ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第993話

百九十四頁目

 

 巨大なリングの装置があるところまで戻り、今度こそ念入りに時間をかけて調べて行く。

 しかしやはり俺に分かることは未来人の技術で作られているであろうことと、このリングが間隔を置いて幾つも配置されていることだけであった。

 一体何のためにどうしてこんな大掛かりな装置を作ったのか、分からないままに取りあえずリングの連なる先を確認しに行こうと中を潜っていく。

 

 尤もそんなことをしても何が見つかるはずも……なんていう予想を他所に、まず最初の方のリングのちょうど内側にメイ・イン氏の日記を見つけて驚いてしまった。

 前の砂漠では見つからなかったからてっきり彼女はもう……なんて可能性も考えていたがそれはどうも杞憂だったようだ。

 安堵に胸を撫でおろしながら中を読むと、どうも彼女はここへ来たばかりのようであった。

 

 ただ彼女は最初の島からいきなりここへやってきたようで、しかもネルヴァ氏の死体も一緒だったと言う。

 道理で前の砂漠で二人の日記が見つからないわけだと納得しつつも、同時に最初の島で同じく日記を残していたネルヴァ氏はメイ・イン氏の手で亡くなったらしいことも書かれていてショックを受ける。

 尤も最初の島で見つけた日記の内容を思えばメイ・イン氏が悪人だとは到底思えなかった。

 

 何よりネルヴァ氏をちゃんと埋葬しているらしいとも書かれていたので……いやこれ以上は当事者でない俺が突っ込んで良い内容じゃないな。

 取りあえずネルヴァ氏には黙祷だけ済ませると、俺は気持ちを切り替えて新ためて何かないかリングの装置に沿って進み始めた。

 すると今度はヘレナ氏の日記を見つけてしまった。

 

 こちらも内容自体はどうもここに来たばかりの記録のようで大したことは書かれていなかったが、どうもロックウェル氏も一緒にいるようであった。

 砂漠との日記の内容と照らし合わせると、恐らくはこの二人の方は砂漠の後でここに辿り着いたのだろう。 

 ……俺と同じように何者かに引き寄せられるようにしてここへ来たのか……でもそれならこの最初の頁らしい日記に全くその手の言及がないのはどうなんだろうか?

 

 気になるところだけれど、それ以上に俺はロックウェル氏の名前を見た途端に胸が騒めくのを止められなかった。

 偉大なる先達、俺が最も尊敬していて、そして彼の発明品であるメディカルブリューには何度となく命を助けられてたこともあり間接的に恩人でもある。

 だけど……ルゥちゃんを操った黒幕が語りかけた名前がロックウェル氏の本名に似通っていたのは果たして偶然なのか……

 

 信じたい、本当はこの方を信じていたい……だけどARKにきてからこれまでだってずっとそうだったじゃないか。

 こうであってほしいと言う予感ばかりが外れて、嫌な予感こそ当たるものだから……

 

『……もしもロックウェルさんの日記もこのARKにあるのならそこに何か書かれてるのかな?』




今回見つけた日記

メイ・インの記録(♯1)
ヘレナの記録(♯1)
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