ありふれた異世界でMadness combat(ボチボチ再開)   作:ディセプティコン大好き

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8話 ウォーカーギア

魔法陣の光に満たされた視界、何も見えなくとも空気が変わったことは実感した。奈落の底の澱んだ空気とは明らかに異なる、どこか新鮮さを感じる空気にハジメの頬が緩む

 

やがて光が収まり目を開けたハジメの視界に写ったものは……

 

洞窟だった

 

「なんでやねん」

 

魔法陣の向こうは地上だと無条件に信じていたハジメは、代わり映えしない光景に思わず半眼になってツッコミを入れてしまった、めっちゃ落ち込む

 

そんなハジメの服の裾をクイクイと引っ張るユエ。何だ? と顔を向けてくるハジメにユエは自分の推測を話す。慰めるように

 

「……秘密の通路……隠すのが普通」

 

「確かに、反逆者の住処への直通だもんな」

 

そんな簡単なことにも頭が回らないとは、どうやら自分は相当浮かれていたらしいと恥じるハジメ。頭をカリカリと掻きながら気を取り直す。緑光石の輝きもなく、真っ暗な洞窟ではあるが、ハジメもユエも暗闇を問題としないので道なりに進むことにした

 

途中、幾つか封印が施された扉やトラップがあったが、オルクスの指輪が反応して尽く勝手に解除されていった。二人は、一応警戒していたのだが、拍子抜けするほど何事もなく洞窟内を進み、遂に光を見つけた。外の光だ。ハジメはこの数ヶ月、ユエに至っては三百年間、求めてやまなかった光

 

ハジメとユエは、それを見つけた瞬間、思わず立ち止まりお互いに顔を見合わせた。それから互いにニッと笑みを浮かべ、同時に求めた光に向かって駆け出した

 

近づくにつれ、大きくなる光

外から風が吹き込む

奈落のような澱んだ空気ではない。ずっと清涼で新鮮な風だ。ハジメは、〝空気が旨い〟という感覚を、この時ほど実感したことはなかった

 

そして、ハジメとユエは同時に光に飛び込み……待望の地上へ出た

 

地上の人間にとって、そこは地獄にして処刑場だ。断崖の下はほとんど魔法が使えず、にもかかわらず多数の強力にして凶悪な魔物が生息する。深さの平均は一・二キロメートル、幅は九百メートルから最大八キロメートル、西の【グリューエン大砂漠】から東の【ハルツィナ樹海】まで大陸を南北に分断するその大地の傷跡を、人々はこう呼ぶ

 

ライセン大峡谷

 

ハジメ達は、そのライセン大峡谷の谷底にある洞窟の入口にいた。地の底とはいえ頭上の太陽は燦々と暖かな光を降り注ぎ、大地の匂いが混じった風が鼻腔をくすぐる

 

たとえどんな場所だろうと、確かにそこは地上だった。呆然と頭上の太陽を仰ぎ見ていたハジメとユエの表情が次第に笑みを作る。無表情がデフォルトのユエでさえ誰が見てもわかるほど頬がほころんでいる

 

「……戻って来たんだな」

 

「……ん」

 

二人は、ようやく実感が湧いたのか、太陽から視線を逸らすとお互い見つめ合い、そして思いっきり抱きしめ合った

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!戻って来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「んっーーーーーー!!」

 

 

ようやく二人の笑いが収まった頃には、すっかり……魔物に囲まれていた

 

「はぁ~、全く無粋なヤツらだな……確かここって魔法使えないんだっけ?」

 

「すぐに分解される…でも力ずくなら」

 

「力づくって……効率は?」

 

「……十倍くらい」

 

どうやら、初級魔法を放つのに上級レベルの魔力が必要らしい。射程も相当短くなるようだ

 

「あ~、じゃあ俺がやるからユエは身を守る程度にしとけ」

 

「うっ……でも」

 

「いいからいいから、適材適所ここは魔法使いにとっちゃ鬼門だろ?任せてくれ」

 

