百四十一頁目
安全を確保しておいてよかったと心の底から思う。
しかしまさかキノコの種類が違うと胞子の効果も変わってくるとは驚きだ。
おまけに耐性を付けるキノコも変わってくるというのだから意地悪すぎる話だ。
そうこのキノコの胞子は茶色のキノコではなく水色のキノコを齧らないといけなかったのだ。
たまたま余裕がなくて慌てて茶色のキノコを齧るついでにくっついてた水色のキノコも一緒に齧って判明したことだ。
まあ今回は胞子を吸った量が少なかったし安全は確保済みだったから気づけなくても何とかなっただろうが、もし違うタイミングでこのキノコに引っかかってたらと思うと血の気が引く思いだ。
……更にこの青白いエリアの事が嫌いになりそうだ。
『最初は砂漠より厄介な環境なんか想像もつかないって思ってたけど、あっさり上回って来たね……うん本当に意地が悪いよこれ……』
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我ながらこれだけ初見殺しのトラップ満載のARKでよくここまでやれていると思う。
確実に今まで二つのARKを攻略した経験があるからこそ何とかなっているのだが、そう考えると嫌だけどサバイバル能力を鍛えると言う意味では確かに理にかなっているのかもしれない。
尤も納得がいくかと言えばまた話が別なのだが……もうさっさとこんなARK攻略して別のARKへ行きたいところだ。
今ならば島なら天国だし砂漠だって快適に過ごせそうな気さえする。
……ただこれまでの傾向からしてここを攻略したら更に過酷な地へ飛ばされることになりそうだ。
しかしここ以上に厄介なARKなど想像も……いや今回当たり前のように予想を超えてきたのだから、きっとそうなるに違いない。
例えば仲間に出来ない特殊個体が群れで襲ってきたり、乾いた大地だから食料とか水とかの消費が激しく成ったり、或いはこれまで攻略してきた環境が全て再現されていたり……うぅ、考えれば考えるほど嫌になってくるぞ。
『あり得そう……い、いやそんな先のこと考えても仕方ないってば!!』
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気を取り直す意味も兼ねて採取した種を植える園芸を作り糞と肥料も添えておく。
ついでにあちこちで見かけたこれまた懐かしいフンコロガシ君も捕獲して近くに置いておいた。
このフンコロガシは糞を持たせておくと肥料と原油に変えてくれるので意外と便利なのだ。
これにより工業炉のある拠点とその傍に作ったTEK牧場2は植物さえ育てば光に照らされてもう名無しに悩まされる心配はなくなるだろう。
また牧場を作るついでに大量にある素材を使ってもう二つほど、新しい設備を作ることにした。
一つは工業用調理器具でメディカルブリューを始めとした薬や料理を大量に作れるようになるものだ。
水道に繋がないといけない関係上、移動拠点に設置することはできないが、代わりに自動で水を補給してくれるため調理なべで一々水を汲んでいた頃に比べると生産速度が天と地だ。
ある程度は自動で調理してくれるので取りあえずは何をおいてもメディカルブリューを大量に作っておこうとそのための材料を可能な限りぶち込んでおいてから、二つ目の設備に取り掛かる。
それは前の砂漠でゴーレムを捕獲するために作った罠を参考にフローラが考案した建築物であった。
俺の勝手な予想ではあるがこのARKにいるカニは身体の作り的にも強さや分布的にもゴーレムポジションぽく感じていた。
だからもしかしたら大砲を頭に当てれば仲間に出来るんじゃないかと思ったのだが、フローラも同じ気持ちだったようで、工業炉も作って資材に余裕ができた今一度試してみようと言うことになったのだ。
尤も工業用調理器具にも結構なインゴットを使ったから大砲とその玉を作るコストは流石に厳しい物があった。
何より本当に効果があるのかもわからない状態で幾ら工業炉があるとはいえインゴットをつぎ込むのはもったいないため、建材も岩ならば大砲の方も投石器で代用してある。
つまり今回はどちらかと言えばあいつがこのやり方で気絶する兆候があるのかを確かめるのが主目的なのだ。
『多分大丈夫だと思うけどこの建築で上手く動きを止められるかもわからないし、今回は本当に検証のつもりでちょっとでもダメそうならすぐに放棄しようね?』
今回名前が出た動物
フンコロガシ変種
ロックエレメンタル(ゴーレム)
カルキノス(カニ)