ニーアオートマタ~荒廃した世界でエージェントは何をなす~   作:い湯め

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第192話

エージェントside

2Bたちがキャンプを出てすぐの頃。

「は〜い到着ー」

「長時間の操縦、ご苦労だったな」

「いえいえ。今後とも当機をよろしく」

ヘルメットを脱いで機体から降りる。

「ぬわああああん」

大きく伸びて解放感からつい奇声をあげる。あークソ眠い。

「ラヴィ、おかえり。だいぶお疲れみたいね」

「本当に疲れた」

「ラヴィさん、帰りは私が操縦しますよ」

「お願〜い。ありがとうポポル」

「ラヴィ、肩貸そうか?」

「ジャッカス〜疲れが取れるツボとか知らない?」

「残念ながら」

奇声を聞きつけて11B、16D、21Oが寄ってきた。

「ラヴィ、おかえり」

「おかえりなさい。ラヴィさん」

「お出迎えどうも。21Oもありがとね」

「いえ」

さて、挨拶は済んだし本題に入ろうか。

「2Bと9Sは?」

「2人なら・・・

少女達説明中〜

「なるほど。いいんじゃない」

「それで、ご主人様を失ったポッド2体は太陽に当たってるわけだ」

視線の先でふわふわ漂っているポッド達。

「平和だねぇ」

そうボヤいた瞬間だった。

「あれ?」

ポッドがピタッと動きを止めた。

「えええええええ!」

「おーいどこ行くんだー!」

ポッドがものすごいスピードで空へ飛んでいった。

「ねぇホワイト。ポッドって天に昇ったりするの?」

「そんなわけあるか」

CALL

「報告、砂漠地帯より強力な魔素を検知」

ま・・・そ?

「警告:旧世界の魔法兵器」

は?え?ファンタジー??魔法?理解が追いつかない。しかしA2達の顔が厳しくなっていた。

「魔素を利用した攻撃はあらゆる防御システムを貫通する可能性あり」魔素が何かは分かんないけど、ポッドの言ってることが本当なら相当ヤバい敵ってことになるわね。

「おい!ポッド2人は今どこにいる!!」

「現在地は砂漠地帯」

「よし!3人共聞いたな行くぞ!」

「「「はい!!」」」

「その必要は無い」

意気揚々とした4人がポッドの一言で動きが止まった。

「それはどういう意味だ?」

A2の声が低くなる。

「今、2人は1歩を踏み出そうとしている。以前よりも進んだ関係に。これはピンチでありチャンスだ。それに今のところ何とか対処している。だから・・・」

「私からも要請する」

ポッド153。

「・・・・まぁそれなら。いいんじゃない」

11Bそう言って納得してないでしょ。まぁでも予防線ぐらいは張っとくべきよね。よし!

