ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第95話

二百七十六頁目

 

 食事を終えたフローラは二階にある孵化部屋へと引きこもってしまい、また手持ち無沙汰になった俺は洞窟で手に入った質のいいクロスボウを手にまた近くを見て回ることにした。

 尤もこの辺りは既に探索しつくしているから、別に目ぼしいものがあるわけでもなし……それでもせめて仲間の動物を増やしておこうかと思っての行動だった。

 このまま孵化するまでこの場所で待機するのならば、下手をしたらまた野生の動物に襲撃されるかもしれないのだ……戦力は多ければ多いほうがいい。

 

 そう思ってレーダー代わりにパロロ君に乗り、護衛用のテリ君と巨体のディ君を久しぶりに連れ出し三匹での探索を開始した。

 果たして樹に貼りついている前に仲間だったレオ君の同種を見つけて、これを仲間にすることに成功する。

 しかしこいつが張り付いていた樹は本当に太くて固いせいで木材としても使えなくて厄介極まりない。

 

 しかもその幹には巨大な蜂が巣を作っていて猶更厄介だが……何故こいつは他の木々ではなくこの樹にだけ巣をつくるのだろうか?

 もちろんがっしりとしていて頼りがいがあるのはわかるけれど、切り倒せる木に全く寄り付かないのは不思議で仕方がない。

 虫が樹木を好む理由……カブトムシなどは樹液を求めて貼りついたりしていたけれど……ひょっとしてこの木々からもそう言うものが取れるのだろうか?

 

二百七十七頁目

 

 ハチの巣を見て考察し続けていたせいか、その巣に溜まる蜂蜜か何かを狙っていたらしい熊に近づきすぎてしまう。

 こいつもテリ君と同じで縄張り意識が強いのか、それまで無関心だったのに距離が狭まった途端にこちらへ襲い掛かってくる。

 しかしこいつは麻酔への耐性が強いので麻酔矢で眠らせるのは難しい……仕方なくテリ君で返り討ちにして、素材を剥ぎ取るのに専念することにした。

 

 するとこいつの表面を覆う暖かそうな毛皮も使えそうな形で採取することに成功できてしまう。

 そこでふと洞窟で手に入れた毛皮で作る鎧の設計図の存在を思い出す……取り出して確認してみたところ、この素材を利用すれば作れそうだ。

 他の部位にしても左手首に埋め込まれた鉱石を見つめてみれば、設計図に書かれているほど精巧ではないだろうが、それなりの物の作り方が思い浮かんでくる。

 

 だから片っ端から近くにいる熊を狩り始めることにした……その際、樹木の根本付近にあるハチの巣を刺激して働き蜂に攻撃されてえらい目にあったが、そこでふと巣から滴る蜂蜜に目を奪われそうになった。

 妙に栄養価が高そうでトロリとしている美味しそうな蜂蜜……上手く回収すれば食材として使えそうだが、その分賞味期限も早そうだ。

 何より蜂に刺される危険性を思えば、残念だけれど無理して集めるほどの価値は無いように思われた。

 

 代わりに熊狩りを続けて毛皮を大量に集める……そう言えばこの熊は蜂に襲われていない……こいつさえ仲間に成れば蜂蜜も回収できるのではないだろうか?

 やはりそろそろ麻酔矢以上の手段を考える時期が来ているのかもしれない……しかしその為には設備自体ももう一段階良いものに改良しなければ……だけどそれには今手に入る素材だけではどうしようもなく……何やら妙に手詰まり感を抱いてしまう。




【今回名前が出た動物】

パラサウロロフス(パロロ君)
テリジノサウルス(テリ君)
ディプロドクス(ディ君)
ティラコレオ(レオ君の同種)
イキオオミツバチ(蜂)
ショートフェイスベア(熊)
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