「……わかった」

 

ユエが渋々といった感じで引き下がる。せっかく地上に出たのに、最初の戦いで戦力外とは納得し難いのだろう。少し矜持が傷ついたようだ。唇を尖らせて拗ねている

 

そんなユエの様子に苦笑いしながらハジメはおもむろにドンナーを発砲した。相手の方を見もせずに、ごくごく自然な動作でスっと銃口を魔物の一体に向けると、これまた自然に引き金を引いたのだ

 

あまりに自然すぎて攻撃をされると気がつけなかったようで、取り囲んでいた魔物の一体が何の抵抗もできずに、その頭部を爆散させ死に至った。辺りに銃声の余韻だけが残り、魔物達は何が起こったのかわからないというように凍り付いている。確かに、十倍近い魔力を使えば、ここでも〝纏雷〟は使えるようだ。問題なくレールガンは発射できた

 

未だ凍りつく魔物達に、ハジメは不敵な笑みを浮かべる

 

「さて、奈落の魔物とお前達、どちらが強いのか……試させてもらおうか?」

 

ハジメの殺戮ショーが始まる

 

常人なら其処にいるだけで意識を失いそうな壮絶なプレッシャーが辺り一帯を覆う中、遂に魔物の一体が緊張感に耐え切れず咆哮を上げながら飛び出した

 

「ウガァァァ!」

 

バンッ!バンッ!バンッ!

 

と魔物を撃ち抜く

 

数分後

 

辺り一面が魔物の屍で埋め尽くされるのに五分もかからなかった

 

ドンナー・シュラークを太もものホルスターにしまったハジメは、首を僅かに傾げながら周囲の死体の山を見やる

 

その傍に、トコトコとユエが寄って来た

 

「……どうしたの?」

 

「いや、あまりにも呆気なかったんでな……ライセン大峡谷の魔物といやぁ相当凶悪って話だったから、もしや別の場所かと思って」

 

「……ハジメが化け物」

 

「ひでぇ言い様だな……」

 

「あと、ハジメ」

 

「なんだ?」

 

「誰かに見られているような感じがする」

 

「……いつからだ?」

 

「ここに来て、喜びあっているときから…最初は気のせいかなって思ったけど…ちがった」

 

「そうか、警戒しないとな…」

 

「さてと、この絶壁、登ろうと思えば登れるだろうが……どうする? ライセン大峡谷と言えば、七大迷宮があると考えられている場所だ。せっかくだし、樹海側に向けて探索でもしながら進むか?」

 

「なぜ樹海側?」

 

「いや、峡谷抜けて、いきなり砂漠横断とか嫌だろ? 樹海側なら、町にも近そうだし」

 

「……確かに」

 

「あと……見ている奴らの視線をきれるし」

 

「…なるほど」

 

ハジメの提案に、ユエも頷いた。魔物の弱さから考えても、この峡谷自体が迷宮というわけではなさそうだ。ならば、別に迷宮への入口が存在する可能性はある。ハジメの〝空力〟やユエの風系魔法を使えば、絶壁を超えることは可能だろうが、どちらにしろライセン大峡谷は探索の必要があったので、特に反対する理由もない

 

地球のガソリンタイプと違って燃焼を利用しているわけではなく、魔力の直接操作によって直接車輪関係の機構を動かしているので、駆動音は電気自動車のように静かである。ハジメとしてはエンジン音がある方がロマンがあると思ったのだが、エンジン構造などごく単純な仕組みしか知らないので再現できなかった。ちなみに速度調整は魔力量次第である。まぁ、ただでさえ、ライセン大峡谷では魔力効率が最悪に悪いので、あまり長時間は使えないだろうが

 

しばらく魔力駆動二輪を走らせていると、それほど遠くない場所で魔物の咆哮が聞こえてきた。中々の威圧である。少なくとも今まで相対した谷底の魔物とは一線を画すようだ。もう三十秒もしない内に会敵するだろう

 

