ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~   作:い湯め

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第179話

エージェントside

しばらく待っていると渋々手を洗いに行っていたA2も戻って来た。という訳で調理を始める。まず初めに小麦やら砂糖やらをぶち込む。それを混ぜる。それに牛乳と水を加えて混ぜる。そして、纏まってきたら形を整えて見た目につやが出来たら布をかぶせて発酵させる。因みにそのパン生地が入っているのはパスカルの村から貰った廃材の中に入っていたボウル。多分、ボールではない。けど、丁度良さそうだったので煮沸消毒を念入りに行ったうえで行っております。

「ラヴィ?」

「あ、ごめん。それじゃ、これを一次発酵します。具体的に言うと6時間待ちます」

「6時間だと!?」

「そんなに」

A2と2Bが驚きの声を上げる。

「別にそんなに驚くことじゃないでしょ。私達だってアンタ達の再起動に合わせて60時間以上待ってるし」

「それに、私達夕方にしか食事しないじゃないですか。今から6時間後はまだお昼過ぎですよ」

「そうだよ。ん?さては2人共~私たち以上にラヴィのご飯を楽しみにしてるな~」

「なッ!」

あ~2人共そういう事だったのね。な~んだそれならそうと言ってくれれば良かったのに~。

「A2、2B、2人の心拍数の上昇を確認」

「おい。ポッド。鉄屑にするぞ」

「ポッド。うるさい」

ポットが私の方を見て少し手を動かす。それ、親指立ててるつもり?だけど、いい仕事してるわ。私も親指を上げる。

「それで、それまでの間何するの?」

私は説明をする為に設計図を机に広げる。

「なんだいこれ」

早速ジャッカスが興味を示す。流石、科学者兼技術者ね。

「待っている間に石窯を作るわよ。私もこれに関しては素人だからそれなりに時間が掛かかると思うの。早いうちに初めて損はないと思う」

まずは、最初にレンガを屋上に運びあげる。これが私的にはかなりの重労働なんだけど、アンドロイドからするとそうでもないみたいで1時間もかからずに運び上げることが出来た。まず、粘土を盛ってドーム型を作る。もうここから躓いた。綺麗なドーム型を粘土を作るのはとても繊細な作業だ。悲しい事にこういった作業が得意なのはこの中だと私とジャッカスだけ。私とジャッカスが何度も何度も作り直し形を整えた。しかもこの炎天下の下だ。長時間集中した作業をすると熱中症になりかける。私とジャッカスは数回頭の上から水を被って作業した。なんやかんやで2時間弱かかった。やっと納得できる綺麗なドーム型が出来上がった。次の作業はみんなで出来るからそんなに時間がかからない。そう思ったがこれが甘かった。レンガを積み上げていると何故か隙間ができる。みると、レンガの表面が平らじゃない物が多い。基準を決め、レンガ同士を力任せに何とか加工していく。そして、すべてのレンガを揃えるまでに1時間半を要した。

「ここまでやったんだ!美味い物ができるんだろうな!」

「大丈夫よ。A2だから頑張って」

「ちょっと喋ってないで手を動かしなさいよ」

「クソッたれ!!」

後半みんなヤケクソだった。あの2Bですらもヤケクソだった。そこから約2時間かけて丁寧に組み上げた。

「完成しましたよね・・・?」

「ええ。みんなお疲れ様」

時計を見ると、1次発酵が丁度終わるところだった。

「一旦下に戻って生地の様子を見て見ましょうか」

下に降りる。

「見て。膨らんでる!」

2Bも興味深々みたいね。その容器をもって私は屋上に戻る。

「次はあったかい所で30~40分ね」

「まだかかるの!?」

「待つのはこれでお終い。これが終わったら形を整えて焼くだけよ」

「わざわざここで待つ必要もない。下で涼みません?」

「賛成だ」

みんなで下に降りて水を飲んで涼む。私に関しては汗をかきすぎて着替えた。そうこうしているうちに時間は過ぎ私達は屋上に戻った。

「さっきより膨らんでる」

形を細長く整えて耐熱トレーいざ石窯の中に入れる。みんなには休んでもらって私は火の番をすることになった。いざ!まず、一通り確認してしっかり焼けているかの確認。火が端の方がにしっかり火が通っているか確認する。多分これで大丈夫よね・・・?

