二百八十五頁目
火山の中にある足場へ慎重に降り立つと、周囲に煌めく金属鉱石や水晶の山の中から黒光りする黒曜石だけを回収していく。
本当は全て持って帰りたいところだが、ペヤラちゃんはアルケン君よりは力が弱いため諦めるしかなかった。
それでもプテラノドンよりはずっとマシだ……それにスタミナもそこそこあるし、速度に至ってはアルケン君より優れている。
総合して考えると荷物の運送に関してはアルケン君一択だが、長距離の移動のみを考えたら複数人でも乗れるペヤラちゃんのほうが良いかもしれない。
それらに対してプテラノドンは移動速度こそ最速だけれどスタミナも持てる荷物も限られているため、意外と使いづらい。
或いは近距離での移動の身に限るなら出番もあるかもしれないが、今後しばらくはプテラノドンを仲間にする必要はないだろう。
むしろ荷物運搬のためにアルケン君の同種をどんどん仲間にして増やしたほうが……もしもあの卵から孵化させた個体をちゃんと育てられるようならもっともっと子供を産ませてもいいかもしれない。
しかしそれはまだ先の話だ、とにかく今は雪山を目指しつつ、道中でアルケン君の同種を仲間に出来そうなら狙っていき追従させることで荷物持ちにさせる方針で行こう。
……そう言えばふと思い出したけれど、前に見かけたあの最大の翼竜であるケツァ何とかの飛行性能はどうなのだろうか?
スタミナは無駄に多そうだったけれど……あれで力も強いのならば、アルケン君より便利に使えるのではないだろうか?
今回の子育てがひと段落着いてフローラが動けるようになったら、今度こそ彼女と協力して捕獲を試みてみたいところだ。
二百八十六頁目
今後の予定を考えながら火山を飛び立った俺は、その急斜面で獲物を奪い合う肉食の争いを眺めることになった。
肉食島で見かけたのと同じようなティラノに大蠍、逆にあそこにはいなかった前に山肌の拠点に攻め寄せてきた群れで動く肉食……そいつらに食い殺されたらしいステゴの死体に群がろうとするアルケン君の同種。
あのアルケン君の同種は仲間にしたいところだけど、あんな乱戦状況に突っ込んでいく勇気はない……仮に上手く言ったところで、前みたいに寝かせてたところを他の奴に食い殺されるのが落ちだ。
だから諦めて飛び起って、山を下り麓に広がる森林地帯をも超えて先に見える極寒地帯との境目である川を目指した……ところで何か眩しい輝きが目に飛び込んできた。
それは今まさに飛び越えようとしている下に広がる森林の枝葉の隙間から、まるで太陽の光を反射するよう鏡のようにチカチカと光り輝いている。
一体それが何なのか、好奇心に駆られた俺は双眼鏡で確認しようとして……ペヤラちゃんの頭頂部にそそり立つトサカが邪魔でよく見えなかった。
仕方なく慎重に高度を落としつつ、周りにあの太い樹木が無いか……レオ君の同種が張り付ける太さの木が無いことを確認しながら光源へと近づいて行った。
そしてその正体を確認したところで、俺は久しぶりにこの島の生態系に大いなる驚きを感じてしまうのだった。
何故ならそいつは……全身がメタリックに輝く機械の身体のステゴサウルスだったのだから。
【今回名前が出た動物】
タペヤラ(ペヤラちゃん)
アルゲンタビス(アルケン君)
プテラノドン
ケツァルコアトル(ケツァ何とか)
ティラノサウルス
プルモノスコルピウス(大蠍)
アロサウルス(山肌の拠点に攻め寄せてきた群れで動く肉食)
ステゴサウルス
TEKステゴサウルス(機械の身体のステゴサウルス)