「もしもに備えて砲撃支援の準備だけしましょう。ポポル操縦して」

「了解です!」

「ほら動くぞ!ウーラー!」

適当に喝を入れてヘリに乗せる。

「心配しないの。もしヤバそうだったら、私が操縦して戦いのど真ん中に降ろしてやるよ」

「離陸します」

この間も無線からは2B達の戦闘音と機械音質の笑い声や叫びが聞こえていた。

「ほら、こんくらい私達なら何ともないだろ。飛べ!」

着陸より一足先にヨルハ組が飛び降りた。

「砲弾は下の階です!」

4人は慌ただしく下に降りていく。ある程度、ヘリの高度も飛び降りられる高さになってきた。

「それじゃあ、ジャッカス手伝って」

私も飛び降り後ろにジャッカスが続く。カバーを取る。

「ラヴィ!!」

A2を先頭に砲弾が到着する。

「こちら準備よし」

「了解。座標を送信」

ポッドから砲撃指定座標が送信されてくる。A2に頷く。

「装填!」

照準も完了した。でもヘルキャノンはあまり精度が期待できない。

「もし、撃ったら修正指示をよろしくね。あとしっかり警告してあげてね。2人を吹っ飛ばしたとか勘弁よ」

「了解」

後は、ポッドからの射撃の合図待ちだ。

数十分後〜

「・・・・やだなぁ・・・・・みんな、いるじゃ・・・・逢えて・・・・良かっ・・・・・」

通信終了

「さて・・・」

装填していた砲弾を慎重に取り外す。正直、クソ重いから用意した分を全て撃って終わらせたい。無理だけど。

「さーてさっさと片付けましょ。あ、誰かそっち持って」

「わかった」

「A2しっかり持った?いくわよ。せー・・・」

「待て。ポッドから私にだ」

どうやらポッドから通信が入ったみたいね。

「倒したか。2人共ケガはないか」

「大丈夫。損害は軽微」

「そうか。よかった」

原理がわからないけど何故か私達にも通信が聞こえる。

「A2。話しがしたい」

A2がチラリとこっちを見る

「いいよ。行っといで」

「わかった。今からキャンプに戻る」

通信終了

「ラヴィ悪いな」

「別に気にしなくていいわよ。これでようやく一段落かな」

「すまん。行ってくる」

「気おつけてねー。あ、デボルそっち持って」

「いくわよー。1、2、3」

数分後〜

「あー疲れた」

「お疲れ様でした。どうぞ」

ポポルから貰った水を飲む。

「ふぅ〜」

壁に寄りかかると心地よい風が吹いてきた。みんなも風に当たって心地よさそう。

「ラヴィ、大丈夫?」

「ち か れ た」

もう、動きたくない。

「お昼寝でもしたらいかがです?」

「ポポル、それいいわね。それじゃあお言葉に甘えておやすみなさい」

「はい。おやすみなさい」

「あ、夕方には起こして」

私はそう言い残して、睡魔に身を委ねて気絶するように眠りについた。

A2side

「何気に初めてだな」

声にだして見ると改めて不思議な感覚だ。

「お、どうした?2号だけとは珍しいな。なんならはじめてか?」

「はじめてだな。9Sから話しがしたいとい言われてな」

「2Bも9Sも戻ってないぞ?」

「なんだと?」

人を呼びつけといてこれか。

「まぁすぐ来るさ。後、ホワイトが何か話があるみたいだったぞ」

「なんだその言い方」

「ボヤいてるのを聞いてな」

「なるほどな。気乗りしなが行ってくる」

「あ、2号」

歩き出そうとすると呼び止められる。

「調子良さそうだな」

「確かに調子良い。肩の荷が降りたし、心に余裕を持てるようになった。そっちはどうなんだ」

「変わらず気長にやってるさ。最近は部下が死ぬことも少なくなった。悲しまなくていい」

「そうだな」

「だが忘れた訳じゃない。そうだろ?」

「ああ」

「おっと長くなった。悪いな」

そう言ってアネモネは作業に戻っていった。

「ホワイト。いるか」

キャンプの奥の扉をノックする。

「何の用だ?こっちだって暇じゃないんだが?」

扉が開き不満げなホワイトの顔が出てきた。

「アネモネから聞いたぞ。私に話しがあるんだろ?」

「なんでアネモネが知って・・・」

「独り言が聞こえたらしいぞ」

不満げな顔が露骨に不機嫌になった。

「それで、9Sが話しがあると呼び出されてな。だが戻ってないんだろう?それまで話してやろうと思ってな」

ホワイトは手を顎において考えている。そんな悩むような話しをされる覚えはないんだが・・・?

