ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第953話

百二十七頁目

 

 すぐ近くに水源もあるため、拠点を作る場所の選定は楽……かと思ったのも一瞬だった。

 何故なら実際に近づいた水源、というか例の滝から連なる水脈は地獄のような形相を示していたからだ。

 まずあの巨大ガニを筆頭に、島にもいた害悪なクラゲや電気ウナギがあちこち泳ぎ回っている。

 

 また水中でスピンしてくる身体の細いワニや深海に居たアンコウ、エイなどの好戦的な部類の生き物までうようよいる始末だ。

 下手に足を踏み入れたら大変なことになるのは目に見えているので、万が一事故って……よくある地震とかで誤って落ちないよう注意しないといけない。

 ただ水資源は移動拠点では補いきれない点でもあるので、新しくここに拠点を作るなら水辺の傍に作りたいところなのが悩ましいところだ。

 

 特にカニとワニ達は陸上まで上がってきてしまうので拠点自体はともかく水道管などの設備を壊されたら目も当てられない。

 だから水辺での戦いが得意なスピノで一掃することも考えつつ、安全を確保できる場所の選定を始めるのだった。

 

『壊せない建材で防護壁&捕獲用の罠も作れば、一気に戦力を補強できる環境……って考えてみようよ?』

 

百二十八頁目

 

 地形の問題もあって水辺に沿って移動するのは中々に骨が折れた。

 しかも途中で陸の方でも透明なトカゲとメガちゃんが襲い掛かってくることもあって、対処に時間が掛かってしまう。

 尤もメガちゃんを可能な限り捕獲しようとしているのが一番時間が掛かっている原因でもある。

 

 基本的に身の安全の確保と水中に逃げられないよう罠を仕掛けてから行う必要があるのだが地形的に建築するスペースのある場所を見つけて誘導するのも一苦労なのだ。

 ただ苦労した甲斐あってメガちゃん軍団は着実に増えつつあり、お陰でもう透明なトカゲは問題なく返り討ちしてやれるようになった。

 その際にこいつも岩の建材を壊せないことも分かったので一度罠に嵌めて眠らせてみたのだが、残念ながら食事を食べてはくれなかった。

 

 しかし反応的には砂漠に居た各種ワイバーンに似ていた気がするので、もしかしてあの子達のようにどこかに巣があって卵があるパターン……なのかもしれない。

 そんなことを考えながらうろつき回っていると、近くに金属鉱石の塊とちょっと緑掛かって見えるけど木材の代わりになるキノコっぽいのが生えていて、それでいて空間もそこそこ空いている場所を見つけることができた。

 しかも有難いことに、ちょうど水に面している部分が入り江のように浅くなっているので、水は吸い上げれるけれど水中生物は入ってこれないのだ。

 

 もちろん陸上も行き来できる類の輩は入ってくるだろうが、そういう目立つのはスピノ達にお願いして駆除して貰えばいい。

 幸いなことに数も多くなかったので、水辺で張り切っているスピノ軍団なら問題なく駆除しきれるだろう。

 ……ってちょっと待って、あそこで泳いでるのって……カエル君!? やっぱり居たのかっ!!

 

『……セメントにそこまで困ってないのに、そんなに喜ぶ必要あるぅ?』




今回名前が出た動物

カルキノス(巨大ガニ)
クニダリア変種(害悪クラゲ)
デンキウナギ変種
バリオニクス変種(身体の細いワニ)
アンコウ変種
マンタ変種(エイ)
ロックドレイク(透明なトカゲ)
メガロサウルス変種(メガちゃん)
ファイアワイバーン(各種ワイバーン)
ライトニングワイバーン(各種ワイバーン)
ポイズンワイバーン(各種ワイバーン)
ベールゼブフォ変種(カエル君)
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