「栗毛」のアーモンドアイ 作:栗東寮の玄関のガラスになりたい
話数間違える奴wwww
ワイです。
心折れ膝をついたところで、何も変わらない。
目を瞑り祈ったところで、何も変わらない。
その他大勢として生まれたけれど、何かになりたい。
たとえ茨に覆われていようとも、私の道を歩みたい。
筋力を増し、体力を上げ、目を肥やし、それでも尚負け続けた。
彼女は、
改善点があれば事細かに指摘し、より洗練されたメニューを寄越してくれる。
幾度か、惜しい勝負はあった。
6度目は逃げに近い先行でバ群をかわして2着
7度目は前3走を意識させてからの差しで3着
9度目は4度目のように破滅的に逃げ、差しきられて2着
10度目の未勝利戦。
事ここに至って、穢れた刃を抜き放つことにした。
「11月ながら粉雪の舞い降りる東京競馬場、馬場状態は重の発表です。」
ひらひらと散る白が、擦り減った良心を咎める。
「1番人気は3番トモエナゲ、パワーのある逃げ。ハナをとれば強いです。」
瞑目して息を潜める。
「2番人気は6番アルベドベラドンナ、力自慢の追込で雪化粧は好都合でしょう。」
勝てばいい。
勝ちさえすれば。
「3番人気1番、リボンカプリチオ。バテない逃げでこれまで着外ありません。」
どんな道であれ、勝つのならば、いい。
「第5
得体のしれない不吉な塊がひっかかる。
口中に僅かな酸味、
悪事を働こうというのに、心は酷く凪いでいる。
「スタートしました。8番アーモンドアイ出遅れか、他は揃いました。」
最初の直線、七人一列、並んだ瞬間に斬り捨てる。
「好ダッシュは1番リボンカプリチオ、続いて内3番トモエナゲ。」
デビュー戦含め10走、客観的な私の勝ち筋は、根性任せの逃げだけだ。
末脚はさして脅威じゃないと思われている。
こいつは今日はしくじった、と思ってくれれば万々歳だ。
「前2人が抜けて2コーナーへ参ります。4番サドンアタック追走。」
シンガリだけは、これまで徹底的に避けてきた。
薄い勝ち目が、無くなるから。
「2バ身離れて5番ドカドカ、差が無く2番コルネットリズム。」
追い込みが得意になったわけでは無い。
トレーナーと打ち合わせた作戦でもない。
「前3人
ひどく叱られるだろう。
そんな邪道に走らなくても、いつか勝てると諭してくれるのだろう。
「2バ身あいて6番アルベドベラドンナ、8番アーモンドアイは最後方からとなりました。」
けれども俺は、今勝たねばならない。
「順位変わらず、5番ドカドカ落ち着かない様子、少々詰めます。」
溢れんばかりの黒い想いが、前を僅かに震わせる。
「先頭は1番3番が鎬を削り、1バ身あいて4番サドンアタック追走。」
きっと大変なことになる。
きっと、取り返しのつかないことになる。
それでもやる。
勝負の世界は、勝たねば生きて行かれない。
「8番アーモンドアイ、前へ出るようです。」
――ほことりて、つきみるごとにおもふかな
「6番、7番躓きかける、が立て直します。」
七つの尻尾がぶわりと逆立つ。
せわしなく耳を動かし、誰も彼も脚を急かせる。
「3番トモエナゲ抜け出します。全体的に落ち着かない様子です。」
――あすはかばねの、うえにてるかと
「3コーナーへ向かいます。速足の展開となりました。」
己が何者かすら知れない。
何処へ向かうとも知れない。
明日生きているか、一縷の希望も持てない。
底冷えのする霜月の夜の如く、
張り詰めた殺気を引き抜いて浴びせた。
「1000m通過は59秒7、おっと1番転倒、リボンカプリチオ転倒。無事でしょうか。」
転んだか、予想外だ。無事であれ。
「6番、7番が大きく外れます。逸走です。」
そうだな、外れて消え失せてくれ。
「大変なレースになりました。先頭は3番4コーナーへ向かいます。」
俺の邪魔をしてくれるな。
「曲がり切れません、3番トモエナゲ逸走、何が起きたのでしょうか。」
気づけば前の尻尾は三つばかり。
大きく、大きく膨らんで、いかにも走りにくそうだ。
「4コーナー最初の立ち上がりは4番サドンアタック、外5番ドカドカ」
辛いだろう。
苦しいだろう。
楽になれ。
「残り600、大荒れとなっております、8番アーモンドアイ上がってくる。」
私は勝たなければならない。
「4番2番、暗澹たる表情、失速していきます。先頭は8番、鋭い末脚です。」
芝が、寒々しく広がっている。
「残り400を切ります、依然8番アーモンドアイ先頭、5番ドカドカ追走。」
やっと、
「栄光まで200、8番アーモンドアイ、リードは2バ身脚色は衰えません。」
やっと抜け出せた。
「依然アーモンドアイ、これは決まったか、5番ドカドカ追走します。」
褒められた勝ち方ではない。
「4人が競争中止となりました、8番アーモンドアイゴールイン、2番手に5番ドカドカ」
傷付け、挙句殺しかねない走りだ。
「3番手は4番サドンアタック、4着2番コルネットリズムとなりました。」
ウイニングランに差し掛かり、正気に返る。
倒れた娘は無事だろうか。
「東京5
「転倒した1番リボンカプリチオの情報です。命に別状は無い模様です。」
我ながら、なんと非道な事をしたのだろうか。
「8番人気8番アーモンドアイ、10度目の未勝利戦で見事栄冠を手にしました。」
入着二人は、私にひどく怯えている。
「2着は7番人気5番ドカドカ、3着は6番人気4番サドンアタックとなっております。」
普段なら、走り終えた後真っ先に彼女の姿を探す。
「1番、3番、6番、7番は競争中止となりました。」
今日は、今日ばかりはそれができない。
「転倒したリボンカプリチオの続報です。擦過傷のみで大事には至らなかった模様です。」
4着までしか光らない掲示板を食い入るように見つめる。
とても彼女に顔向けできない。
死ぬようなモノか、殺すようなモノか、
両極端に、不幸せな走りしかできない。
私は独り、醜く笑っていた。
主人公に酷い事をさせた件について、反省しているんです。
反省していると申し上げましたが、本当に反省しているんです。
ただ、これは私の問題だと思いますが、反省をしているといいながら反省をしている色が見えない、というご指摘は、私自身の問題だと反省しております。
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通過順が自分でもわけわかめなので執筆中のメモ書き
小説中固有スキル:モブ娘相手には無双、プレイアブルにはウララにすら効き目薄
11月東京5R1800m芝(10回目の未勝利戦)
3番人気1番リボンカプリチオ 逃げ
4番人気2番コルネットリズム 差し
1番人気3番トモエナゲ 逃げ
6番人気4番サドンアタック 先行
7番人気5番ドカドカ 差し
2番人気6番アルベドベラドンナ 追込
5番人気7番シンプトンダッシュ 差し
8番人気8番アーモンドアイ 追込
2C通過順 1-3-4-5-2-7-6-8
3C通過順 3-4-5-2-8 1転倒 6,7逸走戻れず
4C通過順 4-5-2-8 3逸走戻れず
残200順 8-5-4-2
着順 8-5-4-2