ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第955話

百三十一頁目

 

 襲撃イベントではなくても、大量に同じ動物が湧くところには極稀にだが特殊個体が発生することもある。

 それは島で経験済みの事であったが、まさか巨大カニという厄介な強敵の特殊個体ともう遭遇することになるとは思わなかった。

 距離的にはまだ離れているけれどここに拠点を作って滞在したら間違いなくアイツは寄ってくるだろう。

 

 そして特殊個体は普通の個体よりも強いために本来壊せない建材を破壊する力があることも多い。

 そう考えるとできれば駆除しておきたいところである。

 ちょうどこちらは水に漬かっていつもより張り切っているスピノ軍団に出血攻撃持ちのカルちゃん、更には新たに仲間にしたメガちゃん軍団に加えて熊や草食達もいるから流石に一体が相手なら勝てないことはないだろう。

 

 だから動物達の足が付く浅瀬に誘導させる形で早速闘ってみたが……うん、確かに強いけれど警戒するほどではなかったな。

 こちらの攻撃の勢いで後退させられることもあって、想定していたより被害は少なく討伐することができてしまった。

 それこそ前の砂漠で戦った特殊個体のサンドワームほどの凶悪さはなかった。

 

 ……こうして考えるとあのサンドワームって本当にヤバい生き物だったんだなぁ。

 

『今のところティラノもギガちゃんの姿も無いし、他にこれ以上厄介な生き物がいるとは考えたくないし、これならあの巨大蛇の特殊個体が出てこない限りは大丈夫そうだよね?』

 

百三十二頁目

 

 一応ここの安全も確保できたことで早速、岩の建材で拠点を作っていく。

 その屋根には複数の炉を並べて、近くから取れる金属鉱石を片っ端から突っ込んでおいた。

 これでインゴットが溜まればポリマーは先ほどの特殊個体も含めたカニから大量に有機ポリマーが取れているし、セメントもカエル君が定期的に採取してくれる分とすり鉢で作る分を合わせれば更なる設備開発のために十分すぎる量になるだろう。

 

 少なくとも少しの間、ここに滞在すれば科学作業台は作成可能だし、もう少し粘れば工業炉まで到達できるかもしれない。

 作成したばかりのトイレで用を足しながらそんなことを考える。

 島でカエル君から採取したセメントで最初に作ったのがトイレであることを思い出して、移動拠点の上で作っている畑の肥料も欲しいところだったので作ったのだ。

 

 同時に水源から水筒に組んだ水をかけて、既に芽も大きくなって何かが開花しそうな畑の手入れをしっかりと済ませておいた。

 ……果たして思った通りあの傷を癒す光を放つ植物がちゃんと育ってくれるだろうか?

 そういえば光と言えば発光する蟲をカエルで叩き落としてセメントに変換させるようになったのでドック君にチャージすることができなくなった。

 

 尤も既に電灯があるので今のところは大丈夫なので、むしろ休ませる意味も兼ねて発光を辞めさせてある。

 移動拠点が連れ込めないところ、それこそ洞窟探索などには役立つから不要とまではいわないけれど、この調子だとずっと肩に乗せておかなくてもいいかもしれないな。

 

『代わりにカワウソちゃんを巻くのもありかもしれないね?』




今回名前が出た動物

αカルキノス(巨大カニの特殊個体)
スピノサウルス変種
カルノタウルス変種(カルちゃん)
メガロサウルス変種(メガちゃん)
ショートフェイスベア変種(熊)
αデスワーム(サンドワームの特殊個体)
ティラノサウルス
ギガノトサウルス(ギガちゃん)
バジリスク(巨大蛇)
ベールゼブフォ変種(カエル君)
バルブドッグ(ドック君)
カワウソ変種
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