ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~ 作:い湯め
エージェントside
「何で生かした」
そこには、怒りとも悲しみともとれる表情のA2がいた。
「アンタねえ・・・助けてもらってその言い方は・・・」
「あそこで死ぬはずだった」
デボル言葉を遮るようにA2は言葉を発する。
「質問に質問で返すようで悪いけどならA2は何で死ぬつもりだったの?機械生命体を全て殺しきれてないし、司令部に対しての復讐も出来てないのに」
「そんなもの建前だ。死に遅れた私が、自分を許せない私が、自殺する勇気がない私が、逃げるために作り上げたものだ。余りの長さで私自身忘れていたがな。さあ、こっちの質問に答えて貰おうか」
「目的は、2Bがあなたに託したデータを使って2Bを再起動する。そして、2Bやバンカーが感染したウイルスを解析してそれと引き換えに11B達脱走兵の自由をヨルハ側に認めさせる」
「猶更だ。何故生かした。何故邪魔した。あのまま待っていてくれれば、私は死んで死体からデータを抜き取れば良かっただろう」
チッ、だんだん私自身イライラしてきている。ここら辺の連中、いやアンドロイドはどうもネガティブ志向が強いうえに、本人の意思を無視を曲解して物事を進めるのかしら?それに、ストレートに言わないと全く伝わらない。勘弁してほしいわ。
「A2、人の話は最後まで聞けよ。今言ったのは建前よ。建前。本当はね、A2あなたに生きて欲しかった。笑って欲しかった」
「くだらんな」
すると、ポッド042がA2の前に移動する。
「挨拶が遅れました。おはようございます。A2」
「おい、お前は私の覚悟を踏みにじるのか?」
「謝罪。私はヨルハ機体の支援という役目を放棄した。私は願ってしまった。誰もが後悔しない選択を。誰も悲しまない選択を。A2君が生きて笑っているという選択を」
A2は何も言わない。どうやらポッドも噛んでいるとは思わなかったらしい。
「ねえ、黙ってないで何か言ったら?」
デボルが捲し立てる。A2の顔が徐々に変わっていく。
「A2?とりあえず、下に戻って話しましょ?色々積もる話もあるんだし」
手をA2に向け差し出す。
「ラヴィ!!」
手を咄嗟に引っ込める。A2は武器を私に向ける。
「アンタいい加減にしなさいよ!」
「みんな落ち着いて!大丈夫だから」
武器を構え睨み合う双方を宥める。
「でも・・・・」
「でもじゃない!武器を仕舞え!」
私の怒鳴った事で11B達は武器を仕舞う。一方、A2は武器を下ろす気配すらない。
「わかったわ。A2。2人で話ましょうか。それじゃ、みんなパスカルの村にでも遊びに行っておいで」
「ちょっとラヴィ正気!?」
「勿論」
「ラヴィさん。こればっかりは私も・・・」
私は無線機を取り出して8Bへと通信をつなげる。
CALL
「ラヴィか?どうした?」
「突然で悪いんだけど、私を除いた4人そっちに遊びに行かせてもいい?」
「ああ構わんぞ。その代わり少しだけ仕事を頼みたいんだがいいか?」
「ありがとう。多分大丈夫だと思う。それじゃ、お願いね」
「という訳で話は付けたからいってらっしゃい」
私はみんなを信じてる。だから、みんなも私の事を信じて欲しい。流れる無言の時間。
「分かったわ。ラヴィ、私はラヴィの事信じてるからね。上手くやってね!!」
ありがとうデボル。デボルに押されみんな出発する。拠点の屋上からみんなが見えなくなるまでA2は何もしなかった。
「さて、待ってくれてありがとうね」
「お前はよく武器を向けてくれる相手に1人になれるな」
「止められるでしょうからね。こんな事しようとしたら」
「何をするんだ?」
一息つくと私は腰に下げた銃剣をライフルに取り付ける。
「殺し合いよ」
「ラヴィ、お前はイカレてる」
「イカレてるどころじゃ済まないわよ。いい?私の事殺すなり戦闘不能にすればあなたは何処へ行こうと自由よ。ま、私はあなたを殺さないけどね」
「勝つ自信があるみたいな言い方だな」
「半々って所かしらね~。9Sとあそこまでやり合えたんだしいけるかなって。危ない所あったけどね」
「私も舐められたものだな。ラヴィ、その調子じゃいつか死ぬぞ」
「今じゃないならどうでもいいわ。あら?さっき一触即発までなったのにね?アレは脅しかしら?それとも・・・・」
私はこの一言でA2が本気になってくれることを期待しつつ溜めてその言葉を発した。
「怖いのか?この臆病者?」
A2の鋭い目が私を見つめ刃先がようやくこちらを向いた。
「おい・・・その言葉、撤回は受け付けないぞ」
「ええ。さて、始める前に一つアドバイス」
私は親指で首を斬る動作をして、
「あなたが勝ったときは私をしっかりと殺すことをお勧めするわよ」
A2が構えの体制に入る。私も一息ついてA2を見つめる。A2が突っ込んでくる。さて、お互い楽しもうぜ!!
今後さらに不定期なってしまいそうです。
誤字脱字解釈不一致あれば申し付けください。今回も読んでいただきありがとうございました。