「とりあえず今はやめておけ。そうだな。9S達との話が終わったら来い」

「わかった。だが2人が帰ってくるまで・・・」

「来たみたいだぞ」

指さす後ろを振り向くと2人がキャンプの入口にいた。

「じゃあ後でな」

アネモネは中へ戻った。さて、まずは遅れた理由からだな。

「おい、遅れたくせに随分楽しそうだな?」

「あ、ごめん」

「それじゃあ2B。しばらく部屋を借りますね」

「・・・うん」

「安心しろ殺したりするものか」

9Sとキャンプの個室に入る。

「適当なところに座ってください」

ベットに腰掛ける。9Sも向かい側に座り向かい合う。互いに無言の時間が流れる。仕方ない。口火を切ってやるか。

「そういえば、さっきの戦闘大丈夫だったか?」

「なんとか。特にケガもなかったですよ」

「流石だな。お前らの連携は並のコンビで出せるものじゃないぞ」

「お褒めにいただき光栄ですね」

「そう卑屈になるな。本当に凄いと思ってる。初めて会って戦ったときからずっと思ってたよ」

当時を思い出して笑みが溢れる。あの時からそんなに時間は経っていないのにかなり昔の事のように感じるなぁ。

「あの時の無口な印象とはだいぶ違いますね」

「ああ。口数がすくないと肝心な部分が伝わらないと最近気づいたからな」

9Sが黙る。

「今回の件、根本的な原因はこれだ。私もお前も2Bも互いに互いの事を過信しすぎてたんだ」

「違う」

「違わないさ。私は2Bに最期の時になってお前の事を託された。アイツから送信された記憶や想いを同じようにお前も知ってると思ってた」「それはどんなものだったんですか」

