ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~ 作:い湯め
エージェントside
「ラヴィさ~ん見えてきましたよ~」
「ちょっとなんで何もしてないポポルが疲れてるのよ」
「A2さんと司令官との戦闘は手に汗握りましたよ」
「16D、アンタは心配症すぎるのよ。A2もアイツにもうちょっとダメージ与えてやればよかったのよ」
A2?その可哀そうな奴を見るような目を向けないの。コラ、ジャッカスも同調しない。
そんなこんなで拠点の前に入る。
グチャ。
「うわ!なんか踏んだ!」
銃に付いているライトで足元を照らす。
「これは・・・恐らくイノシシの足跡だね。それがどうしてこんなところに?」
ライトで足跡を辿っていく。それは階段に続いていた。
「珍しいこともあるものですね。イノシシが建物の中に入ってくるなんて」
「そうね。こんな廃墟に入ったって食べ物があるわけ・・・あ」
マズイ!小麦やジャガイモの袋をひっくり返されたら堪ったものではない。急いで会談を駆け上がる。
「お願いどうか無事でいて!」
袋のあったほうを照らすと袋が破けて床には食べかけのジャガイモが散らばっていた。もう一方の袋をチェックする。
「ラヴィ突然どうしたのよ!?あぁあ!!」
追いかけてきたデボルが惨状を見て声を上げる。その声を聞いてみんな走ってくる。
「油断した・・・この辺り全然動物がいないから大丈夫だと思った・・・」
「そんな・・・大切なジャガイモが・・・」
「ラヴィ・・・ちょっといいかい?」
「どうしたの?」
ジャッカスは地図を広げている。
「イノシシが来たのはこの辺りだろう。数は多い。だが爆薬や11Bや2号それに逃げた奴をラヴィとデボル、ポポル姉妹が排除する」
「待て、待て待って!ストップ!もしかしてこの付近のイノシシを全て狩るつもり!?」
「それ以外に何があるんだい?」
疑う余地なくマッドサイエンティストじゃない。
「バカ言ってないで早く寝ろ。ジャッカ・・・爆薬オタク」
「2号!どうして言い直したんだ!?それに君も私をそう呼ぶのかい!?」
「うるさい。寝ろ」
納得がいっていない様子のジャッカス。自分が何言ってるかわかってないのか。驚愕だわ。だが、そんなジャッカスに構うことなくみんなは横になる。
「ジャッカスさんも一回寝て落ち着きましょうよ」
「こんな事があった後なのにえらく君たち落ち着いてるね!そのほうが信じられないよ」
ジャッカスの中ではA2>ご飯なのね。作る身としては嬉しいけど・・・
「ラヴィは何とも思わないのかい!?」
え?そこで私に振ってどうするつもりなのよ。まあいいわ。
「まったく・・・ジャッカスそんなに興奮したってしょうがないわよ。過ぎたことだしね。それに悪いけど私も疲れちゃったわ。だから寝ましょ?」
「でも・・・」
「あ!いけない!寝る前のキス忘れたわね!ごめんね~」
手でジャッカスの顔を抑えて正面を向かせる。私も目を閉じる。
「ラヴィ、ストップ!」
無理やり手をどけられる。
「わ、悪かった。寝るよ。今すぐに!」
ジャッカスが横になる。それを確認して私もA2の位置に横になる。
「おい」
A2が話しかけてくる。小声で話しているせいかしら?ドスが効いてるような気がするのは気のせいかしら?
「おい。ラヴィ。あんな事を言うのは辞めたほうがいいぞ。私達なら問題ないが勘違いするようなお調子モノもいる。気をつけろ?」
「あら?妬いてくれるの?嬉しいわね」
「誰が妬くか!」
A2やジャッカス、姉妹の反応を見ていると彼女たちってチェリーガールよね。ホンっと可愛い。イタズラしたくなる。そっぽを向いてしまったA2の耳元で囁く。
「あの時のご褒美もう少し待ってね」
「ラヴィおまッ!」
人差し指をA2の口に添える。
「しー。みんな起きちゃうわよ。いいの?」
また囁くとたまらないように体を震わせる。
「あ、わかったよ。クソ・・・だが、みんな寝られないと思うぞ」
「そうかしら?ま、私は疲れたしお先に失礼」
目を閉じる。自分で言った通り疲れていたせいですぐに意識が落ちた。
「まったく、アンタのせいで全員寝不足だ」
朝
「もう朝・・・?凄い一瞬に感じたわ」
軽く身支度を整えて昨日の食べられたジャガイモを窓から捨てる。
「ん?」
耳を澄ますと獣の鼻息が聞こえる。
「さては戻ってきたわね」
恐らく昨日のイノシシが味を占めてやってきたのね。申し訳ないが何度も来る以上駆除するしかないわね。ライフルだけを持って拠点を出る。少し歩いていると鳴き声はさらに大きくなった。おおよその方向が見えそうな建物の3階に上った。そこには鼻を忙しく動かしゆっくりと拠点の方向へと歩いて来ていた。ライフルを構えて息を整える。
ダンッ
1発の銃声が辺りに響く。
ブヒッ!