魔力駆動二輪を走らせ突き出した崖を回り込むと、その向こう側に大型の魔物が現れた。かつて見たティラノモドキに似ているが頭が二つある。双頭のティラノサウルスモドキだ

 

だが、真に注目すべきは双頭ティラノではなく、その足元をぴょんぴょんと跳ね回りながら半泣きで逃げ惑うウサミミを生やした少女だろう

 

「……何だあれ?」

 

「……兎人族?」

 

「なんでこんなとこに? 兎人族って谷底が住処なのか?」

 

「……聞いたことない」

 

「じゃあ、あれか? 犯罪者として落とされたとか? 処刑の方法としてあったよな?」

 

「……悪ウサギ?」

 

ハジメとユエは首を傾げながら、逃げ惑うウサミミ少女を尻目に呑気にお喋りに興じる。助けるという発想はないらしい。別に、ライセン大峡谷が処刑方法の一つとして使用されていることからウサミミ少女が犯罪者であることを考慮したわけではない。赤の他人である以上、単純に面倒だし興味がなかっただけである

 

相変わらずの変心ぶり、鬼畜ぶりだった。ユエの時とは訳が違う。ウサミミ少女にシンパシーなど感じていないし、メリットが見当たらない以上ハジメの心には届かない。助けを求める声に毎度反応などしていたらキリがないのである。ハジメは既に、この世界自体見捨てているのだから今更だ

 

しかし、そんな呑気なハジメとユエをウサミミ少女の方が発見したらしい。双頭ティラノに吹き飛ばされ岩陰に落ちたあと、四つん這いになりながらほうほうのていで逃げ出し、その格好のままハジメ達を凝視している

 

そして、再び双頭ティラノが爪を振い隠れた岩ごと吹き飛ばされ、ゴロゴロと地面を転がると、その勢いを殺さず猛然と逃げ出した。……ハジメ達の方へ

 

それなりの距離があるのだが、ウサミミ少女の必死の叫びが峡谷に木霊しハジメ達に届く

 

「やっど、みづげだぁ~~!! だずげでぐだざ~い! ひっーーー、死んじゃう! 死んじゃうよぉ! だずけてぇ~、おねがいじますぅ~!」

 

 

「"やっとみつけた?"変なことを言うやつだ」

 

「関わったら面倒なタイプ」

 

ブロロロロロロロロロ

 

そのまま進む

 

「えぇーーーー?!」

 

次の瞬間

 

双頭ティラノが逃げるウサミミ少女の向かう先にハジメ達を見つけ、殺意と共に咆哮を上げた

 

「「グルァァァァァ!!」」

 

次の瞬間

 

ハジメの横スレスレに何かが双頭ティラノに向かっていき

 

双頭ティラノにぶつかると

 

ドカァァァァァァン

 

と爆発する

 

「え?」

 

「は?」

 

爆発によりティラノは、木っ端微塵になった

 

「(なにが起きた!俺はまだ何もしてないぞ!)」

 

「ハジメ、あれみて」空に指をさす

 

「あ?」空をみると

 

そこには、この世界にない物が飛んでいた

 

「………飛行機か?」

 

ブロロロロロロロロロロロ

と小さなプロペラ音が聞こえる

 

「(プロペラ機?いや、プロペラみたいなのはついてないし……後ろについている!まさか!あれは!)」驚愕した顔

 

「……どうしたの?ハジメ?」

 

「……MQ-9 リーパー」

 

「えむきゅーないん?」

 

「りーぱー?」

 

「……なるほどな、ユエ、多分お前が感じてた視線の正体はあれだ」

 

「……そうなのですか」

 

「それより……やっとみつけましたーー!」ハジメにしがみつくが

 

「離れろ!お前を助けたのは俺じゃない!」ギュゥゥゥゥゥゥー!

