ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~   作:い湯め

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第154話

エージェントside

気絶させたA2をポッドが持ってヘリに戻る。A2をヘリのシートに座らせベルトを装着させる。

「ラヴィ、9Sへの処置はうまくいった。あ、これ返すよ」

ジャッカスからウォッチを受け取る。

「それでラヴィさん何か策があるようですが、具体的にお願いします」

「それなんだけど、ポッド、この建物が何なのか教えて貰えない?」

「解説、この建物は通称『塔』建造者、年度ともに不明。入場の際にはまず塔サブユニットのアクセス解除。その後、塔への侵入が可能となる。この建造物の目的は月面にある人類サーバーを標的とした大砲である」

解説を終えたポッドが私の後ろへと戻った。

「月面サーバーの破壊?それなら撃たせてやれば?」

「まあ、一理あるけど月面サーバーが破壊された場合の影響が想定できないから却下ね。それで止めようにもこの砲台のシステムを止めると塔が崩れる可能性があるらしいの」

「一見なんともなさそうに見えるけど?」

周りを見渡していたデボルがそんな事を言う。確かに、ぶっちゃけ私もそう思う。

「いや、先ほどラヴィさんにも言いましたが、この建物形状が変化してます。さっき近くを飛んだ時軋むような音がしました。ヘリのローター音がしてるのに割と聞こえたので見た目は何ともなくても、内部は結構ガタが来てるのかもしれません」

私も周りを見渡す。こんなに外見奇麗なのになあ。

「ヘリのローターとヘルメットをしてたポポルが聞こえた。そうすると、かなり軋む音が大きかったってことね。なおさら塔のシステム停止は辞めましょう」

「だがどうする?今こうしている間にもこれは発射準備を進めているんだろう?」

「そうね。でも、発射を止めることは出来なくても着弾地点をずらすことは可能だと思う。だからこれから私はコイツのシステムをハッキングするから。みんなはヘリで一旦この塔から離れて」

「どうしてですか!」

ポポルが声を張り上げた。

「ポポルの言う通りこの建造物はかなりガタがきてる。発射した拍子に崩れるかもしれない。みんな仲良く瓦礫の下敷きになる訳にはいかないでしょ?ホラホラ急いだ急いだ」

納得がいっていない様子の3人をヘリに押し込む。

「大丈夫!もしもに備えてだから。何もなかったらすぐに戻って来て」

ヘリの出力が上がっていく。

「あら?あっちの子みたいにA2の傍に居なくていいの?」

「当ポッドはラヴィがこれから行う行為のサポートを行う。これは命令ではなく、自らの意思である」

「それじゃラヴィさんご武運を!」

ヘリが離陸し徐々に塔から離れていく。そこそこヘリの姿が小さくなった。

「さて、始めますか」

「了解。ハッキング支援開始」

ウォッチを操作してハッキングを開始する。塔の防壁が何枚もあるが、それを1枚1枚確実に破っていく。

「良いぞ。よし侵入成功。ここからどうするの?」

「データベースの中から照準に関するファイルを発見。マーク完了」

画面上に一つのファイルが表示される。その中の一つを選択する。

「今これがさしてる座標が月面サーバーの位置なのね。で?どっちにずらせばいいわけ?」

「不明」

「は?」

「データーベースの中に月面サーバーの位置や規模の情報はない。推奨、発射された砲弾が月を避けるように修正」

「こんなに極秘まみれで良く今まで秘密を隠し通せてたわね」

ポッドの返事が無い。ホントこれアンドロイドが純粋だから成り立った事よね。

「よし、修正完了。これで発射されても問題ないはず」

すると、何処かで動作音がしたと思えばゆっくりと塔の壁の一部が動き始めた。

「凄い。子供の頃もってたカラクリのおもちゃ・・・おっと?」

どこか1か所で金属が軋む音が聞こえる。さらに連鎖するようにあちこちで軋む音がする。しかもどれもそこそこの大きさなので複数重なるとかなり耳障りな音になる。

「これは相当ガタがきてるわね。その上にこの大規模稼働・・・こんな音もなるか。どうも不安が高まる音ね」

「照準の修正完了。任意のタイミングで発射完了」

「OK。それにしてもこれかなりのデータ量ね。たかが大砲にここまで膨大なデータ必要になるものなの?」

「この建物は一部の記録を保存している。現にA2と共に塔に侵入した際には図書館をもしたデータベースが存在」

「なるほどね。ねえ発射は私が決められるんだよね?」

「発射に関しては現在開いている項目より可能」

「了解。ならここのデータ貰えるだけ貰っていきましょうか。片っ端からコピーしていきましょう」

「了解」

砲に関するデータはいらないわね。こんなデカイ砲なんて運用のしようがないし、月を砲撃することなんて今後無いでしょうからね。そこから私はデータベースにあるデータを粗方コピーした。

「よし、コピー完了ね。さ、あとは仕上げだ」

私は何もない事を祈りつつウォッチに表示されている発射ボタンを押した。再び当たり一体に動作音と軋む音が響きわたる。

「は?ちょっと待って?ロケット?大砲じゃなくて?どうなってるの?」

重い動作の後天高くそびえる方針から飛び出したのはロケットだった。だが、方針から出た時点で天高く上っていくロケットに何も出来るわけもなく私とポッドはただ茫然とその光景を眺めていた。

「え?あれ大丈夫なの?」

「ロケットの軌道から月面に衝突することは無いと考える」

「ならとりあえず良いか。お、来た来た」

遠くからヘリがやってくるのが見える。

「よーし、これで家に帰れる。帰ったらうまい飯を・・・うおッ!!」

突然塔が激しく揺れ始めた。

「嫌な予感は何となくしてたのよ。何となく・・・・あっぶねッ!!」

直ぐ近くに瓦礫が落ちてくる!

「畜生!ポッドどうしたに降りればいい!?」

「ラヴィ私を掴め」

「え!?」

「落下のダメージの軽減の為に滑空機能が搭載されいる。推奨、速やかなる決断」

「ああもう!どうにでもなれ!」

私はポッドのアームの部分を掴んで塔から飛び降りた。ポッドの言う通りまるでパラシュートで降下しているかのような滑らかな滑空だった。だが・・・

「ねえ!これもうちょっと距離かせげないの?このままじゃ下手すれば巻き込まれる」

「不可能」

「fuck!」

ここまで来て神頼みかよ・・・後ろを振り返る。マズイマズイマズイ!

「あっ」

呆気ないものだった。ポッドに捕まっていた私に飛んできた瓦礫が直撃した。痛みと衝撃で手が離れた。

「   ~~!!」

自分でわからない叫び声が出た。そして急速に地面が近づいてくる。この高さはたすからない。私はとてつもない痛みを覚悟し目を閉じた。

「・・・?」

なにか鈍い衝撃がした。だが痛みが一向に来ない。恐る恐る目を開けた。するとそこには

「良かった。このまま出遅れたまま3人共出番ないんじゃないかと心配したわ」

「ナイスタイミングね。3人が天使に見えるわ」

11B達ヨルハの3人だった。 




ラヴィさんはアダムとイヴの事を知りません。
誤字脱字解釈不一致あれば申し付けください。今回も読んでいただきありがとうございました。
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