「沢山の記憶だった。綺麗なものばかりじゃなかったし、お前の死に顔を何個も見た。それらが流れ込んできたんだ。苦しかったさ。だが」

「だが・・・?」

「お前への想いや好意はしっかり言葉として伝わって来たな」

「それがどうして僕を救う事に繋がるんですか?」

「まぁ色々理由はあるんだが・・・まぁなんだ。お前ら見てると懐かしくてな」

「懐かしいですか?あなたが?」

ハァとため息がでる。

「お前も私のことを感情を失ったバーサーカー扱いか?私だって仲間はいたさ。死んでからかなりの時間がたったがな」

その驚いた目を向けるのをやめろ。

「まぁいい。だがな、今こうやって話してやっと私の事がわかったろ?」

9Sが再びバツが悪そうな顔をする。

「お互い腹を割って話してみないとわからないことってのは沢山ある」

「こんなふうにですか?」

「そうだ」

「僕には無理です」

「無理じゃない。やれ。どちらかが踏み込まないと一生このままだぞ」

「なんで僕なんですか!2Bだって!」

「諦めろ。筋金入りのアイツよりお前の方が簡単だ。それに結局お互い勇気をだすことになるんだぞ」

「でも、僕が勇気を出したって2Bがそれに応えてくれる保証なんて・・・」

チッこんの相思相愛片思いどもめ。

「自覚無いのか?お前、2Bが最期に想いを託したのが私だったこと嫉妬してただろ?」

「そんなこと・・・・」

ウソだろ。今気づいたのか・・・・・

「私が選ばれた理由は2Bに聞け。そこまでは知らん。それにお前ってそんな初心だったか?」

9Sの顔が真っ赤だ。

「ほら、安心して行って来い」

コク

「ちょ、ちょっと待って!」

「なんだ?」

「A2。ありがとうございました」

「あ、私からもいいか?」

「はい」

「これからよろしくな。9S」

「こちらこそ」

そう言って9Sは飛び出していった。

「世話が焼ける・・・」

ホワイトのところに行くか。

2Bside

「2B!!」

「ど、どうしたの?」

中の様子が気になって扉を見つめていたら9Sが勢いよく走ってきた。

「大切な話があるんです。人の少ないところに行きませんか?」

「9S!声大きい!!」

キャンプ中の視線が私達に集まっていた。すると部屋からため息をついたA2が出てきた。

「なら話しは部屋の中で!」

9Sの手を引いて部屋に飛び込む。

「座って」

「それで話って?」

「・・・・!!???!????!!!!???」

「9S!?落ち着いて!?」

どうしよう!?まだ論理ウイルスが・・・

「2B!!」

「なに!?」

「2B・・・僕は・・・僕は・・・」

その瞬間、私の全機能が一時的に停止した。

「あなたの事が好きです」

「・・・・・・・・・・・」

あれぇ?おかしいな・・・?視界にノイズが・・・9Sの顔が見えない。彼の顔がみたい。目に手を当てて気づく。

「あ、」

涙。大量の涙。今まで経験した事の無い量。9Sをこの手で殺めた時以上の涙が溢れた。

「9Sぅ」

彼の名前を弱々しく呼ぶ。

「ねぇ。返事して・・・」

「はい・・・」

「私もあなたの事が大好きです」

やっとお互い自分の思いを伝えあった瞬間だった。それを理解した瞬間さらに大粒の涙が流れる。

ギュ

彼がたどたどしく抱きしめてくれる。

「僕はいつでも2Bの隣にいます」

「ありがとうありがとう」

遂に私は声を出して泣いた。彼の小さな体を抱き締める。それに反応するように彼も私の体を抱き締めてくれる。そこから私は数十分泣き続けたのだった。

数十分後〜

「ねぇ2B一つ教えてください」

「なに?」

「どうしてA2に僕のことを?」

「彼女は悪人じゃない」

「他には?」

「それだけ」

「え?」

「うん」

「本当にそれだけなんですか?」

「それだけ」

途端に9Sの顔から力が抜ける。

「だって、ウイルスに侵された状態でまともな思考回路なんて機能しない」

「それもそうですけど・・・」

「これ以上何もない。それよりも」

彼の目をしっかり見つめる。

「これからもよろしく」

「こちらこそ2B」

「ありがとう9S。いや、"ナインズ"」

窓から入ってくる夕日が私達を照らしていた。

エージェントside

「ラヴィ、ラヴィ起きて」

「んぁ?」

目を開けるとデボルに体を揺さぶられている。

「おはよう。もう夕方?」

「そう。日も傾き沈んで来たわよ」

「A2は?」

「まだ帰ってきてないです」

「昔話が盛り上がってるんじゃないです?」

「そうかもね。さて、ご飯の準備しましょうか」

「手伝います。たまにはみんなで手伝ませんか?」

「私は不器用だからパ・・・」

「いいわね。16D、2人仲良く夫婦みたいで」

「先輩〜」

「はい。やります」

結局その日の夕食の準備は賑やかになった。私としては大家族のお母さんになった気分だった。

数十分〜

「A2さんまだですかね?」

「もうしばらくしたら帰って来ますよ」

「今帰った」

「お、噂をすれば」

「おかえりー。ごはんできたわよ」

「悪いが今日はいい。ちょっと眠りたい。悪いな」

そう言うとA2は上の階に行ってしまった。

「珍しいこともあるものね」

「まぁ大丈夫でしょ。それじゃあ冷める前にいただきます」

「あ、11B!」

久しぶりにお腹いっぱいになって、みんなすぐに眠たくなったみたいでそのまま寝ることに。

「A2。隣いい?」

「・・・」

返事はない。顔を覗き込んで見る。どこか息苦しそうだった。頭にを起こさないように撫でてやる。

「何があったか知らないけど、ゆっくりおやすみ」

心なしか、A2の寝息が穏やかになった気がする。

「それじゃあ、おやすみなさいA2」

翌朝〜

朝、身支度を整えて風に当たって目を覚ましていると、

「おはよう」

「!!おはよう」

ビックリして一瞬反応が遅れた。

「珍しいわね」

「早く寝た分早く目が覚めただけだ」

そう言うと下に戻っていった。どこかA2に避けられてる気がする。とりあえず、A2以外のみんなを起こす。

「さて、各々自由にどうぞ~」

そう言って私の方はライフルだけをもってイノシシを狩りに来た。どうも最近、この辺りのイノシシの量増えいる気がする。もしかして、以前のことから味を占められたかしら?そうなると、厄介ね。ここの動物たちは機械生命体やアンドロイドたちに触れてきた。その結果、人工物を恐れなくなった。追い払う意味を込めて今回は多めに狩ろう。

