ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第969話

百三十八頁目

 

 他に進む先がない以上は青いエリアに戻るしかない。

 そう思った俺だがふと途中で頭上にジップラインが張られているのが目に飛び込んできた。

 そこで見上げてみたところで、この上層階には上の方に足場になりそうな地形がいっぱいあることに気が付いた。

 

 そして足場と足場の間にジップラインが張られている箇所が幾つもあって……こっち側を探索する余地がまだ乗っているんじゃないか?

 尤もこれまでの経験からしてもう上層階で目ぼしい発見はなさそうだが、取りあえず少しだけ新しいジップラインを敷いてラベちゃんでチェックしに行ってみる事にした。

 果たしてそこには……うん、やっぱり何も変わらない生態と素材が転がっているばかりだった。

 

 しいて言えば島にいた懐かしい二足歩行するゴリラを新たに見かけたが、別に欲しいわけでもないので放置する。

 ……やっぱりもう青いエリアに進むしかないか

 

『上もトラウマ、下もトラウマ……ここって本当に今までで一番嫌なARKかもしれないね』

 

百三十九頁目

 

 今度こそ諦めて仲間達と共に青いエリアに作った拠点まで戻ることにした。

 もちろん道中にいるカニや三葉虫を狩って素材集めも怠らない。

 更にはまたしても見つけたTEK生物は捕獲しておいたことで、雄雌が揃ってくれた。

 

 これで青いエリアでもTEK牧場を作ることが出来てさらに効率は上がるはずだ。

 ……ただ怖いのは繁殖している幼体に紛れてあの名無しが湧いてこないかどうかだ。

 だからしっかりと牧場用にも発光生物を用意しないといけない。

 

 そんなことを考えながら工業炉を作った拠点まで戻ったところ、待機させていたパララ君の背中から不思議な光が見えた。

 最初は電灯の光に紛れて良く見えなかったけれど、それは成長した畑の植物が放つ光であった。

 ……フローラの言う通りまさか本当にあの植物が育つだなんて。

 

 しかもあの放っている光も発光生物の光にそっくりな気がするし、もっとこれを育てるべきなのか?

 

『発光生物ちゃんも疲れちゃうだろうし、少なくとも拠点用にはアレを植えておいた方がいいと思うな』

 

百四十頁目

 

 あの種を出す食肉植物はこの辺りにも幾つも点在している。

 工業炉の中身を入れ替えるための金属鉱石や木材などを集めるついでに種も集めて回ることにした。

 ……なのだが、嫌がらせかと言わんばかりにせっかく見つけたその植物の根元には怪しげなキノコが一緒に分布していた。

 

 赤くはなく青い渦巻き型のキノコだが、少し観察するとほんのちょっとしたことで胞子を吐き出しているのが見て取れた。

 この青白いエリアに擬態するような色と見た目をするだなんて意地が悪すぎる。

 ただ既に茶色のキノコを齧れば胞子に耐性が付くとわかっているので、もう何を怖気づくこともなく……いや種を吐き出すまで待機する必要はあるので念のために周囲の敵を排除した上で建材で囲った上で近づくことにしよう。

 

 果たして俺が近づいて少ししたら胞子が……さ、寒い寒い寒すぎるぅうううううっ!?

 何だっ!? 変だっ!? か、身体が凍えて!!

 

『えっ!? えぇっ!? ど、どうしたのっ!? し、しっかりしてぇええええっ!!』




今回名前が出た動物

ラベジャー(ラベちゃん)
ギガントピテクス変種(二足歩行するゴリラ)
カルキノス(カニ)
三葉虫変種
ネームレス(名無し)
パラケラテリウム変種(パララ君)
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