百十二頁目
せっかく見つけた子を失うわけにもいかず、結局は引き返すことにした。
本当に効率が悪いことこの上ないが、焦って全てを失うよりはましだと自分に言い聞かせる。
……いや本当はわかっているんだ、一番の原因は飛行生物の存在ではなくて協力し合える人の仲間がいない事にあると。
誰かがいてくれれば拠点内の動物の世話を任せたり、探索中に動物達を捕獲しておいてもらえる。
新しい引っ越し先の拠点を作って貰うことだって可能だし、こうして捕獲した生き物を代わりに連れて帰って貰うことだってできた。
たった一人で何もかもを熟すのはこんなにも大変なのだと、もう何度目になるかわからないが身に染みる。
下手にやるべきことやっておいた方がいいことが分かる程度に経験と知識が身に付いたこともあって余計に効率の悪さが目についてしまう。
だけど仕方がない、もう俺の我儘に誰かを巻き込まないって決めたんだ……こんな苦労ごときに負けてられるか。
『我儘だなんてそんな……でもそもそも全く誰の姿も見えないよねここ……前の砂漠はおかしかったみたいだけどこれもこれで何か変、なのかな?』
百十三頁目
少し前に新たに発見した金属鉱石の近くにアンキロを待機させて、更にキャシーがやったみたいに最低限の労力で安全を確保するため石の柵で牧場のように囲んでおいた。
ついでにその傍には自動で岩を砕くアルマジロを、金属鉱石を謝って砕かないような位置にある岩の傍で待機させておく。
これでさらに効率よく金属鉱石が採取できるようになった。
そのまま再度探索へ出かける、前にサドルを付けたアンキロで何度か金蔵鉱石を砕いて大量に手に入った鉱石を溶かしておく。
これで上手くいけば蛇口を作れる程度のインゴットが手に入り、あそこの木に設置するところまでできるかもしれない。
……わざわざ戻るのは手間だったけれど、下手に後回しにすると忘れることも多いのである意味ではこれでよかったのかもしれない。
そんなことを思いながら、次いでに繁殖小屋まで戻り子供たちの世話も行っていく。
また新たに育った雌のTEKを更に繁殖に加え、雄のTEKは処理して解体、カルちゃんとラベちゃんは雌は同じだが雄の方は処理ではなく護衛として連れ出す形になる。
熊はまだ育っている最中だけれど、これもまたカルちゃんたちと同じ扱いだ。
時間こそ掛かっているけれど着実に進んできている。
設備だって電化製品が揃いつつあるのだから、慌てる必要なんかないのだ。
……大丈夫、フローラだって傍にいてくれるんだ、一人でもきっとやり抜けるさ
『……お願いだから無理だけはしないでね?』
今回名前が出た動物
アンキロサウルス変種
ドエディクルス変種(アルマジロ)
カルノタウルス変種(カルちゃん)
ラベジャー(ラベちゃん)