数十分後~

そこには5体の巨大なイノシシが倒れていた。近くによってまだ息があるものにナイフを使ってとどめを刺していく。

「ふ~さて、これ運ぶのだっるいなぁ・・・」

イノシシ1体の重さはかなりのものだ。

「誰か呼んで・・・」

いや、みんな自由に楽しんでるのに呼んじゃ悪いわよね・・・でも、コイツ重いのよねぇ。私が、最初にキャンプから出てきたからみんながどこに行ってるかもわからない。いや、考えてる暇があるなら体を動かしたほうがいいわよね。

「おいしょ!」

なんか、すごい年寄りっぽいわね。なんとなく恥ずかしくなって周りを見渡してみる。

「がんばろ」

1時間後~

「あ゛あ゛~」

拠点に1体目を持って帰って確認したけど全員どこかに出ていて誰も残っていなかった。そのため、5往復した。クッソ疲れた。それになんで今日に限ってこんな暑いのよ!?耐えきれず頭から水を被った。

「私、随分と髪の毛傷んでるわね」

ここ数日の忙しさでシャワーすら浴びていなかった私。

「はっ!」

A2から避けられたいたのは、私の体が臭かったからでは!?クンクン。

「そんなに臭いは・・・いや、鼻がバカになってるんだから臭いなんてしないわ」

A2ごめんなさい。臭い体で隣で寝て、頭まで撫でてごめんなさい。

「なんとかしないと」

嵐にもうたれたしただお湯で頭を軽く洗うだけじゃダメね。やるなら徹底的にやらないと。となると・・・お風呂。せっかくならみんなで入りたい。大きいお風呂みたいなのが必要ね。

「どうせお風呂でスッキリするならいくら汗かいても一緒か」

よし、やる気が出てきた。私ってチョロい。となればまずは、目の前のイノシシを肉に変えないとね。

数十分後〜

「ただいまー。どうしたんだいラヴィお疲れかい?」

「とっても」

解体を終えて休憩しているとジャッカスが帰ってきた。

「どこ行ってたの?」

「キャンプで起爆装置の改良をね。ほら」

ジャッカスから起爆装置が投げられる。

「起爆装置可能な範囲が10mぐらい伸びた」

「砂漠に行ったの?」

「ああ。爆発物を弄っていいのは砂漠だけと決まってるからな」

「何やらかしたの?」

「やらかした前提なのやめないか」

「古い対戦車地雷から爆薬を抜こうとしてしくじってね。私も若かった」

それ絶対に若い頃の失敗で片付く問題じゃないわよね。これはアネモネも大変そう。

「ラヴィは解体作業か。ご苦労様」

「ねぇジャッカス。正直に答えてほしいんだけど、私って臭う?」

「ん?あぁ確かに臭うよ。凄い臭いだ。この部屋の臭いは少しすれば消えるさ」

ですよねー。でも部屋の臭いは消えても私に染み付いた臭いは消えない。

「よし!そうと決まればやるわよ。手伝って」

「え?構わないが・・・」

必要な道具を持って川の近くの比較的建物に囲まれた所にやってきた。

「まずは穴を掘ろう」

「確認だけどこれ訓練じゃないよね?」

「訓練ではないわよ。それに汗かいたほうが後で気持ちいいわよ」

数十分後~

十分な深さと大きさの穴を掘りおわった。そこにシートを上からかけて端を石でおいて飛ばないようにする。次に川から溝を掘って水を貯める。都市の中を流れてる川の水がきれいなのいいわね。人類がいなくなってからここまで綺麗になるなんて。自浄作用。自然の偉大さを感じる。

