恋愛を頑張る虚さんの続きになります。
「箒、俺の枕元で何をしているんだ?」
朝、目を覚ますと何故か俺の顔を覗き込んでいる箒がいたので思わず聞いてみた。
「寝坊したら大変だろう。起こしに来たのだ」
「楯無さんがいるから大丈夫だぞ……」
「何を言っている!楯無さんに用事があって朝早く居なくなる時だってあるんだ。ここは幼なじみである私に任せてくれ!」
「………本音は?」
「一夏の寝顔を堪能しに来たのだ!………あ……」
思わずドヤ顔をして本音をバラした箒はしまった!という顔をしていたがもう遅い。
「箒、正座」
満面の笑みで箒に向かってそう言った。
「呼んだ〜〜?」
――――――――――――
「シャル、俺の制服を抱き締めて何をしているんだ?」
着替えようとしたら何故かシャルが俺の制服を持っていたので聞いてみた。
「一夏が制服を着る時に冷たくならないように温めてるんだよ」
「………本音は?」
「ほのかに香る一夏の匂いがたまらなくて………あ……」
思わず本音をバラしたシャルはしまった!という顔していたがもう遅い。
「シャル、正座」
呆れた顔をしながらシャルに向かってそう言った。
「呼んだ〜?」
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「鈴、俺着替えたいんだけど………」
着替えようとしたら視線を感じたので見ると鈴が何故かいたので思わず聞いてみた。
「誰にも覗かれない様に見張ってるわ」
「見張るなら外を見張ってくれよ………」
「それじゃあ、一夏の生着替えを見れないじゃないのよ!………あ……」
欲望丸出しの言葉にしまった!という顔をしていたがもう遅い。
「鈴、壁を向いて正座。今すぐ」
こっそりため息を吐きながら鈴にそう言った。
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「セシリア、タオルを手に持って何をしているんだ?」
顔を洗おうとして洗面所に向かう途中タオルを手にして待機していたセシリアがいたので思わず聞いてみた。
「一夏さんが顔を洗った後に拭いて差し上げますわ」
「………本音は?」
「一夏さんが使った後のタオルで………ふふふ……」
「セシリア、正座」
そう言って顔を紅くしながら妄想を始めたセシリアに俺はジト目をしながらそう言った。
「呼んだ〜?」
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「今日はいつもより早かったわね一夏君」
「ちょっと早く目が覚めたんですよ」
「あそこで正座してるあの子達が原因かしら?」
「ええ、そうですね……」
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「ラウラ、俺の靴を持って何をしているんだ?」
学食に向かおうと靴を履き替えようとしたが何故か俺の靴を手にしていたラウラがいたので思わず聞いてみた。
「嫁のつま先が冷たくないように温めておいたぞ」
「………本音は?」
「嫁の靴の匂い………はあ……」
「マニアック過ぎるわ!勿論正座だからな!」
俺の靴の匂いを嗅いで幸悦した表情しているラウラに思わずツッコミを入れつつ、こんな入れ知恵をしたヤツに対して怒りを覚えた。
「呼んだ〜?」
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「簪、朝ごはん食べないのか?」
楯無さんと一緒に朝食を食べようと学食に向かう途中簪を見付けて、せっかくだから一緒に食べようと声を掛けた。
「朝はカロリーメイトがあれば十分」
「それじゃダメだ。俺達と一緒に食べに行くぞ」
「それだとお姉ちゃんと一夏に迷惑がかかるよ………」
「別に気を使わなくていいんだぞ」
「それなら、二人の邪魔にならないように床に正座して朝ごはんを食べるね」
「そうしたら皆が気を使うからやめてくれ………」
簪の物凄い気遣いにかなり申し訳なくなり、罪悪感を感じてしまった。
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「まだそんなに来ていないから少ないな……」
学食に到着して、まだ他の人達が来ていない事にぼそりと呟いた。
「流石に朝早いからしょうがないんじゃないの」
「そのようだな……」
「………箒に鈴、何で俺の足を頬擦りしているんだ?」
ここに来るまでスルーしていたが我慢出来ずに聞いてみた。
「一夏の足が冷たくないように摩擦で温めているのだ」
「あたしもよ!」
ドーンと胸を張って堂々と言う箒と鈴。
「………二人共、正座………はあ……」