引き剥がそうと顔を押す

 

「いだいいだい!!」

 

引き剥がされた

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ゴロゴロと地面をのたうち回る

 

「よくわからんウサギの相手をしてる時間はない…とっととこんな場所から出ていくんだな」

 

そしてユエの方にいく

 

「悪いなユエ、変なのに時間を取られた」

 

「ぐぬぬ……」

 

「にがじませんよぉぉ…ここで引き下がったら未来がかやりますぅ……」

 

「……」すると突然ハジメはウサミミ少女の頭に手を伸ばす

 

「……」ニコニコ

 

「……」ガシッと耳をつかみ

「纒雷」ビリリリリリリリリリ

 

「アババババババ!?」

 

そのまま黒こげになり倒れる

 

「おぉ、確かに十倍くらいの威力でやれば出せるな」

 

「ぐぇー」

 

その様子を巡回しながら見ているリーパー

 

まぁ、とりあえず話だけは聞いてあげることにしたハジメたち

 

「先程は助けて頂きありがとうございました! 私は兎人族ハウリアの一人、シアといいますです! 取り敢えず私の仲間も助けてください!」

 

なかなか図太い

 

話を要約するとこうだ

 

シア達、ハウリアと名乗る兎人族達は【ハルツィナ樹海】にて数百人規模の集落を作りひっそりと暮らしていた。兎人族は、聴覚や隠密行動に優れているものの、他の亜人族に比べればスペックは低いらしく、突出したものがないので亜人族の中でも格下と見られる傾向が強いらしい。性格は総じて温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族だ。また、総じて容姿に優れており、エルフのような美しさとは異なった、可愛らしさがあるので、帝国などに捕まり奴隷にされたときは愛玩用として人気の商品となる

 

そんな兎人族の一つ、ハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だったのだ。しかも、亜人族には無いはずの魔力まで有しており、直接魔力を操るすべと、とある固有魔法まで使えたのだ

 

そんな兎人族の一つ、ハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だったのだ。しかも、亜人族には無いはずの魔力まで有しており、直接魔力を操るすべと、とある固有魔法まで使えたのだ

 

しかし、樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に女の子の存在がばれれば間違いなく処刑される。魔物とはそれだけ忌み嫌われており、不倶戴天の敵なのである。国の規律にも魔物を見つけ次第、できる限り殲滅しなければならないと有り、過去にわざと魔物を逃がした人物が追放処分を受けたという記録もある。また、被差別種族ということもあり、魔法を振りかざして自分達亜人族を迫害する人間族や魔人族に対してもいい感情など持っていない。樹海に侵入した魔力を持つ他種族は、総じて即殺が暗黙の了解となっているほどだ

 

故に、ハウリア族は女の子を隠し、十六年もの間ひっそりと育ててきた。だが、先日とうとう彼女の存在がばれてしまった。その為、ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出たのだ

 

行く宛もない彼等は、一先ず北の山脈地帯を目指すことにした。山の幸があれば生きていけるかもしれないと考えたからだ。未開地ではあるが、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシだ

 

しかし、彼等の試みは、その帝国により潰えた。樹海を出て直ぐに運悪く帝国兵に見つかってしまったのだ。巡回中だったのか訓練だったのかは分からないが、一個中隊規模と出くわしたハウリア族は南に逃げるしかなかった

 

女子供を逃がすため男達が追っ手の妨害を試みるが、元々温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった

 

全滅を避けるために必死に逃げ続け、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだ。流石に、魔法の使えない峡谷にまで帝国兵も追って来ないだろうし、ほとぼりが冷めていなくなるのを待とうとしたのである。魔物に襲われるのと帝国兵がいなくなるのとどちらが早いかという賭けだった

 

ちなみに固有魔法を持って生まれたのがシアだよ~

 

そうこうしている内に、案の定、魔物が襲来した。もう無理だと帝国に投降しようとしたが、峡谷から逃がすものかと魔物が回り込み、ハウリア族は峡谷の奥へと逃げるしかなかった。そうやって、追い立てられるように峡谷を逃げ惑い……

 

「……気がつけば、六十人はいた家族も、今は四十人程しかいません。このままでは全滅です。どうか助けて下さい!」

 

