ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第960話

百二十一頁目

 

 あの名無しを気にしなくていいだけで上層階の居心地は素晴らしいの一言だ。

 お陰でついつい長居してしまったが、そろそろ下層階へと戻ることにした。

 洞窟内に連れ込んだ動物の幼体達は金属の防護柵でしっかり安全を確保してあるし、ちゃんと餌も自分で食べれるまでは育った。

 

 もちろん持っていく素材は途中にある樹液も含めて回収し終えたので、もうここに留まる理由はないのだ。

 ……まあ正直言うとあの名無し達が拠点内に無数に湧いてくるのがトラウマすぎて余り戻りたくないのだけれど、工業炉などがあるあちらの方がクラフトするにしても効率が遥かに良いのだから仕方ない。

 そう思ってここで準備している合間を縫って新たに近くに湧いたところを捕獲したスピノ数体を護衛にして、川下へと沿うようにして下っていくことにした。

 

 どうせならまだ通ってない場所の情報を集めておきたいし、持ち帰る素材の量がそれなりにあるので荷物持ちをさせたいと言うのもある。

 次いでに道中で蟹や三葉虫を可能な限り狩ることで、原油や有機ポリマーを集めることもできるのだから。

 

『……単純にあそこへ戻りたくないから理屈をつけて少しでも引き延ばそうとしているだけに見えるけどね』

 

百二十二頁目

 

 水辺で張り切るスピノに蟹は倒してもらい、同じスピノに関しては仲間の図体の大きさも活かして壁になって貰って強引に寝かせて捕獲するを繰り返していく。

 これにより新しく仲間になった子をローテーションで前に出すことで、戦闘で傷ついた子が少しは回復する時間を稼げるからだ。

 実際にこのやり方で数体のスピノは犠牲になったけれど、それ以上の数を仲間にすることができた。

 

 そして数が増えたことで純粋に火力も増えるわけで、何の問題もなく蟹と三葉虫そして所々に湧いているTEK生物からも素材を順調に採取していくことができた。

 ただ途中で川が分岐しているところに辿り着いて、少しだけ足を止める事になった。

 マップとコンパスからして向かって右側の流れがパララ君たちを残してきたエリアに繋がる道だろう。

 

 逆に左側はまだ足を踏み入れたことのない場所に繋がってることになる。

 同時に思い出すのは青いエリアへと向かう滝の付近に辿り着いたときの事だ。

 確かあの時も東側の下り坂になっている方以外にも北側へも進めそうになっていた。

 

 結局は青い鉱石とかを求めて東へ進んでしまったが、こっちの方にも何か新しい物があるかもしれないぞ?

 

『よっぽど戻りたくないんだね……でも確かに北側はまだ全然埋まってないし、川に接している辺りならスピノちゃんが頼りになるからこのまま探索するのもアリかもね?』




今回名前が出た動物

スピノサウルス変種
カルキノス(蟹)
三葉虫変種
パラケラテリウム変種(パララ君)
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