「その辺の苔がついてない大きい目の石何個かこっちに頂戴」

私のほうは枝を拾ってまとめておく。

「ラヴィ~このくらいでいいか?」

「大丈夫。お疲れ様。いったん帰りましょう。そろそろみんな戻ってくる頃でしょうし」

数十分後~

「あ、おかえりなさい」

「おかえり〜」

拠点に戻るとデボルとポポルが先に帰っていた。

「「ただいまー」」

その直後に11B・16Dが帰ってきた。

「遅いわね」

立て続けにA2も帰ってくるかと思ったけどなかなか帰って来ない。

「誰かアイツの動向知らないの?話に行くとか言ってた気がする」

「なら相当絞り込めるだろ」

「A2さんの交友関係って狭いですからね・・・」

「大体、キャンプでアネモネさんと喋ってるじゃないかい?」

「え?私達キャンプにいましたけど、A2さん見かけませんでしたよ?」

「すれ違った?」

「有り得る」

「あ、おかえり」

A2がなにか大きな袋を背負って帰って来た。

「村の連中からだ」

「ありがとう。少し持つわ」

無言で袋を差し出してきた。それを上の階に運ぶ。

「ありがとう。今日は多めにご飯作ったから沢山食べてね」

「ああ。あと、ホワイトがラヴィにようがあるそうだ」

「わかったわ。それじゃあ戻りましょうか」

「・・・・」

A2がどこかそっけない。

「「「いただきまーす」」」

私とA2が食卓についた所でみんなの元気な声が響いた。その瞬間いつものように一瞬にしてテーブルの上の料理がなくなっていく。私の食べる分は確保してあるので問題はない。あれ?でも今日は少し皿が空になるのが遅い。見るとA2が殆ど食べてない。私と同じぐらいの量しか食べてない。

「A2ッ

「「「ごちそうさまでした!」」」

A2に声をかけようとした瞬間、私の声は完食を告げる元気な声にかき消されてしまった。大丈夫かしら・・・

「そういえば、ラヴィ私がさっき準備したものはこの後使うんだろう?」

「そうよ。それじゃあLet's GO!」

数十分後〜

「なにこれ」

未知との遭遇。誰かがボソッと呟いた。

「ちょっと待ってて」

集めた石を火にかける。

「ラヴィ、悪いが私も含めた全員に説明を頼む」

「そうよ。これは何?」

「風呂」

「は?」

「お風呂」

「外で!?」

「別に誰も通ったりなんかしないわよ」

「だからって・・・」

「ラヴィって変態だったの!?」

何を今更。

「何を今更」

あ、ヤベ声にでちゃった。

「「「・・・・・・・」」」

「まあ、変態じゃなければあんな映画選んだりしないだろ。それにお前らも顔赤らめてたくせに」

「それを言われると・・・」

「確かに変態じゃなきゃ私たちのセッ...アレ///やったかとか聞いてきませんよね」

・・・A2助けてるようで助かってないわよ。まあいいや。石も熱々になったしそろそろかな。

「はーい熱いのが飛ぶから離れてねー」

シャベルで石を運んで、穴の中に放り投げる。

「あっち!」

「あ、飛んだ?だから言ったのに」

忠告を踏まえてみんな穴から2m以上距離をとった。それを確認して石を次々に放っていく。

「そろそろいいかな?」

湯に手を突っ込んで確認する。

「お、いい温度」

さて、温くなる前に入りますか。

「ほ、本気ですか・・・?」

「え?だから脱いでるんだけど」

砂が付いた上着を脱いで下着だけになる。

「えッ・・・」

何その声?今更、私の体に何を思うわけ?