最初の残念な感じとは打って変わって悲痛な表情で懇願するシア。どうやら、シアは、ユエやハジメと同じ、この世界の例外というヤツらしい。特に、ユエと同じ、先祖返りと言うやつなのかもしれない

 

話を聞き終ったハジメは特に表情を変えることもなく端的に答えた

 

「断る」

 

「ちょ、ちょ、ちょっと! 何故です! 今の流れはどう考えても『安心しろ!俺が何とかしてやる!』――って流れじゃないですか!実際に守ってくれる所を未来で見ましたよ!」

 

「ふざけるのはそこまでにしとけ、だいたいお前たちを助けて一体なんの得になるってんだよ」

 

「うっ…そ、それは!?」

 

「帝国からと樹海の国からも追われている…そもそもなんで未来視があるのにそんな状況になってんだよ」

 

ハジメの指摘に「うっ」と唸った後、シアは目を泳がせてポツリと零した

 

「じ、自分で使った場合はしばらく使えなくて……」

 

「バレた時、既に使った後だったと……何に使ったんだよ?」

 

「ちょ~とですね、友人の恋路が気になりまして……」

 

「ただの出歯亀じゃねぇか!貴重な魔法何に使ってんだよ」

 

「うぅ~猛省しておりますぅ~」

 

「やっぱ、ダメだな、何がダメって、お前がダメだわ。この残念ウサギが」

 

「……ハジメ、連れていこ」

 

「ユエ?」

 

「!?最初から貴女のこといい人だと思ってました!」

 

ユエの言葉にハジメは訝しそうに、シアは興奮して目をキラキラして調子のいい事を言う

 

「……樹海の案内に丁度いい」

 

「あ~」

 

確かに、樹海は亜人族以外では必ず迷うと言われているため、兎人族の案内があれば心強い。樹海を迷わず進むための対策も一応考えていたのだが、若干、乱暴なやり方であるし確実ではない。最悪、現地で亜人族を捕虜にして道を聞き出そうと考えていたので、自ら進んで案内してくれる亜人がいるのは正直言って有り難い。ただ、シア達はあまりに多くの厄介事を抱えているため逡巡するハジメ

 

「……大丈夫、私達は最強」

 

それは、奈落を出た時のハジメの言葉。この世界に対して遠慮しない。互いに守り合えば最強であると。ハジメは自分の言った言葉を返されて苦笑いするしかない

 

兎人族の協力があれば断然、樹海の探索は楽になるのだ。それを帝国兵や亜人達と揉めるかもしれないから避けるべき等と〝舌の根も乾かぬうちに〟である。もちろん、好き好んで厄介事に首を突っ込むつもり等さらさらないが、ベストな道が目の前にあるのに敵の存在を理由に避けるなど有り得ない。道を阻む敵は〝殺してでも〟と決めたのだ

 

「そうだな。おい、喜べ残念ウサギ。お前達を樹海の案内に雇わせてもらう。報酬はお前等の命だ」

 

確かに言っていることは間違いではないが、セリフが完全にヤクザである。しかし、それでも、峡谷において強力な魔物を片手間に屠れる強者が生存を約束したことに変わりはなく、シアは飛び上がらんばかりに喜びを顕にした

 

「あ、ありがとうございます!うぅ~、よがっだよぉ~、ほんどによがったよぉ~」

 

「ん?そう言えば名乗ってなかったか……俺はハジメ。南雲ハジメだ」

 

「……ユエ」

 

「ハジメさんとユエちゃんですね」

 

二人の名前を何度か反芻し覚えるシア。しかし、ユエが不満顔で抗議する

 

「……さんを付けろ。残念ウサギ」

 

「ふぇ!?」

 

ユエらしからぬ命令口調に戸惑うシアは、ユエの外見から年下と思っているらしく、ユエが吸血鬼族で遥に年上と知ると土下座する勢いで謝罪した。どうもユエは、シアが気に食わないらしい。何故かは分からないが……。例え、ユエの視線がシアの体の一部を憎々しげに睨んでいたとしても、理由は定かではない