そんな情けない鳴き声と共にイノシシが倒れる。
「さてと。運びますか」
イノシシを背負って拠点に戻る。大き目の個体だからかなりの重さね。短い距離でもかなり疲れる。やっとの思いで拠点の階段を上った。さすがにみんな起きたかな?
「ラヴィ!どこに行ってたんだ!」
階段を上がって開口一番怒ったA2。
「え?鳴き声が聞こえたからコイツを狩りにね」
「銃声が聞こえたから私達飛び起きたのよ!」
同じように少し怒っているデボル。
「全く・・・ラヴィさん。私達にとってあなたは大切な人なんですよ。これ以上どうこう言いませんから次から気を付けてください」
そう言って16Dは身支度のために行ってしまった。
「ラヴィ。わかった?」
「はい。少し軽率だったわね。それに・・・」
「それに?」
「11B、カッコイイ彼女さんね」
「なあッ!!」
一気に顔が赤くなる11B。
「今それ関係ないでしょ!」
「先輩そんなに顔赤くしてどうかしたんですか?」
ある意味最悪なタイミング戻ってくる16D。
「いや・・・何でもない!」
「どうしたんですか先輩。ほら、こっちに顔見せてください」
「ストップ16D。なんともないから!」
「ウソです。ほらしっかり見せてください」
そんな様子を微笑みながら見ていると隣にジャッカスが寄ってきた。
「ねぇ一つ聞いていい?」
「なんだい?」
「昨日の貴方の反応といい、目の前の光景といいアンドロイドって耐性無いの?」
「昨日のアレは忘れてくれ。そうだなぁ。少なくとも私は悔しいが耐性は無いね。昨日みたいなことをされたのも初めてだ」
「ふぅ~ん」
これは更なる検証が必要ね。
「もう赤くないわよね?」
「大丈夫です。先輩」
11Bの火照りが収まり16Dのイケメンムーブも終了した。
「ねぇ2人はさ、付き合ってるのよね?」
「そうですよ」
さらっと答える16D。
「ならそういう事も知ってるわよね?どこまで行ったの?」
「そういう事って?」
「そういう事よ」
「ねえデボル。そういう事って何?」
「イヤーワタシ・・・」
「誤魔化さないことだ。君たち姉妹が読んでる本にそういう描写が少しは出てくる作品があることを私は知ってるんだよ」
「黙って!爆薬オタク!」
「何で私まで!!」
「うるさい。以前君たちの代わりに村の子供たちに説明したの忘れたとは言わせないぞ」
どうやら私とA2が旅行に行っていたときに何かあったらしい。
「知ってるんじゃない。教えてよ」
「「イヤ(です)!」」
「私が言うわよ。悪いけど隠さないでね。ハグは?」
「あります」
「あるわよ」
「キスは?」
「ないわよ!」
「ないです」
「一応聞くとディープな深いのは?」
「あるわけないでしょ!それにキスに深いとか浅いとかあるの!?」
「ない///です・・・」
徐々に声が大きくなっていく11Bと反比例するように声が小さくなる16D。
「それじゃあ最後。これは人類がいた頃にあった一つのカップルの関係としてもあったものだから一応聞くけどS〇xは?」
「ラヴィ!!!!!!」
「もう///許してください・・・・・」
ここが限界か。A2なんてさっきから一言も話していない。アンドロイド組も下を向いて一言も発しない。やりすぎたかな?
「ねぇジャッカス・・・?」
「・・・・なんだい?」
「他のアンドロイドも同じくらい・・・・」
コクコクコクコクコク
あり得ない速度でうなずいている。
「これ以上はアネモネに聞いてくれ!!」
周囲を見渡す。アンドロイド、ヨルハ撃沈。やったぜ!じゃなかった。
「あー・・・みんなごめんね?と、とりあえず!臨時で肉が手に入ったから特別に朝も食べちゃいましょうか」
「ラヴィさんそれで手を打ちましょう。ですがもう1回謝ってもらっていいですか?」
「大変、申し訳ございませんでした」
「さーて!食べるぞー!」
途端に元気になったジャッカスを筆頭に下に動き出す。さて、やりますか。
数分後~
調理が終わった肉を皿に盛り付ける。量が多いと盛り付けだけで一苦労だ。
「そうだ」
パンに肉を挟んで紙で紙でくるみ、ジャガイモも同じようにくるむ。これを4つ用意。3つはアネモネ、2B、21Oに。もう一つは私のお昼ご飯。
「お待たせしましたー。さあ召し上がれ。もったいない精神とお詫びを兼ねていっぱい調理したからたくさん食べてね」
いつものことだがものの数分で食べつくされた。
「腹ごしらえもすんだし行こうかラヴィ!」
どことなくみんなも元気が有り余っている様子だった。そうね。流石に行きますか。
A2とラヴィさんのムフフはまだですか!
ラヴィ「いやー・・・余りにも初心すぎてこれは何とかしなくちゃと」(謎の意思)
とのことですので、次話をお待ちください。
誤字脱字、解釈不一致あれば申し付けください。今回も読んでいただきありがとうございます。