ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第943話

百五頁目

 

 熊のサドルに必要なセメントはもうケラチンが取れる場所もわかっていることもあって、十分すぎるほど溜まっている。

 二匹分作って装着させた上で結局は探索するより先に孵化部屋で数を増やすことを優先することになった。

 同時に途中だった移動拠点のパララ君も完成させてしまうつもりだ。

 

 そして完成した移動拠点に乗ったまま熊達や傷が癒えたスピノ達を護衛に連れて進むほうがはるかに効率が良いと判断したからだ。

 気がかりなのはこの場所に長居した際に発生しそうな襲撃イベントだ。

 基本的にあれは近くに湧く動物が襲ってくる形式であるため、川から離れているここにはカニやスピノが来ることはないだろう。

 

 逆に言えば陸地つながりで最初のエリアにも比較的近いと言うこともあって、あの巨大蛇が襲ってくる可能性はあり得ないとは言い切れない。

 だからフローラの言うようにここと水辺の拠点を行き来するのは魅力的だけれどやめておき、移動拠点と最初の熊の子供が餌を自力で食べれるようになった時点で移動を開始する予定だ。

 

『防衛に役立ちそうな大砲とかオートタレットは流石にまだ作れないもんね……素材は殆ど確保できてるのに設備が足りないせいで、ってのが歯がゆいね……』

 

百六頁目

 

 移動拠点は前に砂漠で何体も作っていて慣れている。

 また建築が得意なフローラの助言もあって何の問題もなく移動拠点は完成した。

 その背中には作業机は元より、新たに素材をつぎ込んで作った旋盤、更には発電機と全方位ランプ、冷蔵庫まで設置してある。

 

 まさかここまで用意できるとは自分でもびっくりだが、TEK生物が良く湧くこともあり野生の個体から採取した分とTEK牧場に新たに湧いた雄個体を処分したことでギリギリ電子基板を揃えることができたのが大きい。

 ただ原油だけは乏しかったが、TEK生物の分に加えて三葉虫狩りした際に手に入れた分を足したら何とか当面のガソリン分も含めて精製することができた。

 更に道中で金属鉱石などを見つけた際にすぐ加工できるよう、熱のこもらない二階部分に製錬炉もいくつか並べてある。

 

 そして極めつけは……同じく上の回想に設置された大きな菜園とそこに植えられた食肉植物っぽい物から取れた種だ。

 あれと同じのが咲くかは不明だけど、わざわざポリマーを使って作った幾つかの水筒に水を貯めてまでして育てている。

 傷を癒す効果があるから一応育てておいた方がいいと言われてそのためにわざわざ二階部分から光だけが差し込めるような建築にしたのはいいけれど、スピノとかの巨大な糞を手に取るのは中々に……本当にここまでする価値はあったのだろうか?

 

『まあ実際に何が育つのかも確かめておきたいし、かといって同じ場所に置いておいても世話をしに戻れないから……でも二階においたから匂いの問題は何とかなってるでしょ?』




今回名前が出た動物

ショートフェイスベア変種(熊)
パラケラテリウム変種(パララ君)
スピノサウルス変種
カルキノス(カニ)
バジリスク(巨大蛇)
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