俺は二人にそう言うとどうしてこうなったのか頭が痛くなった。
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「シャル、何で俺の椅子に座っているんだ?」
教室に入るとシャルが何故か俺の席に座っているので思わず聞いてみた。
「一夏のお尻が痛くないように僕がクッションの代わりになるよ」
「………気持ちだけ受け取っておくな……」
「どうして?一夏はお尻が痛くならない、僕は太ももで一夏のお尻の感触が楽しめるし、ギュッと抱き締めて背中の大きさと一夏の匂いが堪能出来るし、一夏も僕の胸の感触を堪能出来る誰も損しない提案何だけど、どう?」
シャルの提案?を聞いて俺の心は冷めていく。
「シャル、自分の席に戻って正座……そんな事したら楯無さんと千冬姉に怒られるじゃねえかよ……」
とりあえず自分の席に退場願う事にした。
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「はーい、授業を始め…ま…す…」
「山田先生?」
「あっ、はい。始めますよ(何で篠ノ之さん達は椅子の上に正座しているのでしょうか?)」
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「簪、俺の体操服を抱えて何をするんだ?」
体育の授業が終わり、着替えて戻ろうとしたら簪が俺の体操服を手にしたので思わず聞いてみた。
「汗で汚れているから洗わないといけないよね?」
「自分で持って帰って洗うからいいよ………」
「大丈夫、ちゃんと痕跡を残さない様に綺麗に洗濯するから」
「痕跡って……何だ?」
簪の言葉が気になり聞いてみると―。
「えっ、えっと………」
「簪、頼むからそっちの道に踏み外さないでくれ………楯無さんが泣くぞ……」
顔を紅くして俯き出したので俺は簪の両肩を掴んでそう諭した。
「でも、お姉ちゃんの泣き顔を見るとゾクゾクしてそそるよね?」
「ああ、そこは俺も共感出来るな」
「「…………」」
「「イエーイ!!」」
楯無さんの好きな所で共感し、思わずハイタッチを交わした。
「二人共、変な所で共感しないで!」
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「あれ?楯無さんお弁当を持ってどうしたんですか?」
「一夏君と一緒に食べようと思って作って来たの、食べさせてあげるね」
「本当ですか?嬉しいな〜〜」
楯無さんの気遣いにテンションが上がる。彼女の手作り弁当は本当に嬉しいな〜。
「一夏君が望むなら口移しでも………」
「嬉しいお誘いなのですがこの前それをやったら周りから苦情が出てしまって、千冬姉から『イチャつく場所を考えろ!』と注意されて控えないといけないんです………」
「それは残念ね……」
「ええ………」
千冬姉からの注意にちょっと残念に思う俺と楯無さんでした。
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「簪、お昼はうどんだけでいいのか?」
楯無さんと一緒にお昼を食べようとしたら途中で簪と出会い、楯無さんが一緒に食べようと誘い俺達は食堂で昼食を取ることにしたが簪のお昼のうどんを見て、思わず聞いてみた。
「私は少食だからいいの……」
「それじゃダメだ。身体に悪いぞ………俺のお弁当少し食べるか?」
「一夏が食べさせてくれるなら………」
「いいぜ。はい、あーん」
「ふえっ!?あ、あーん……」
「はい、楯無さんもあーん」
「あーん」
「…………」
「ふふっ、簪ちゃんもこの展開は予想してなかったのね」
「うん………」
まさか簪はやってくれると思わなくて顔を紅くしていた。
「「「「「ぐぎぎぎぎぎぎ……………」」」」」
一方、離れた所では箒達が涙を流しながら恨めしそうに睨んでいた。
「何だこのバカップルとその妹は……」
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「お前達、私の目の前でイチャつくとはいい度胸だな」
「織斑先生?」
「周りの迷惑を考えろ、三人共正座だ」
「え?何で?」
「千冬姉に指図されたくないな……」
「おい!そこは応じる所だろうが!!」
「むしろ千冬姉が正座する必要があるんじゃないか」
「どういう事だ?」
「ふっ………ここに千冬姉の数々の失態を書き記した手帳があるんだ………バラすよ?」
そう言い俺は胸ポケットから黒い手帳を取り出して千冬姉に見せる。
「よし、わかった。今日は見逃そう、周りの迷惑を考えてイチャつけ。後、ここでは織斑先生な」
((((((ええ――――――っ!!?))))))
