ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~   作:い湯め

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第170話

エージェントside

「うん・・・?」

右手を動かすとサラサラとした感覚がする。初めて触る不思議な感触が気になった。ゆっくりと目を開けると、私の右手はA2の頭に置かれていた。

「・・・起きたか」

やっべ

「ええ。おはようA2」

「おはよう。さっさと手をどけろ」

「その前に、寝心地はどうだった?」

「・・・悪くなかった」

「そう。よかった」

満足したので惜しみつつ手を放した。体を起こして髪を手ですいたり身だしなみを整える。

「それじゃみんなを起こしましょうか」

「ああ」

「デボル・ポポル2人とも起きて」

「おい、起きろ」

A2と一緒にみんなを起こしていく。

数分後~

「改めておはよう」

「ラヴィ、お願いだから次からコイツにこの役任せないで」

「悪いんですけど、私からも同感です」

「私からも強くお願いするよ。2号は優しさってものがない」

「そんなものあって何の役に立つ」

「ラヴィに撫でられて誰よりも早く眠ってた奴がよく言うわ」

A2がサッと顔を伏せる。私の位置からは一切見えないけど、顔真っ赤になってるんでしょうね。

「それじゃ、2Bの所に行くわよ」

私達が2Bの所に行くと、ポッド042が出迎えてくれた。

「全く、ここまで来るまで長かった。とりあえず、これでひと段落になってくれるといいんだけど・・・」

正直、不安がないといえばウソになる。だけど、ここまで来たんだ。立ち止まれない。

「待たせてごめんなさいね」

私は2Bの義体にウォッチを接続する。

「再起動完了まで約30時間」

「30!?」

「まあ、9SとA2のデータをインストールするからね。再起動するから時間はかかるのは仕方ないさ」

「それじゃ、みんな2Bの事よろしくね」

「ラヴィ、ありがとう。そして、道中気を付けてくれ」

「ねえ、16D?ポッドってこんなに感情豊かだったっけ?」

「いや・・・多分ラヴィさんの影響でしょうね」

「君達もそう思うかい?」

「ちょっと、割って入ってこないでよ」

「すまないね。だが、ラヴィと話してると何と言うか、語彙が増えると言うか・・・官能的な言い回しが増えると言うか・・・何と言うかわかるだろう?」

「あ~分かります」

「私達も、アンタも今までが殺伐としすぎてただけよ」

ん?3人で何話してるのかしら?まあ、仲いいならもう私は言う事ないわね。

「さあて、いい加減出発かしらね」

「ラヴィさん、送りますよ」

という訳で、屋上にみんなが見送りに来てくれた。ヘリにかけていたブルーシートを外す。快晴の空の下。熱いほど照り付ける太陽の日が、ピカピカのヘリのボディに反射している。私が操縦席に乗り込む。

「A2さん、適当なところに座って一応捕まっててください。それと、飛んでる最中は上のローターがうるさくて、何も聞こえないので無線を使ってください」

ポポルが初めてのヘリに戸惑っているA2に色々教えてくれている。

「ポポルこれでいいのか?」

「ええ。ラヴィさんそれじゃ」

ポポルが機体を降り、屋上の隅のほうにいるみんなの所へと戻る。そして、親指を立てる。

「それじゃいってきま~す」

機体が浮いて、高度が高くなり、みんなの顔が少しずつ小さくなっていく。もう、見えなくなってしまった。

「ボンボヤ~ジュ」

ジャッカスね。いったいどこでそんな言い回し覚えたんだか。

「で、これから何処に行くんだ?」

「よくぞ聞いてくれました~今回の旅の目的地は首都ワシントンDCで~す」

「なんだそのテンション。で、ここからどれ位かかるんだ?」

「そうですね~約20時間といったところでしょうか」

「八ッ!?20時間!?」

「はい。そこから現地の観光などを含ますと4泊5日の旅となります。機長を務めますはデリア・ミレッド・ハヴィランドでございます。長旅となりますがよろしくお願いいたします」

機長挨拶がうまくできた。そうして、しばらく飛んでいると

「おぉ~A2!右見て右」

私に促されてA2が右側を見る。近くで鳥の群れが飛んでいたのだ。どうやら、数千年人類が地球からいなくなり、機械生命体があふれるこの世界で鳥たちは人工物に対しての恐怖が一切なくなってしまったようだった。あまり近づいてしまうと、ローターで鳥のミンチが出来上がる危険性があるのであまり近づけないのが残念だった。

「奇麗だな」

「そうね」

「前までの私は、この鳥たちを奇麗に思えたことは無かった。だが、どこから狂ったんだろうな。今の私はこれがすごく美しく見えるよ」

「いいじゃない。私の時代よりも自然が活き活きしてて、私としても新鮮な気分。あら、バイバイ~」

鳥たちは私たちの機体から離れて行ってしまった。その後も私たちは荒廃した文明と違いさらに活き活きしている自然の美しさに感動しつつ飛行を続けた。

「ラヴィ見ろ。地平線に日が沈んでいく」

「幻想的ね。日が沈んだということは段々暗くなっていくわね。夜の飛行は危険だし、私も疲れたし、どこか着陸できそうな場所はない?」

「なら、あそこはどうだ?」

A2が指さした方向にはちょうど開けた草原があった。しばらく旋回してみたが、機械生命体は見当たらないので着陸することにした。

「あ~腰痛い」

操縦席から降りて腰を伸ばす。大きく息を吸い込む。冷たくておいしい。

「軽く見たが、機械生命体は見当たらない。ひとまずは安全だろう」

「ありがとう。それじゃ寝ましょうか」

私達は明日に備えて狭いヘリの中だが寝ることにした。




ヘリの燃料が持たない事は分かってる。でも!書きたかったから書いた。後悔はちょっとしてます。
誤字脱字解釈不一致あれば申し付けください。今回も読んでいただきありがとうございました。
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