ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第991話

百九十頁目

 

 ちょっと無駄に頑張りすぎたかもしれない。

 高品質サドルを装備したメガちゃんが二十匹……特殊個体の悪魔を仮想敵にしていたせいで中々に捕獲を辞められなかったのだ。

 しかもそのせいで時間をかけ過ぎたのか、明るい時間と暗い時間の割合がまたしても変化してしまったようだ。

 

 これでは地上に出るのは危なすぎるわけで、結局はあの悪魔の特殊個体とのバトルは先延ばしになりそうだ。

 代わりにこれだけ戦力が整えばもう地下を歩く上では危険はないだろうと判断して、今までずっと後回しにしていた最初のエリアにあった巨大なリングの装置を調べに戻ることにした。

 まあこれまでの探索した結果からすると、恐らく素材等で目ぼしいものは見つからないと思う。

 

 また巨大なリングの装置にしても自分の知識量では何も判断できない可能性が高い。

 ただ他に進めそうな先と言えば水中の洞窟とあの赤いエリアしかないのだ。

 水中の洞窟はせっかく用意したメガちゃん軍団を連れ込むのは難しい場所だし、赤いエリアの方は進出するために専用の装備が必須だ。

 

 しかし地味にガスボールを回収して回っているがまだ放射能対策の装備を全身一式作れるだけの量を揃えるにはまだ時間がかかる。

 ……シンプルに下層階は怖いから行きたくないと言う想いがあったのも事実だけれども、とにかくそういうわけで最初のエリアを調べに戻ることにしたのだった。

 

『何か見つかると良いんだけど、仮にも最初に目覚める場所だからあんまり期待はできない気もするよね……?』

 

百九十一頁目

 

 戻る途中で地面が盛り上がり巨大蛇かと警戒した俺の前に出てきたのはあの大きなネズミっぽい生き物だった。

 紛らわしいことこの上ない登場にため息をつきながらも、ふとまだこの個体も仲間にしていなかったことを思いつく。

 正確には眠らせても餌を食べてくれず、仲間にする方法が思いつかなかったのだが、何というか改めてこのネズミっぽい個体があのカニより厄介というか優秀な能力持ちであるようには見えなかった。

 

 そう考えると仲間にする方法もあのカニより簡単であるべきではないのか、という疑問が頭をよぎる。

 もしこの仮説が正しいのなら既にカニを仲間に出来ている今の俺ならば、方法さえ見つければ問題なく仲間に出来る状態なのではないか。

 だから色々とこれまで色んな生き物を仲間にしてきたことを思い返してみる。

 

 眠らせる以外だと真っ先に思いつくのは手渡しだが食べてくれないことはわかっている。

 後はカニやゴーレムを仲間にしたみたいに頭に衝撃を与えて気絶させるやり方だが、ネズミのサイズ的に砲撃に耐えられるようには見えないし、そもそも麻酔で眠りこそはしていたのだからこん睡させるやり方はそもそも間違っていると思うべきだろう。

 他には火の鳥などのように特殊な餌を食べさせるやり方ぐらいだが……と思っているところでまたしてもネズミは穴を掘って地面に潜っていった。

 

 どうやら餌を探し求めて穴を掘っているようだが……餌……もしかして穴を掘っているとき=餌を探しているときに食事を渡さないと食べてくれないとかなのだろうか?

 ちょっと無理がある気もしたけれどせっかく思いついたのだからと手元にある食料になりそうな物を落としてみる事にした。

 生肉に果実、更には無精卵と思わしき卵なども放り込んでいくと、果たして手渡ししようとした時とは違って食べようとするそぶりは見せてくれたではないか。

 

 ただ普通の蛇の時のようにそれらには結局食いついてくれず、どうやら餌自体もかなり選り好みするようであった。

 他に何か食べさせれそうな物はと思って荷物を漁っていると、どうも冷蔵庫に仕舞い忘れていたらしい蜂蜜が僅かに残っていたではないか。

 果たしてダメもとで投げ入れてみたところ、途端にネズミは蜂蜜に飛びついて舐め始めたかと思うと、穴から出てきたときには他の動物と同じように懐いてくれていたのだった。

 

『わかって見ればなんてことないけどこれもまた分かりにくいなぁ……でもその分だけ能力に期待したいところだけど……』




今回名前が出た動物

メガロサウルス変種(メガちゃん)
アルファ・サーフェス・リーパーキング(特殊個体の悪魔)
バジリスク(巨大蛇)
ロールラット(大きなネズミ)
カルキノス(カニ)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
フェニックス(火の鳥)
ティタノボア(普通の蛇)
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