「ラヴィさんって今更ですけど相当鍛えてらっしゃいますよね?」

下着も脱いで生まれた時と同じ姿になる。

「うわっ腹筋すごっ!」

あの・・・私の腹筋をみんなで見るのやめて貰えません?みんなの視線を避けるためにも湯に入ろう。

「ふぅ〜〜〜〜〜」

全身から力が抜けていく。疲れが全身からお湯に放出されるようだ。ついつい顔がだらしなくなる。それに強烈な眠気が襲ってくる。お湯を掬って肩にかける。あ〜気持ち良ぃ。

「ラヴィそこどいてくれ」

「はいはい」

A2が隣に入ってくる。すごくビクビクしてるけど。

「熱くない?」

「あぁ。大丈夫だ」

慣れてきたようで力を抜いて目を閉じて温まっている。

「あら〜随分と凝ってますね」

「なんだ。やめろ」

「硬いこと言わずに〜」

A2のそばに寄って肩を揉んでやる。突然、手を置かれて驚いていたがすぐに体を預けてくれた。

「気持ちいい?」

「わからん」

実際、揉んでると一切凝ってない。柔らかい。

「私はいい。変われ」

「お言葉に甘えて〜」

肩にA2の手が置かれる。

「痛い痛い!強い強いって!」

「冗談だ」

まぁあのA2が冗談を覚えただけ前進か。

「ラヴィ、お前本当に人類か?肩が凄い硬いんだが」

「それを凝ってるって言うの。中々上手よA2」

力の加減は絶妙だし、お風呂に入って手が温かいからすごく気持ちがいい。A2ってガサツに見えて繊細だし細かな力加減もできるのよね。

「「ふぁ〜〜」」

2人で温まって蕩けている。

「2人とも凄いだらしない顔してますね」

「気持ちいいのは見て伝わるし・・・入りたいのは山々なんだけど・・・」

「私達は2人みたいに変態じゃない」

「失礼な。ところで、そろそろ温まってきたし私上がるわ」

湯船から出て布で体を吹いて服を着る。そして、開けた場所に出て両手を広げて風を感じる。

「あ〜整う〜」

火照った体から熱が放出されている感覚〜

「気持ちよさそうだね」

「ええ。それで、みんなは人目が気になるんだっけ?」

「そうです。先輩の裸をそこらの奴に見られようものなら・・・」

「なるほど。確かにそこらの変態に見せてやれるものじゃないわね」

近くの背の高い草を草を刈る。その刈った草を隙間なく並べて外から見えないようにする。

「これでどう?」

「これなら安心です!さぁ先輩入りますよ!!」

「え!?ちょっと待って。やめて引っ張んないで!」

「良いじゃないですか〜」

「分かった。入るから!だから自分で脱ぐから!」

16Dがただのエロオヤジに見えてきた。

「えへへ〜」

「ちょっと誰か助けて!」

「騒ぐな。入るならさっさと脱げ」

「A2、さっきの腑抜けた顔は忘れないからね」

「爆薬オタクに姉妹!目を逸らすな!」

あ、私はニコニコして見てるわよ。

「いいわよ。脱いでやるよ!やってやるわよ!」

11Bは豪快に服を脱ぎ腰に手を当てて胸を張ってジャッカスや姉妹を睨みつけている。顔は真っ赤だけど・・・それより私が気になることが一つ。

「11Bって、着痩せするのね」

「うん。戦闘のときに揺れてじゃまになるのよね」

この何気ない一言に傷ついた姉妹がいた事を11Bは気づいていない。

「ほ〜んと先輩もったいないですよね」

「揉むな!!16D!アンタは自分のがあるでしょうが!」

「先輩の反応が可愛くてつい・・・」

「人目がある中で乳繰りあわないでもらえないかな」

「そうよ。初めてはしっかり暗い所でムードから大事にしてさ」

「ラヴィ」

はい。すいません。あれ?そういえばA2が静かね。

「ちょっとちょっと!?早く上がって上がって!」

A2の顔が真っ赤になってのぼせているようだった。アンドロイドってのぼせるんだ・・・

「いや・・・すまん・・・」

フラフラとA2が立ち上がる。倒れないように支えながらゆっくり服を着せる。服を着せて通りに出て風に当たらせる。

「水、ゆっくり飲んで」

「あぁ・・・」

横になって体を冷やせる。

「これで少しすれば大丈夫だから」

A2がコクリと頷いて目を閉じる。顔の熱も先程よりは冷めた気がする。

「「あ〜〜」」

