百三十四頁目
こんな爽やかな目覚めはいつ以来だろうか?
流石は未来装置というべきか、本当に体の芯から疲れが取れた。
他の人の残した設備の恩恵を受けたのはこれが初めてだが悪くない心境だ。
もしかしてこれまで俺が助けて俺の拠点に招待してきた人達も同じ気持ちだったのだろうか?
そんなどうでもいいことを思えるぐらい余裕も気力も取り戻した俺は、改めて他に何か利用できる物や情報が残ってないかこの場所を調べに掛かる。
尤も残念なことにそんな都合のいい話はなかった……のだが都合が悪いかもしれない発見はあった。
それは壁際にあった先へと続く道であり、それの何が都合が悪いかと言えばその空間は胞子で満たされているという点だった。
……あの胞子、絶対に赤いキノコが放ってたヤバい奴だろ?
地面に自生しているキノコは赤い奴じゃなくて普通に採取できるキノコだけど……絶対に近づきたくないぞ。
でもあんな胞子で守られるようにしている道となるとその先には希少資源か、或いは洞窟の入り口とか、とにかく攻略に必須何かがありそうな匂いもプンプンするわけで……どうしたものかな?
『ガスマスクか何かを身に着けてからじゃないと行かない方がいいと思うんだけど……ちょっと気になるのはあの自生してるキノコが胞子の影響を受けてるように見えない事だよね?』
百三十五頁目
少しだけ息を吸ってみたけどやはりあの赤いキノコが放つ胞子と同じもののようであった。
尤も吸った量が少なかったからすぐに正気に戻れたけど、やっぱり危険すぎることに変わりがない。
耐性のつく装備か何かがないとやはりこの先へ進むのは難しいだろう。
……だけどフローラの言う通りあの自生するキノコの周り、特に茶色っぽい普通のキノコみたいな見た目の奴の付近は胞子の成分が薄れているように見えた。
実際に地に伏せてみると少しはマシな気もして……いややっぱり胞子を吸ったら頭が変になるっ!?
体力的にもきついし回復効果のある普通のキノコを齧ってから、最後にもう一度だけ検証を……と思ったのだが、何故か急に軽くせき込むだけで変な症状は出なくなった。
……もしかして本当にこの色のキノコに胞子の影響を軽減させる効果があるのか?
『確かにあんな危険な胞子があるところで赤いキノコだけが繁栄しているわけじゃないところを見ると他のキノコには耐性があっても……ってどうしたのっ!? えっ!? 効果きれたっぽいって……い、いっぱい齧って!!』