俺は偽善者になれない   作:胡嶌要汰

5 / 10
第5話「殺人犯」

僕は今、走っている。

学校を早退して、保護施設(いえ)を飛び出した。

僕は中学1年生の頃に住んでいた家に行った。

何の証拠もなく。

 

家の前に着くと、1人のボロボロの服を着た男が立っていた。

その男の前には、人が倒れていた…。

 

「ヴィ、敵!?」

「あ?」

 

 

〜一方で〜

 

俺は錆嶋彰人だ。

偽善者(ヒーロー)を主に殺している。

俺の個性は殺すのに特化しているらしい。

 

俺の個性は『錆』。

五指で触れた鉄部分を錆びつかせる個性だ。

もちろん、錆びつかせるのは鉄でなくてはいけない。

だが、人間の鉄分も錆びつかせることが、俺にはできる。

錆びつかせたヒーローは髪が薄れ、咳き込み、そのまま死んでいく。

咳き込みながら、死んでいくヒーローの姿は傑作だったな!

最近、俺のことが話題になっているらしい。

まぁ、話題になればなるほどここに来るヒーローも増える!

そしたら、もう、殺したい放題!

最高じゃないか。

偽善者達(あいつら)を皆殺しにできる日も近くなる!

おっと、今日も獲物が来たようだ。

 

「ここら辺だな、最近、(ヴィラン)が出るって言うところは。」

「くくくくッ!」

「誰だ!お前!」

 

ヒーローは少しずつ間を詰めていく。

 

「おっと、そんな近くに寄っちゃ、死んじまうな?」

「構わん!俺はここで、お前を倒す!」

「ふーん、じゃ、遠慮なく。」

 

俺は偽善者(やつ)の腕を掴み、個性を使った。

 

「何をする!話せ、って!ゲホッッ!ゲホ!お前…何を…した」

 

…滑稽だ。

「お前を倒す」なんて言ってた奴がこんなにも哀れになるなんてな!

 

「ヴィ、(ヴィラン)!?」

「あ?」

 

何だ、子供じゃねぇか。

はぁ、邪魔が入っちゃやりがいがねぇな。

 

「ま、待て!」

「何だよ!」

 

ヒッ!

怖気付くな!僕だって、僕だって、僕だって!!ヒーローになりたいんだ!

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

何だ?こいつ、急に殴りかかってきて。

こんなもん、俺の個性で!

 

「警察だ!動くんじゃない!」

「チッ、クソ!」

 

俺はアパートの屋根に登り、逃げた。

 

「君!大丈夫だったかい?」

「あ、はい。」

「あれは、ここら辺を拠点に置く、ヒーロー殺しの『サビツキ』だね。」

 

ヒーロー殺し?

ここら辺?

ここは、僕が住んでた家だ。

なら、父さんと母さんも?

いや、絶対そうだ!

奴が、奴が、奴が!!

 

「父さんと母さんを殺した(ヴィラン)!」

 

僕は、会えたんだ!

僕の、家族を殺した(ヴィラン)に!

絶対に復讐をする!

あいつのせいで、人生が狂ったんだ!

僕が、最高のヒーローになってあいつを必ず!捕まえてやる!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。