俺は偽善者になれない   作:胡嶌要汰

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第9話「夢」

「研新!ほら!研新!起きろ!朝だぞ!」

 

なんだろう…兄さんの声がする。

荒々しく少し口調の強い兄さんの声だ。

 

「は!兄さん?」

「何しみったれた顔してんだよ!朝ごはん食うぞ!」

「うん」

「あら、彰人、研新起きたのね。」

 

僕は床に座って朝ごはんを待った。

 

「たくあんにご飯よ。今日は朝から奮発しちゃうんだから!」

「やったー!ありがとう母さん!」

 

そうだ。これだ。僕が望んだ幸せは…

あぁ、なんて幸せなんだろう。

いっそこのままずっと暮らしたいな。

そして目の前が暗くなった。

 

「え?何?兄さん?母さん?どこ?ねぇ、どこにいるの!?」

「こ、ここよ。」

 

振り返った先で血を流して倒れてる両親の姿が見える。

 

「や、やだ、また母さん達が死ぬなんて!!」

 

『また』…死んでしまう。

これじゃ、だめだ。

 

「研新…最後に思い出して、「       」よ。」

 

え?母さん、今、何て?

頭に砂嵐の様な音が流れてそこで途切れてしまった。

 

 

 

「ちゆーーーーーーーーーー!!」

「うわぁ!」

 

リ、リカバリーガール!

 

「なんだい起きたのかい?随分とうなされていた様だけど大丈夫かい?」

「はい…少し夢を見ていただけです。」

「それゃ、随分悪い夢だね。あんまり溜め込むんじゃ無いよ」

「はい、気をつけます。」

「今日はもう授業終わりさね。荷物はあるから帰りなさい」

「はい」

 

僕はどうやらうなされていたらしい。

だが、夢は鮮明に覚えている。

母さんの最後の言葉、砂嵐混じりで全く聞こえなかった。

母さんは、僕になんで伝えたかったんだろう?

 

下校中、僕はずっと夢の事で考え込んでいた。

夕飯の時も、寝る時も。

その日の夜から全くあの夢を見なくなった。

だが、ずっと気になっている。

母さんの言葉、そして、兄さんの居場所。

 

 

 

 

 

ー塩野市周辺ー

 

「これでようやく10人目かぁ。」

 

これだけ殺しても偽善者(ヒーロー)はやってくる。

そいつは、殺りがいがあるが、どいつもこいつもつまらない。

 

俺はいつしか偽善者(ヒーロー)に両親の仇を打つより、偽善者(ヒーロー)を無くすことが目的になっていた。

 

この世は、ヒーロー活動と言うのはただの偽善に過ぎないこともある。

特にあまり知名度がないヒーローこそヒーローらしいと俺は思う。

自分の名を知って欲しいがための活動だ。

それなら俺は手を出さない。

ただ、少し知名度があるからと言って裏で悪行を働く奴もいる。

知名度を使い、誘い、暴行、などがある。

それこそ大問題だ。

なのに、テレビでは謝罪だけをして金で解決。

だったら、ヒーロー、世の中が偽善者(ヒーロー)を粛清するより(おれ)が殺した方が世の中の為だ。

俺の邪魔をするヒーローなら殺す!

そして偽善者がいないヒーロー社会こそが俺の夢となる!

 

(ヴィラン)名ヒーロー殺し[サビツキ]

偽善者(ヒーロー)の粛清を始める。

 




キャラ紹介
錆嶋哲新「さびしまてっしん」
個性『砂鉄』
砂鉄のみ操る。家に砂鉄がなかった為、ヒーローに殺される。
錆嶋研新、彰人の父親。
工場勤務。


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