ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~   作:い湯め

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第190話

2Bside

トントン

「どうぞ」

「失礼します」

21Oだ。11Bは彼女のことを嫌っているけど、私はそうでもない。それに、9Sとの合流前からサポートしてたし、9Sも上手くやってたんだと思う。私と21Oはただ9Sの傍にいる。彼が目覚めるまであと1日。正直、不安だらけ。

「2B、どうしてあなたはあの時、彼へのメッセージに直接的な表現を残さなかったんですか?」

あの時。論理ウイルスに汚染された私は、偶然通りかかったA2に殺してくれるよう頼んだ。最期、駆けつけた9Sの顔を見れて満足だった。その後、ラヴィから一通りの事を聞いた時、私は彼の事を何もわかっていなかったんだと気づいた。

「今まで私の思いは全部伝わってると思ってた。でも違った。ただ・・・私の反応や行動に合わせてくれてただけ」

「そんな事ありませんよ。S型機は優秀で・・・」

「違う!!」

咄嗟に21Oの言葉を遮ってしまった。

「いや・・・ごめん。でも・・・違うの。確かに他のS型機は知識は優れているかもしれない。でも・・・9Sなら仮に私と意見が違っても口に出さないんじゃないかって思って」

「そうかもしれませんね。彼は変に人間味がありますから」

「それを勘違いして・・・私、私ずっと繰り返して。どう足掻いても結局最後は変わらなくて・・・9Sを」

あぁ。なんで気づけなかったんだろう。いや、違う。目を逸らしただけ。蓋をして放っておいただけ。どれだけ足掻いて変えようと努力しても、根本の勘違いが直ってないなら結果はズレたまま。目から大粒の涙が溢れる。9Sを思うなら彼が望む方法で死んだ方が償えるかな?でも・・・

「9S・・・」

死ぬ前に1度でいいから9Sの笑った顔がみたいな。

「2B!」

「なに」

「ネガティブになってはいけません。ここでアナタが諦めたら、私や11B、そしてラヴィさんの苦労を無駄にすることになります。それに折角のチャンス無駄にはできません」

「なっ!?」

い、今!21O!ナ、9Sの髪にキ、キスした!?

「遅い時間ですし、私はこれで」

そういう21Oの目はどこか慈愛に満ちている。

「お、おやすみ」

「おやっすみなさい」

・・・なんだ。21Oが部屋から出ていく。

「・・・私も・・・」

左右を見るけど当然部屋には誰もいない。

チュ

21Oと同じように髪にキスをする。

ボッ

一気に顔が紅くなる。脳裏に浮かぶ以前みた映画のラブシーン。頭を激しく振って考えをかき消す。だけど消えない。

「あ、あんな風に9Sと・・・」

さらに顔が紅くなる。だけど、どこかやる気が出た気がした。

「よし。ラヴィやみんなの為にも頑張らないと」

そう言って目を閉じる2Bを、2体のポッドは静かに見守っていた。いや、存在を消していただけで21Oがいたときもいた。だからこそあの21Oの様子に軽いパニックを起こしていたのは2体だけの秘密となった。

 

16Dside

「2Bさん。ほら起きてください。朝ですよ」

「ん・・・」

「おはようございます。寝坊なんて珍しいですね。昨日の夜なにかあったんですか?」

「きのうのよる・・・」

2Bさんの目が開く。

「なにか・・・」

「なんでもない!」

顔を真っ赤にする2Bさん。これは何かあったんでしょうね。まぁ追及しませんが。

「そうですか。では、失礼しました」

部屋を出る。

「全く珍しいわね。アンタが寝坊なんて」

「昨晩はなぜか寝つきが悪くて・・・」

「寝る前に2Bと話して様だったけどなんかあったの?」

ボフゥ!

音が聞こえるほど顔が赤くなった。ふむ...妙ですね?ですが、21Oさんが2Bさんと会話したところでこんな風になるなんて想像できません。

「ちょっと大丈夫?今日なのよ?9Sが起きるの」

「はい・・・分かってます」

あー・・・これは原因は9Sさんですかね?