「わかりました、織斑先生。気をつけます」
「うむ」
((((((一体、何をしたのか気になる!?けど怖すぎて聞けない………))))))
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2組の教室にて―
「………鈴、アンタ今度は何をやったのよ」
ティナは呆れた顔をしながら鈴に問い掛けた。
「何って、一夏がトイレに行くのを一緒に着いて行って一緒に入ろうとしただけよ」
「よく正座ですんでするわね……」
「朝から正座のし過ぎで足が痛いわ」
「見てない時くらい足を崩せばいいじゃない」
「一夏の命令だもん。ズルしたくないわよ」
「融通がきかないね〜」
「何とでも言いなさいよ」
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「ふうっ、今日も終わったし着替えを―」
「一夏、周辺に不審人物はいなかったわよ」
部屋に戻り、着替えようとしたら何故か鈴がタイミングよく入ってきた。
「うん。俺の目の前に1人現れたけどな……」
「さあ、気兼ねなく着替えていいわよ!」
「それよりも制服のままの鈴こそ着替えて来いよ」
「わかったわ。一夏の為に、あたし、脱ぐわね」
「鈴、壁を向いて正座」
顔を紅くしながら妙に色っぽく脱ぎ始めた鈴に落ち着いて対処した。
「何で制服のままこっちに来たんだよ……」
「この格好の方が楽だからよ」
「………本音は?」
「一夏の着替える時間に現れる為には仕方がなかったのよ!」
「鈴、しばらく正座な」
正座したままドヤ顔する鈴に非情な宣告をした。
「呼ん…もういいよ!!」
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「ラウラ、何お風呂場を覗いているんだ?」
シャワーを浴びている時に視線を感じたのでバスタオルで隠しながら、振り返ると何故かバスタオルを巻いた姿で覗いているラウラがいた。
「嫁の身に危険が及ばない様に警戒しているぞ」
「むしろ、ラウラがそこにいる方が身の危険だ」
「仕方がないな、正座か」
「何でお風呂場に入って正座しようとするんだ!?」
戸を開けて堂々と入ってくるラウラに正直焦る俺でした。
「ラウラ、何か言う事はないか?」
「………大丈夫だ嫁よ。いつでも私はOKだ」
ジト目で問い掛けるがラウラは気にせずに頬を紅く染めながら両腕を広げた。
「ラウラ、千冬姉に通報するな」
「あっ、それはちょっと……」
反省の色がないラウラに俺は満面の笑みで最終兵器を投入した。
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「セシリア、俺のベッドに潜って何をしているんだ?」
そろそろ寝ようとしたら俺のベッドが盛り上がってたので見るとセシリアがベッドの中に入っていたので思わず聞いてみた。
「一夏さんが寝る時に冷たくないように温めておきましたわ」
「………本音は?」
「一夏さんの匂い………んっ……」
「セシリア、正座」
ギュッと枕を抱き締めて喜ぶセシリアに対して、こっそりため息を吐きながらそう言った。
「……………」
「……どうした?」
なかなかベッドから出ようとしないセシリアの様子が気になり聞いてみた。
「え、ええ……ベッドから出るまで向こうを向いてくださらないかしら」
「………セシリア?」
「その……今、下着姿ですので……」
「………着る物を貸してあげるから、さっさと部屋に帰りなさい………」
顔を紅く染めながらそう言うセシリアに俺は適当に上着を出して帰るように促した。
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「一夏君、一緒のベッドに入っていい?」
「いいですよ。どうぞ」
先に寝ていた所に楯無さんが部屋に帰ってきて俺のベッドに入りたいとお願いをしてきたので快く頷いた。
「ふふっ、温かい」
「そうですね、温かいですね」
「ねえ、一夏君」
「どうしました?」
「……ギュッって、していい?」
「いいですよ」
「ふふ……」
俺からの了解を得ると楯無さんはギュッと抱き締めてきた。
「楯無さんは甘えん坊さんですね」
「そ、そんな事ないと思うけど……」
「冗談ですよ。俺も楯無さんに甘えたい時がありますからおあいこです」
「もう……おやすみ一夏君」
「おやすみなさい、楯無さん」
俺達はゆっくりとキスをかわしてそのまま抱き合うようにして静かに目を閉じた。楯無さんのぬくもりに包まれて俺は安らぎを得たままゆっくりと眠りについた。