百六十四頁目
一通り地面から飛び出てくる奴を倒し終えたところであらためて紫の鉱石を採取したところ、見たこともない素材が取れた。
……いや正確に言えば全く見覚えがないわけじゃなくて、むしろ心当たりがありすぎるぐらいだ。
毒々しくもどこか魅力的な輝きと、まるで子守唄のような温もりが僅かにだが触れたところから伝わるこの感触……エレメント。
尤もこれまで見てきた実物と比べると反応も含めて色々と弱々しいので、恐らくは加工前の状態か何かなのだろう。
……ハンスさんが言ってたっけ、確かエレメントは使えば使うほど大地を汚染するとか何とか。
この鉱石がそういうことなのかははっきりしないけれど、余り良い気がしない事だけは確かだ。
ただ同時にもしもこれを抽出してエレメントとして利用できれば便利であることもまた事実ではある。
だけど島でも砂漠でもエレメントに関わっては痛い目を見てきたから進んで利用しようとはどうしても思えない。
しかし今後も一人でやっていくとしたら……少なくともこのARKでは誰にも会っていない以上、まだ一人で攻略していくことを考えるとエレメント製の品に頼らないと或いは厳しいかもしれない。
実際に未来人が残したと思わしきエレメント製であろう休眠ポットは利用させてもらったし、あの放射能エリアを突破できる装備とか武装だって作れるかもしれない。
何より未だに見つからない黒曜石のせいで嵩張る有機ポリマーでは加工しきれない部分が出てきている。
しかしTEKレプリケーターさえあれば大量の素材をより多く利用できるため、この問題も解決できてしまう。
……まあそもそも抽出できればの話なのだが、こうして素材が手に入った以上は手段があると思いたいところだ。
『この鉱石の状態のままなら流石に変なことにはならないと思うけど……とにかく今度こそ何事も起こらないよう厳重に気を付けて管理しようね?』
せっかく覚悟を決めてエレメント鉱石を砕いては回収して回る俺をまたしてもあざ笑うかのように、近くに黒い塊が点在しているのを見つけてしまった。
最初は原油だと思っていたけどぬめってなくて……実際にピッケルで砕いてみたら黒曜石が取れてしまって……これでポリマー問題も解決だな。
こうなると無理にTEKレプリケーターを作る必要は……ああもう、またあの悪魔が飛び出してきやがった。
エレメント鉱石について悩むのは洞窟内に戻ってからでいい、今はこいつらを駆除するのを優先しよう。