ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~ 作:い湯め
エージェントside
「さて、本題に入るとしよう。11B達の処遇のことだ」
「寛大なご判断を期待したいけど?そもそもどうしてそんなに彼女たちに拘るの?」
ずっと気になってたことだ。別に11Bは機密を盗んだわけでもなければ、仲間を殺したわけでもない。ヨルハ側に危害を加えるわけでもない。ただ脱走しただけ。まぁ罪を犯したことに変わりはないけど、そんなに躍起になって捕まえようとしてる理由がずっとわからなかった。私も2人からヨルハに関する話を聞いてたけど、それでもまともな仮説すら立てられなかった。
「私たちヨルハは地球を機械生命体から奪還するため日々戦っている。最近は、以前のように一筋縄では行かなくなってな。対策を考えてはいるが、更なる連携を深めることにも力を入れていな。そんな中脱走が連続して起きた。それをお咎め無しは示しがつかない。軍人だったのならわかるだろ?」
「ふ~ん。それで?それっぽい理由を並べれば通るとでも?言っておくけどね、私達は8Bたちが脱走した原因となったデータの事聞いてるわよ。月面サーバの指示。ただそれだけなんでしょ」
そう。私に下手なウソは通じない。それに、月面サーバーが示す人類の生存もウソ。なんなら今の状況に本当のことを見つけ出すほうが難しい。
「・・・・・・」
ホワイトは完全に黙ってしまった。
「ねぇホワイト?少し聞きたいことがあるの」
「・・・・なんだ」
「あなたは11B達の事、A2の事どうしたいの?」
「も、もちろん厳しっ」
人差し指を彼女口に押し当てる。
「違う。ヨルハ部隊の司令官には聞いてない。ホワイト、あなた個人の意見を聞いてるの。11BやA2達以外にも今、あなたについて来ている子達をあなたはどうしたいの?」
「私は・・・・私は・・・」
ホワイトが振り絞るように声を出す。それは、先ほどの自分を奮い立たせていた彼女ではない。
「私・・・は・・みんなを死なせたくない・・・生きていればそれでいい・・・」
震える彼女の手をそっと握る。
「だが・・・だが・・・どうすればいい?私はどうすればいいんだ?どうするのが正解だった?誰も教えてくれない・・・何度か行動を起こそうとしたことがあった。だが、奴らは直ぐに感ずいて釘を刺してきた。脱走兵が出れば一応の対応として追跡部隊を派遣した。だが、少数だ」
驚いた。追跡部隊の派遣が一応の対応とわね。確かに、11Bの時も16Dだけだったし・・・8B達の時も2Bと9Sの2人だけ・・・
「だがな、地上に派遣されるヨルハ部隊は戦闘には長けているが戦術的行動がとれない。オペレータータイプやポッドが必要なんだ。だか追跡部隊に必ず補足され・・・」
なるほど。最低限の対応で対処できてしまったと。
「だからA2や11B達がお前のような優しい奴に拾ってもらえた事・・・私は実は嬉しく思っている。本人には言うなよ」
「悪いが手遅れだぞ」
「!?」
後ろからA2の声がした。ホワイトは先程の姿と変わって飛び上がり距離をとる。そして、私の後ろにいるであろうA2を睨みつけている。
はぁ~
私も深いため息の後後ろを振り返ると、真顔のA2とその後ろに11Bやジャッカスが苦笑いで立っていた。
「何しに来た!!」
「ほんと。何しに来たの?」
「ホワイトの本音を聞いていてもたってもいられなくなってな」
「聞いていただと!?ラヴィどういう事だ!」
「あー・・・もしもに備えて無線機をONにしてたのよね」
「それは・・・つまり」
「あぁ。もちろん聞いてたぞ」
A2が口角を上げる。
「さて、それなら話が早いな。色々決着をつけよう」
A2は武器を抜く。それに反応してホワイトも武器を抜く。
「A2!ここは交渉の場なの。武器を下ろして」
こんなことで交渉が決裂するなんて冗談じゃない。2人の間に入る。
「ラヴィ安心しろ。私は死ぬつもりはない。ただ、アイツと話をするだけだ」
「なんでそれで武器を抜くわけ?」
「どうせ一筋縄ではいかないだろうからな」
「なおさらダメ」
お前らは腐れ縁の幼馴染か。
「ラヴィ、私を信じろ」
A2は笑顔で力強く、そしてしっかりとした目で私を見つめる。
「まったく私ってホントちょろい。それじゃ、少し目を瞑って」
「??構わんが」
チュッ
「「!!!」」
「ラヴィ!おまっ・・・お前っ・・・い、今っ!」
「んー?大丈夫?顔真っ赤よ?」
「誰のせいだと思ってるんだ!」
すごくいい反応するわね。もうちょっとイジメてみましょうか。A2の耳元に近づく。
「上手く終わらせられたら、もっと良いコトしましょうか?」
ゾクリと体を震わせたA2が私を睨んだ後、ゆっくりとホワイトの元へと歩いていく。
2人を見ていると、顔を真っ赤にした11Bと16D。2Bと姉妹は手で顔を隠している。ジャッカスも顔真っ赤。へぇ。
「なんでジャッカスも赤くなってるのよ。他はわかるんだけどさ」
「ちょっとラヴィわかるってどういうことよ」
「そうですよ!」
「う~ん?2人もしてほしかった?」
デボル、ポポル撃沈。ヨルハの2人は防御態勢に入っていた。
「アンドロイドって案外弱いんだ」
いい事知っちゃった。
A2side
まったくラヴィめ!あー顔が熱い。先ほどのことを考えないように目の前のホワイトに集中する。風のお陰で徐々に熱が下がってきた。そして互いの顔が見える距離になった。
「顔が赤いぞ。大丈夫か?」
「お前も真っ赤だぞ」
互いに顔は赤いのに澄まし顔。傍から見えれば笑えたろうな。
「ラヴィには悪いが自分でケリをつけたくてな」
「ほう。いいのか?今から貴様がやろうとしてることはラヴィの行いを無駄にすることだぞ」
「ふん。問題ない。恐らくこれも見透かされてるさ」
「そうか。なら来い!」
私はラヴィと違って力で押し切ってきた。今更そのスタンスを変えたりはしない。それに長く戦ってると疲れるし迷惑だしな。
「ハァアアアアア!!」
Bモード。ホワイトは予想通り守りに入っている。それを力の限り強く攻める。激しいラッシュ。徐々に武器の形が変わってくる。ホワイトの使っている物の方が良いからな。だがなホワイト、私はただ力押ししてる訳じゃないんだ。ラヴィを見習って上手くやらないとな!
大変お待たせしましたああああ!!!!
当初よりもかなり遅れてしまいすいません!シリアスは後、1話で一体は区切りをつけます。
誤字脱字解釈不一致あれば申し付けください。今回も読んで頂きありがとうございます。