「「あ」」

部屋から出てきた2Bさんと21Oさんの目が合いました。2人は互いにどこか慰めあっているような相手を敵視するようなそんな視線です。これは絶対9Sさんですね。

「ちょっとアンタたち昨日なにがあったのよ!教えなさいよ」

先輩~少しくらい空気を読んでくださーい。後ろから出てきたポッドたちにも目配せをする。

「「~~」」

「電子音で口笛って・・・」

なんか・・・アホなのか真剣なのか・・・

「ちょっと。アンタたち何突っ立てるの?」

デボルさんの一言で私以外の全員が我に帰り動き始める。さて、私も行かないと。現在私たちの仕事はレジスタンスキャンプの雑用です。戦闘からちょっとした研究の補佐なんかですね。2Bさんは特例でずっと9Sさんのそばにいます。とりあえず、再起動されるまで待ちましょうか。

数時間後~

「16D!」

「そろそろですか?」

「そうみたい」

「わかりました。皆さんを集めまてきます」

全員集合

「それで誰が状況を説明するわけ?」

「え?2Bじゃだめなの?」

「ダメだ。今の9Sのメンタルがわからない以上2Bを出すのは逆効果だ。それどころか下手すれば2Bが殺されるぞ。せめて一クッションおかないと」

「それじゃあ誰がいきます?」

「私は・・・ほら効果作戦の初期の段階で死んでることになってるし・・・」

「それなら先輩と私、それに21Oさんもダメですね」

「となると・・・デボルとポポル?」

「ダメよ。私とポポルなんて塔で9Sを進ませるために・・・」

「多分死んだと思われてます」

一体なにやったんですか。

「ホント、あの時は大変だったんだからね」

「そう言ってますけど、ジャッカスさん奇声あげて銃弾バラまいただけじゃないですか」

「なっ!?助けてもらってその言い草はないだろう」

本当に一体なにやったんですか。

「でも消去法で言ったら爆薬オタク。アンタになるんだけど」

「うへぇ~。これ私切り殺されないかな?」

「大丈夫。そんな事させない」

ジャッカスさんへ集まる視線。

「ハイハイ分かったとも。やればいいんだろう?やれば」

「よし。決まりですね。それじゃあ早く準備を」

数分後~

今、このキャンプにいる全員が扉の9Sのことを注目している。あるものは興味本位で。またある者は最悪の恐れを案じて銃や武器に手をかけている。

ガチャ

扉が開く。

「ほら、ここはあの世じゃないだろう?」

 

9Sside

「・・・あれ?・・・ボクは・・・?」

どこか世界が新鮮に見える。見慣れた天井。見慣れているはずなのに新鮮に見える。

「!?」

記憶が蘇る。そして沸き起こる疑問。

「どうして・・・」

2Bがいない世界なら死んだ方がましだ。

「目は覚めたかい」

体を起こす。

「ジャッカスさん。僕はどうして生きてるんですか?」

「そりゃあキミが死んでしまったら2Bが悲しむからね」

「笑えませんよ」

「冗談じゃないよ。2Bも21Oも生きているし、キミを進ませるために塔の入り口で残ったデボルもポポルも、果てには君達ヨルハの司令官もみんな生きてる」

もしかしてジャッカスさんは頭がおかしくなったんじゃないかな。

「ジャッカスさん・・・あまり言いたくありませんが一度精神鑑定を進めますよ」「あぁもう面倒だ!ほら、来い!」

ジャッカスさんに手を引っ張られる。そして部屋を出ると眩しい太陽の光。そして僕を見る多くのアンドロイドとヨルハ、そして正面にはモデレーターさん・・・2B。

「ほら、ここはあの世じゃないだろう?」

「ハハハッハアアアアアアア゛ア゛ア゛!!!」

この精神異常者め!!僕の事をどれだけ苦しめればいい!!

「ここがあの世か現実かなんてもうどうでもいい!全員コロシテやるぅ・・・」




アニメ版放送おめでとうございます。
今回は一旦ここまで。ちょっと構想に悩んでしまいまして。
誤字脱字解釈不一致あれば申し付けください。今回も読んでいただきありがとうございました。
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