 

「ほれ、取り敢えず残念ウサギも後ろに乗れ」

 

ハジメがユエの内心を華麗にスルーしながらシアに指示を出す。シアは少し戸惑っているようだ。それも無理はない。なにせこの世界に魔力駆動二輪等と言う乗り物は存在しないのだ。しかし、取り敢えず何らかの乗り物である事はわかるので、シアは恐る恐るユエの後ろに跨った

 

「あ、あの。助けてもらうのに必死で、つい流してしまったのですが……この乗り物? 何なのでしょう? それに、ハジメさんもユエさん魔法使いましたよね? ここでは使えないはずなのに……」

 

「あ~、それは道中でな」

 

そう言いながら、ハジメは魔力駆動二輪を一気に加速させ出発した。悪路をものともせず爆走する乗り物に、シアがハジメの肩越しに「きゃぁああ~!」と悲鳴を上げた。地面も壁も流れるように後ろへ飛んでいく

 

谷底では有り得ない速度に目を瞑ってギュッとハジメにしがみついていたシアも、しばらくして慣れてきたのか、次第に興奮して来たようだ。ハジメがカーブを曲がったり、大きめの岩を避けたりする度にきゃっきゃっと騒いでいる

 

 

 

しばらくして……

 

「!ハジメさん!もう直ぐ皆がいる場所です! あの魔物の声……ち、近いです! 父様達がいる場所に近いです!」

 

「だぁ~、耳元で怒鳴るな! 聞こえてるわ! 飛ばすからしっかり掴まってろ!」

 

ハジメは、魔力を更に注ぎ、二輪を一気に加速させた。壁や地面が物凄い勢いで後ろへ流れていく

 

 

 

そうして走ること二分。ドリフトしながら最後の大岩を迂回した先には………全滅した帝国兵とその周りにいる二足歩行をしている、何かがいる

 

「な、なんだあれ」困惑するハジメ

 

「さっきのやつと同じ?」

 

「み、みんなが」

 

色は、白

 

そして、横にはガトリング砲を搭載している物もいれば

対戦車ミサイルを搭載しているものもいる

 

まず、あんなものはこの異世界では見ることができない

 

そして、さっきのUAVもだ

 

ハジメはある2つの考察をだす

 

「(生徒の一人が生産職で、あれを作ったか……師匠達が作ったか…)」

 

ハジメは後者に賭け

バイクから降り

 

二足歩行している鉄の何か……ウォーカーギアに近づく

 

「HQ応答せよ」

 

『こちらHQ、どうした?』

 

「こちらウォーカーギア試験部隊、ウォーカーギア4機の歩行試験中、帝国が亜人を襲っている所をみつけ交戦した…」

 

『ウォーカーギアの損害は?』

 

「4機ともウォーカーギアの損害は0、歩行試験及び戦闘試験は合格とみてよし…」

 

『了解…後に輸送トラックをそちらに向かわせ保護する…あと、そちらにバイクに乗った3人組がくる警戒を怠るな…オーバー』

 

「……ふぅ、バイクに乗った3組ね…」

 

「どこか怪我はありませんか?」

 

「は、はい大丈夫です」

 

「応急処置は、これで大丈夫です…あとは輸送トラックが来るでじっとしていてください」

 

「わ、わかりました」

 

スタスタ

 

「何かが近づいてくる…警戒しろ!」

 

ウォーカーギアに乗り込み辺りを警戒する

 

そして、足音をする方を向くと

 

「……お久しぶりです…師匠達」

 

「?!お前は……南雲ハジメ……なのか?」




今回はウォーカーギア攻撃型と支援型が2機ずつ出てきたした
ちなみに今回エリートクルー達が使った試験型は、敵側が使ってたつです

ありふれマッドネスコンバットにメタルギアを入れていいか否か

  • いいよー
  • ダメだね~
  • ええけど、エリートクルー達だけに使わせて
  • ええけど、みんなに使わせて
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