ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~   作:い湯め

172 / 193
第172話

エージェントside

「さてと」

大統領の椅子を堪能した私は立ち上がって、執務室の4分の1を占領している、サーバーの前に立つ。

「流石に・・・・動いてはないわよね・・・?」

軽く間から中を覗むが中は特に傷んでいる様子は無い。

「・・・よかった傷んでなくて」

ウォッチを繋いで電源を復旧させる。

「で、ラヴィいい加減教えてくれ。この旅の目的はなんだ」

「月面の人類サーバをぶっ壊す」

「・・・正気か?」

「当時、どのような思惑で作られたにせよ、今となってはあれが諸悪の根源よ」

私は割れた執務室の窓からうっすらと見える月を睨みつけた。

「そうか。で、どうするんだ?こればっかりは私も本当に分からないからな。おそらく、ホワイトも知らんだろう」

「でしょうね。だからここに来たのよ。勘だけど、ここにはまだデータが残ってるんじゃないかと思ってね。結果は予想した通り。サーバーが残ってた。しかも無傷で。これから可能な限りの情報収集って感じかしらね」

「で、私のやることは?」

「雑用で申し訳ないんだけど、枝とか枯れ葉とか集めてくれない?」

「分かった」

「それじゃ、A2気を付けてね」

「ああ」

A2の足音が遠ざかっていく。さて、やりますか。情報の一覧からそれらしい情報を探すが、なかなか出てこない。

「警告、このファイルは権限がある者のみ閲覧可能です」

権限?月面サーバーの情報が閲覧可能なセキュリティレベルは確認すると最高レベルだった。

「最高レベルか・・・もう今となってはこのセキュリティレベルをパス出来る奴がどれほど残っているのかしら?」

ふと、先ほど座った椅子が目に入った。そして、荒れ果てた執務室全体を見渡す。

「ふふっ・・・昔は見るたびに憧れてたのに今となっては、ファイルを開けるためのパスに成り下がるとわね」

懐かしき過去を思い浮かべ、先ほどのファイルへと戻った。

「多分、いけるわよね?」

「承認。第■■■代大統領デリア・ミレッド・ハヴィランド」

これでどんなセキュリティレベルでも問題なく通り抜けられるわね。

「さて、分厚いカーテンの中はどうなのかしら?」

そこにあったのは月面サーバーが出来た経緯や、運用方法などが事細かく記されていた。しかしながら、その詳細の位置は残っていなかった。履歴を見ると削除された項目があった。

「チッ・・・・何とか復元できないかしら」

履歴からデータの復元を試みる。

「えぇ・・・?復元してこれ?」

復元されたデータで施設全体の位置は分かったがサーバの位置が分からなかった。

ピンポイントでやれないとなると・・・う~んどうしたものか・・・私の当初の計画では見せかけの資材運搬用のロケットの起動を変更して、サーバーに激突させる予定だった。しかし、データを見るとそれも厳しい。う~んどうしたものか・・・大統領の権限でも・・・ん?あれ?私って今大統領?

「位置が分かんないなら全部吹っ飛ばせばいいのか!」

その時私に電撃走る!直ぐに軍のデータにアクセスする。

「近くの・・・・えぇ?この位置にあるってことは座礁してるわよね・・・」

「戻ったぞ」

枝や枯葉を抱えたA2が戻ってきた。

「おかえりなさい」

「ラヴィ、ここの発射場にはいかないのか?」

「明日行くわ」

「さて、まだ明るいうちにご飯食べちゃいましょ」

噴水広場に戻り、A2が集めてきてくれた枝に持ってきた肉を刺して、焚火近づける。肉が焼けるのを2人で待つ。

「偶にはこんな風にワイルドなのもいいでしょ」

「そうなのか?私には分からん。それで、何か分かったか」

「一通りはね。これを食べ終わったら説明するわ。その後は、ここで物資調達とみんなへのお土産ね」

「良いものがあるといいな」

「ええ。お、焼けたわよ」

地面にさしていた枝の一つをA2に渡す。肉汁が滴るそれにA2は思い切り齧り付いた。やっぱりA2の幸せそうな顔が好きだな。

「おい、あまりジロジロ見るな」

「あ、ごめんね。でも私やっぱりA2の幸せそうな顔が好き。そんな顔が守れたならこの傷も無駄じゃなかったかな」

「////早く食べろ。冷めるぞ」

「そうね」

私も目の前のウマそうな肉塊に齧り付くことにした。

数分後~

「「ごちそうさまでした」」

持ち手になっていた木の枝を焚火に突っ込んで燃やす。燃えていく様子を私たちはボーっと眺めていた。焚火がすべての燃料を燃やしつくし、徐々に火が弱くなってきたところで上から踏んで消化した。

「さて、ドキドキの夜のホワイトハウス探検と行こうじゃない」

銃の先についたフラッシュライトで照らしながら進んでいく。昼間のうちに機械生命体は片づけたので問題はない。

「武器庫はこれね」

電子ロックの扉は電力不足で開かない。そこで、扉に爆薬を仕掛ける。

「fire in the hole!fire in the hole!fire in the hole!」

爆破した扉は入り口の一部が歪んだ程度だった。

「A2お願い」

「ふんっ」

扉はA2が一捻りで開いた。

「お~これは宝の山ね」

扉が開かなかったことによって機械生命体も入れなかったおかげで、数は少ないが、状態の良い武器が保管されていた。

P90

AR-15

SR-25

「明日の出発の時に運びだすとしましょう。それで明日の目的地を説明するわよ」

執務室に戻ってきた。そして、上からプロジェクタースクリーンを降ろす。そして、プロジェクターの電源を入れウォッチを接続し、地図を表示する。

「座って」

「なんだか、ワクワクするな」

「これも、お土産に持って帰るわよ」




お久しぶりです。プロジェクターにワクワクする。ちょっと子供っぽいようなA2さんも良いと思うんです。それではまた間が空きます。
誤字脱字、解釈不一致あれば申しつけください。今回も読んでいただきありがとうざいました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。