鉱石に惹かれてあそこまでの目に合わずに済んだと言うのに。
取りあえずここにも拠点を作ろうか迷ったが、水源の拠点から近すぎてここだと一か所に留まっている判定になってしまうかもしれないので止めておいた。
だから採取だけして場所をメモった上で更に探索を続けたところ、近いところに蔓や苔に塗れた古めかしいワイヤーが張られているのを見つけてしまう。
まるでジップラインのような……いや多分これは前にここに来た誰かが張ったジップラインなんじゃないか?
『ちょっと古いから渡れるか不安だけど、これを辿ったら先達者さん達がどんな冒険したか少しはわかるかも』
百二頁目
かつて使われていたであろうジップラインは時間の流れなど感じさせない頑丈さであった。
もちろんラベちゃんも何の問題もなく器用に飛び移ったかと思うと、あっさりと向こう側まで渡りきってくれた。
尤もついた先は小さい足場でしかなく、緑色の結晶を採掘できるぐらいしか発見はなかった。
意味深に張られていたワイヤーなだけに何か隠されていそうでちょっと期待していたのだがとんだ肩透かしだ。
このワイヤーを張った人が何を考えていたのやら……なんて思うことはない。
むしろ俺にはこのワイヤーを張った人の行動に心当たりがあり過ぎるからだ。
……未知の場所、新しい道具、作ったら試したくなるもんな。
何よりどこに進めばいいか現在進行形で俺も迷っているのだから。
恐らくは先達者様もどう進めばいいか色々と試していたのだろう。
これまでは日記の上で知らなかった先達者様の行動は無駄のない最短の攻略に想えていたが、彼らも迷っていたであろうことを感じ取れて、何だか前より親近感がわいたような気がする。
……日記を残していない先達者様も残した先達者様も、みんな俺と同じかそれ以上に苦労していたんだろうな。
『そうだよね、どこに良い素材があるかなんか分からないもんね……ヘレナさん達も色々試行錯誤して頑張ってたんだよねきっと……ロックウェルさんも……』
今回名前が出た動物
ラベジャー(ラベちゃん)