ワクワクしつつ窯の中のパンを見る。正直かなり熱いけどパンが食べたくてワクワクが止まらないのだ。昔、可愛い人形を見つけておもちゃ屋のガラスをジッと眺めていたのを思い出す。

10分後~

窯からパンを取り出すと薄っすらときつね色になっていた。思わずガッツポーズしちゃった。ここまではレシピどうり。表面に火はだいたい通ったから次は中に火を通す。トレーの下にレンガを置いて火加減を調整。10分位でレンガを縦にしてもう少し火を通す。

「多分もうここまで来たら大丈夫よね・・・?」

上手く行くことを祈って下に降りる。

「みんな~そろそろ出来るわよ」

「わかりました。今行きま・・・ってラヴィさん汗凄いですよ!顔も真っ赤!」

「ほら」

A2が水筒を投げてよこす。水を飲んで残りを頭からかぶる。冷たくて気持ちいい。下手すると熱中症なるところだったかも。危ない危ない。コップに水を貰って汗を拭きつつ肉を焼き始める。付け合わせにジャガイモを蒸かそうかとも考えたけど、蒸かすのには時間がかかる。パンがもう少しで焼ける。焼きたてが食べたい!という訳で今回の肉の焼き加減はレアだ。異論は認めん。

「ちょっと今回は肉の量が多くないかい?」

「ここまで苦労したのよ?いっぱい食べたくない?」

「賛成!!」

そんなこんなで続々と肉が焼き上がっていく。塊を皿にのせて片手に塩・コショウをもって屋上に上がる。

「いい匂い!!」

「お腹がすきますね。先輩」

「私知ってるわ。コレ絶対美味しい」

窯に近づいて中を覗き込む。

「うん。初めてにしてはかなり上手く行った」

薪を抜いて火加減を弱める。さあ、ご対面。

「いでよ!」

窯から出すと同時に香ばしい匂いがした。鼻の中をス―ッと通り抜ける匂い。久しぶりに嗅いだ匂い。

トレーを置いて一つ手に取り、ちぎって断面を見る。火は問題なく通ってそう。

ゴクリ

誰かの喉がなった。意を決して一口放り込む。

「へへへへへへへへ」

「ラ、ラヴィ・・・?どうだい?」

「これはかなり美味いぞ。ほい」

茫然と眺めていたジャッカスの口にちぎって放ってやる。ジャッカスはゆっくりと咀嚼する。そして、私と同じようにニンマリと笑う。

「どう?」

「これは・・・革命だな」

そんな大袈裟な。

「ラヴィ!ラヴィ!私も!」

そういうデボルとしれっと横で私に目線を向ける2人にちぎってあげる。2人はそれを口に入れると一瞬目を見開き幸せそうな表情になる。言葉なんて必要ない。と言わんばかりだ。次は私達だと言わんばかりにヨルハ組が集まって来た。先頭と2番目は意外にもA2と2B。全員の口に放り込んでやる。まったく、全員幸せそうな顔。A2ですらだらしなく笑ってる。あ、私もか。

「美味しい!すっごい美味しいよ!ラヴィ!」

「柔らかくて口触りがふんわりしてるね。それに、味付けしてないのに凄く美味しい」

すると、A2がパンをもう一つ取って豪快に齧り付こうとする。

「A2、ストップ」

「なんだ。私だって腹が減ってるんだ」

「そんなに焦らないの。ほらちょっと貸して?」

A2は疑問を呈しながらも私にパンを渡してくれる。そして、A2から貰ったパンと他すべてのパンの真ん中にナイフで切り込みを入れる。

「ねえ、ラヴィは何してるの?」

「私にもさっぱりさ2B。だが、ハズレじゃない」

次にレアの肉塊を大胆に大きくカットする。それを間に挟み、塩・コショウを振りかける」

コッペパンサンドの出来上がりだ。

ゴクリ

全員の喉がなった。出来上がったサンドをA2に渡す。

「どう?かなりの威力でしょ?」

「そうだな」

「貴方のBモード以上?」

「降参だ」

その後は全員分サンドを作って私も豪快に齧り付いた。ハァー↑最っ高。全員サンドを二つ以上食べ、肉も全て食い尽くした。

「ラヴィ。ご飯っておいしいね」

「お口に合って良かったわ。2B」

下に戻って片づけをすると、みんな疲れからかすぐに寝る体制に入っていた。私も本当はすぐに寝たかったのだがやりたいことがもう一つあった。無線機を手に取った。




長くなりましたのでここで切ります。
誤字脱字解釈不一致あれば申し付けください。今回も読んでいただきありがとうございました。
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