ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第977話

百五十八頁目

 

 ぐっすり眠ったお陰で少しは精神も安定してきた。

 お陰でかこの後どうするか、軽く考えただけで四つの選択肢が思いついた。

 まず一つはフローラの言っていた通り地上エリアの探索。

 

 もしくはガスボールを集めて回ってあの放射能エリアへ進む準備。

 或いはこの青いエリアの陸地部分を探索してマップを埋めて回る作業。

 そして最後の一つは、これまでに見つけた二つの洞窟を攻略して回ること。

 

 ……正直どれも乗り気がしない。

 地上エリアも放射能エリアも洞窟も危険がいっぱいだし、かといって青いエリアも名無しに注意して動き回るのは面倒だ。

 また上層エリアでの探索した感じからして、このARKだと見落としている発見というのはそうそうなさそうだし、探索に夢中になる余りに何かの間違いで放射能エリアに突っ込んでしまったら……という危惧も存在する。

 

 だからどれも嫌なのだが、行動しないと言う選択肢は存在しない。

 フローラは俺が嫌なら無理しないで良いと言ってくれるけれど、彼女と再会することだけは俺の全てなのだ。

 そのためにもこんな場所で立ち止まっているわけにはいかないのだ。

 

 ……まあこのARKで一生過ごすってのが嫌すぎるってものあるのだけれど。

 

『……まあそうだよね、このARKは嫌だよね? じゃあオベリスクを調べに行っておいたら? ハンスさんの言うことが本当ならアレを利用して別のARKに移動できるみたいだし、逃げ道の確保みたいな感じでさ?』

 

百五十九頁目

 

 このARKにおけるオベリスクがどうなっているのか、収めるアーティファクトの数も含めて調べておきたいところだった。

 また純粋に暗い時間が長い今の時期しか探索できないと言う理由もあって、取りあえず今は地上エリアの探索をメインに行うことにした。

 尤も今日はまず進出する準備を済ませておき、その後で地上が再び燃え盛るタイミングとそれが消えるタイミングを確認するのがメインだ。

 

 その上で炎が消えた直後に進出することで時間に余裕をもって地上エリアを探索する予定だ。

 ただ問題はどこをまず探索するかという点だ。

 今の時点で地上エリアへの入り口は三か所見つかっている。

 

 最初に見つけた赤いオベリスクが確認出来た場所か、二つ目の滝の傍にあるところか、三つ目のあの広大な地底湖の傍にあった胞子の満ちている通路の先だ。

 一番効率的なのは最初に見つけた場所だ。

 既にある程度、出入りできる環境が整っている上に近くには動物の繁殖牧場も作ってあるためだ。

 

 ……だけど敢えて今回は二つ目に見つけた場所を探索していくことにした。

 理由は二つあり、一つは入り口の付近にガスの噴き出し口が二か所あったためだ。

 あまり考えたくはないが最終的にあの放射能エリアを攻略するためにはハザードスーツが必須であり、そのためにはガスボールを集めていかないといけない。

 

 最初に見つけた場所にも一か所は噴出口が近くにあるが、素材量的にも予備的な意味でもとにかく多めにほしいところだ。

 またもう一つの理由は燃え盛る大地とそうでないエリアの境目の問題だ。

 最初に見つけた方の地上への通路は戻ろうとした際に境目が上りの絶壁になっているのに対して、こちらは下向きの絶壁であった。

 

 だから万が一にも炎に包まれた際に二番目の方だと崖から飛び降りれば一気に逃げられるのに対して、最初の場所だと階段を昇って行かないといけないのだ。

 あの炎の勢いを考えるとそのわずかな時間の差でも命を失いかねないのだから。

 

『グライダースーツもあるから何も考えず飛び降りれるのに対して、階段だと足を滑らせたりしたらそれこそお終いだもんね』

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