草のカーテンの向こうから2人の気持ち良さそうな声がする。

「どう?湯加減は丁度いい?」

カーテンをくぐると脱力して気持ちよさそうにしている2人がいた。

「ラヴィ〜これ気持ちいい〜」

「私も心地よい暖かさで眠くなってきました」

「寝ないように気をつけてね。それじゃあごゆっくり」

カーテンを潜るとA2は先程と同じ姿勢で目を閉じて風を感じているようだった。

「ちょっとヒヤッとするわよ」

水で濡らしたタオルを顔に乗せてやる。騒がしい向こうと違ってこちらは風の音しか聞こえない。しばらくするとタオルの温度も温くなってきた。取り替えるためにタオルを取ってやると前よりも冷たく顔も気持ちよさそうだ。タオルを濡らそうと川へ向かう途中みんなの様子を覗いてみた。見ると、みんなで入っていて11Bが16Dからのお触りに逃げデボルに助けを求め、ポポルとジャッカスは気持ち良さそうにしている。

「なんだ。結局みんなで入ってるじゃない」

そんな楽しそうな横をこっそり通ってタオルを濡らしてA2のところへと戻ってタオルを顔に乗せてやる。

「スースー」

戻るとA2が気持ちよさそうに寝ていた。試しに頬をぷにっと押して見ると熱はなくなっていた。頭を膝の上に乗せて一応、濡らしたタオルを額の上に置いておく。騒がしい向こうと比較してゆっくりと時間が過ぎていく。

数十分後〜

「あ〜涼しい〜」

えらく清々しい表情をした11Bと、無表情のデボル・ポポル・ジャッカスそして両手で顔を覆っている16Dが涼みにきた。

「なにがあったの?」

「にへへ〜。あの後ね。流石にイラッと来ちゃって〜反撃に16Dの胸揉んでやったわ!」

「感想は?」

「なにかに目覚めそう」

「喘ぎ声を聞かされ続けた身にもなってくれ」

「助けてくれないアンタ達が悪いんでしょうが!」

「先輩が・・・先輩が・・・」

「16Dさん大丈夫ですか?」

「大丈夫です。余韻に浸ってるだけですので」

そう言う16Dの顔は手で隠れて見えずらいものの恍惚とした表情をしていた。

「うわぁ」

ドン引きしているポポルを守るようにデボルが間に入った。ゴミを見るような目だが。

「それじゃあ片付けは明日にして帰りましょうか」

折角きれいにしたのに片付けで土と汗にまみれる気にはならない。それに、ポカポカしてかなり眠たい。

寝ているA2を背中に背負って拠点に戻った。拠点に帰っても体はポカポカのままだった。

「それじゃあおやすみなさ〜い」

「「「「「おやすみなさ〜い」」」」」

A2の横に一応いつもより距離をとって横になる。少しして辺りが静かになった時

「ラヴィ。これから私が話す事に反応しないでくれ」

突然A2から話しかけられる。なぜか私が寝てないことは確信を持っているようだった。

「まず、ここ数日冷たい態度をとって悪かった。今、私はとある重要な決断を迫られてる。決める選択肢はたった2つ。だけど私は他の奴らと違って処理能力が高くない。だから時間がかかってる。あーダメだ。やっぱりもう少し時間が欲しい。あと、2、3日待ってくれ。そこで決着をつける」

口ぶりからA2の悩みがどんなものかは想像もできないけど、私はA2が無理せずしたい事をしてくれれば良いと思ってる。言わないけどね。

「あと、この件はラヴィは悪くないんだ。それなのに・・・ごめん」

ギュ(つ`・ω・´)っ

「!!」

静かに抱きしめてすぐ離れました。約束違反ですが後悔してません。満足したし私は寝ます。おやすみ〜




大変、大変お待たせしてしまって大変申し訳ありません。
前回の後書きで次話を最後とすると書いた以上意地でも最終話にする予定でした。しかしスタンプや私がコロナになったり色々あり、ここで1度切って投稿する決断をしました。
次回、最終話後編で終了します。大変読みにくく長いと思いますが、どうかお許しください。
誤字、脱字解釈不一致あれば申し付けください。
今回も読んでいただきありがとうございます。

追記:2025年2月13日。まだ終わらないのでサブタイトルを最終回前編から変更しました。
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