ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~   作:い湯め

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第182話

エージェントside

一通りのルーティーンをこなしてからみんなを起こす。この見慣れた光景が今日はどこか違うように感じた。多分私も緊張してる。

CALL

「あら、おはよう」

「ああ。そろそろ起きてるかと思ってな」

「みんな起きてるわよ」

「そうか。もう少しで6Oと21Oが迎えに出発するぞ。ボチボチ準備しておいてくれ」

「了解。わざわざ悪いわね」

「構わんさ。それじゃあな。健闘を祈ってる」

「ありがとう」

 

通信終了

 

それじゃ、準備しないとね。まず、銃をすべて点検する。そして構えるモーションをしてもしもに備えて素早く武器を抜ける位置にポケットをずらす。そして、リュックにはA2との旅行で回収してきた武器を全てとこっぺサンドをバックに詰め込む。

「ラヴィ・・・もしかしてその銃全部使うつもり?それとも威嚇でもするの?」

「いや、交渉が終わったらアネモネとお茶しようと思ってね。その時ついでにこれ売ってこようかなって」

「図太すぎませんかね?」

その後も他愛の会話をしながら準備を進めていると

「ラヴィさーんお迎えにあがりましたよー」

下の階から21Oの声が聞こえてくる。リュックサックを背負って下に降りる。後ろからみんながついてくる。

「おはようございます」

「お・おはようございます」

21Oと同じ金髪の子が緊張した様子で挨拶してくれた。

「21O久しぶり。そして、となりの方は・・・」

「初めまして6Oです!お迎えに上がりました!」

「初めまして。それじゃエスコートお願いね」

「「わかりました」」

「それとラヴィさん以外は同席できません」

私以外の空気が凍った。

「おい、クソ真面目どういう事?勿論、説明できるわよね?」

「喋らないならホワイトの命令を聞く義理もないぞ」

「2人とも落ち着いて。ステイ。ステイ」

A2と11Bが2人に詰め寄った。2人はヨルハ絡みになると途端にケンカ早くなるのよねぇ。

「うぅ・・・先輩怖いです・・・」

すっかりA2の視線に怯えてしまった6Oが21Oの背中に隠した。

「6Oしっかりしてください」

その割に随分うれしそうね。21O。後ろにいる2Bと16Dが小さな声で「え??」って言ったのを私は聞き逃さなかった。

「ゴホン。これで分かったでしょう。あなた達を連れて行って刀傷沙汰にならない確率のほうが低いと私は考えますが?」

・・・・・チッ

ぐうの音も出ない2人。せめても抵抗なのかA2の舌打ちが静かに響き渡った。

「そういう訳ならみんなで仲良くお留守番してて」

2人を含めたみんなの頭を軽くなでてあげてから出発した。歩き始めてしばらくして6Oが話しかけてきた。

「先ほどはありがとうございました」

「どういたしまして。こちらこそ2人がごめんね。」

「正直、文句を言われるのは覚悟していました。特に喧嘩早い11Bは絶対噛みついてくると思ってました」

さすが、長い間オペレーターやってただけはあるわね。

「でも、司令官の言ってることは滅茶苦茶ですよ。私も先輩も聞いたとき耳を疑いましたし・・・」

「恐らくラヴィさんだけなら危険は無いと考えたんでしょうね。まぁ大誤算もいい所ですが・・・」

「あら?褒めてくれたの?ありがと」

そんなこんなでレジスタンスキャンプがある建物が見えてきた。それと、その前の広場に見慣れないものが見えた。

「ねぇ会場ってまさかあそこ?」

「はい」

6Oちゃん?そんないい笑顔で返事しないで・・・目の前の広場にポツンと置かれたイスとテーブル。そして、周りは一見何もない。どうせ、隠れてる奴はいるでしょうけどね。私は人質をとった凶悪犯か。

「ラヴィさん。言いたいことはわかります。もし、何かあれば命をかけて助けます。ラヴィさんも遠慮はしないでください」

「了解」

レジスタンスキャンプの人達の動きが見えるようになってきた頃、入り口から見慣れた人影がこちらに向かってきた。

「アネモネさんですね。それじゃあ我々はこれで。幸運を祈ります。6O行きますよ」

「はい。それじゃあ失礼します」

2人と別れ私はアネモネのほうへと向かっていく。

「驚いた。本当に一人で来るとはな」

「ひと悶着あったけどね・・・」

「だろうな」

すれ違いざまに背中を軽く叩かれる。視線を前に戻すとホワイトさんが歩いてくるのが見えた。腰には大きな刀をぶら下げている。

「今日はお招きいただきありがとうございます」

「お互い有意義な話ができるといいな」

互いに手を差し出し固い握手を交わした。

「歩いてきた疲れただろう。その荷物とライフルは預かってもおう。アネモネ!悪いが預かってくれ」

レジスタンスが2人やってきた。その2人に私はリュックとライフルを預ける。2人は離れたところにいるアネモネの所に荷物を置いた。下手にいじられたりはしないだろう。こうして私とホワイトさんが向かい合って椅子に座った。

「それじゃあ始めるとしよう。まず、私が要求したいのは第一に我々にあのウイルスのデータ、できれば解析済みの物が欲しい。次に9Sの再起動。第三に11Bを含めた脱走兵一同の身柄の引き渡し。以上だ」

「分かったわ。とりあえず、こちらも要求を伝えないとね。第一に11Bたちの無罪。脱走した罪は問わない。次、あなたを含めた全てのヨルハ部隊員の選択の自由。この二つね。どう?これでもかなり譲歩したほうなんだけど?」

まぁこのまま合意ってことは絶対にないからね。ここからが交渉の本番。

「まず、ウイルスの提供の件だけど、2Bの義体に残ってたウイルスを解析したものがあるからそれを渡す。それでいいわね?」

「ああ。これで対策できる」

「次に9Sの件だけどジャッカスや21Oから話は聞いてるわ。義体の修理も完了してるみたいだし、一応最後に汚染の確認をした後再起動するわ」

「そうか。感謝する」

ホワイトの顔から少し力が抜けた気がする。冷酷な人だとばかり思ってた。少しイメージ変わるわね。

「さて、本題に入るとしよう。11B達の処遇のことだ」

やっぱりここが交渉の天王山よね。気合を入れないと。あの子たちがずっと無邪気に笑って言られるように。




一応あと数話で完結のつもりでいます。ゆっくりになりますが良ければお付き合いください。また、2週間くらい中の人のテストの影響によりお休みいただきます。
誤字脱字、解釈不一致あれば申しつけください。今回も読んでいただきありがとうございました。
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