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どうやらこの辺りにはドック君がいないようだ。
その代わりとばかりにこの子ヤギみたいなのがあちこちに居るため、片っ端から集めて回った。
これで当面はここに留まっても安全だろう……と思いたいところだ。
とにかく彼らの光に照らされながら改めて壊れた設備を作り直して、再び大量に溶かして固めたインゴットを採取して科学作業台の制作に取り掛かる。
これさえ完成すれば一気に楽になる……が壊された時のショックも大きいため絶対に光は絶やさないようにしないといけない。
そう思いながら発電機も設置してある移動拠点の上に出来たばかりの科学作業台を配置して、これにより効率よく作れるようになったセメントや麻酔などの制作も進めていく。
この調子で上手いこといってくれるようならば、今度こそこのまま工業炉まで作ってしまいたいところだ。
『工業炉が出来れば更に大量のインゴットを手早く準備できるようになるし火薬の元になる木炭も集まるから一気に文明開化が進むもんね』
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あれから今のところ予想外の事態は起こっていない。
つまり順調に物資は集まっているという意味であるが、同時に目新しい発見があるわけでもないと言うことだ。
まあ確実に工業炉に近づいているから良いことではなるのだが一つだけ困っているのは未だに黒曜石が見つからない事だった。
あれがないとちゃんとしたポリマーを作れないため有機ポリマーで代用するしかないのだが、旋盤で加工する際には色々と嵩張りすぎて大変なことになる。
工業炉ぐらいならギリギリ整理すれば何とかなるけれど、それ以上に素材が必要な物を作るとなるとやっぱり消費期限のない普通のポリマーが欲しくなるところだ。
だけど発光生物を探すついでに調べて回っているけれどまったく見つからないのだ。
流石にアレがないとは思いたくないけれど、どこにあるのかも見当がつかない上に真っ黒だから上から見下ろしても見つけ辛いから困ったものだ。
代わりにあの食肉植物がここにもあるのを見つけたけれど、やっぱりあの近くも発光していてあの害悪な名無しが湧いてくることはなさそうだった。
……同時にその食肉植物の傍にまた無数のキノコが生えているのも見かけたけど、なんか物凄く嫌な予感がしたので近づかなかった。
だって色合いこそ違うけど生え方が胞子を巻いてきたあの赤いキノコによく似ている気がしたから……
『本当に危険なところだよね、油断しないで行こうね?』
今回名前が出た動物
バルブドッグ(ドック君)
シャインホーン(子ヤギみたいなの)