おっぱいはせいぎ   作:黒マメファナ

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この作品におおよそふさわしくないタイトルを書いてしまった。


第11話:まっしろな想い

 よろしくお願いしますと明るい声が響く、カウンターに向かうとそこには見慣れた五人がそれぞれ楽器を持って俺に向かってそれぞれの反応を示していた。

 瑠唯さんは無表情、いつも通りおっぱいが素敵です。そしてその隣には金髪ギャルだけど呉服屋の令嬢というキャラ盛りの激しい現代っ子桐ケ谷透子ちゃん。

 

「ちょっす! よろしくですっ!」

 

 なんというかノリが軽い。まぁそれだったら元気がいいんだねってところで済むんだけど。軽すぎて、なんなら口も軽いらしく俺としては苦手な部類だ。おっぱいは大きめなんだけどさ。続いてキョロキョロと興味深そうに見渡しているのは広町七深ちゃん。これまたおっぱいが……というかつくし以外みんな発育いいっすねホントに。そんな風に考えてるとつくしに睨まれた。仕事中なんで控えろってね、わかってますって。

 

「透子ちゃん、一応相手は店員さんなんだよ?」

「いやいや、でも知り合いじゃん!」

「桐ヶ谷さんにオンとオフの話をするのは無駄じゃないかしら?」

「ちょ、それどーゆーイミ?」

 

 わいわいと案内した部屋に入っていく。これがバンドとはいえ月ノ森という伝統と確かな歴史を持つお嬢様学校の出身生っていうんだから、恐ろしいことだ。みんながみんなあらあらうふふでごきげんようって挨拶するわけじゃないんだなぁって。

 

「……月ノ森、挨拶ごきげんようだよ」

「マジ?」

「うん、最初わたしもびっくりした」

 

 予想より予想通りの校風だった。それなのに透子ちゃんみたいなのが誕生するのもまたすごいと思うよ。確かましろちゃん以外はみんな幼稚舎から月ノ森って話でしょ。

 ──じゃなくて、休憩中なのはいいけどこんなところで店員さんと駄弁ってていいのましろちゃん? 

 

「暇そうだから」

「こっから忙しくなるけどね」

「なら忙しくなるまで、いいでしょ?」

 

 そう言われるとダメなわけではないのでダメとは言えなくなってしまう。なによりいいよって言うとありがとって笑顔になる。これがまたあどけなくてめっちゃ守りたくなってしまう。ごめんなましろちゃん、俺キミのことおっぱいランキング六位みたいな扱いしてるんだ……ところで結局結論つかないんだけど世界おっぱいランキング一位、おっぱい王は燐子さんと瑠唯さんどっちだ。

 

「あの、あのさ」

「ん?」

「もう来週には夏休みでしょ?」

「だね」

「わたしね、どこかにお出掛けしたいなぁって」

 

 泊まりでもいいな、とキラキラしてるとこ悪いんだけど、お泊りって誰と? え、俺? マジ? なんの冗談です? 驚いてるとましろちゃんは何故かめちゃくちゃ怒ったような顔でいいじゃん、たまにはいつもの場所以外に行きたいじゃん、せっかくの長期休暇なんだしとやや早口でまくしたてられた。

 

「あんまり遠いとこは止めるし、お金なら……わたしもなんとかするから」

「待って待って、待て」

「はい」

 

 暴走状態だなと判断し声を掛けるとピタリと止まる。わんこなんだよなぁ思わずよしよししてやりたくなるくらいにわんこなんだよなぁ。そんなステイ状態だがゴールドに輝く笑顔を見せられてちょっと揺らぐけど、ここでよしってすると待機状態から即座にシャトル発射状態になるからもうダメ。この子マジでわんこ、わんこなのか? 今俺の頭の中になんか違う動物が紛れ込んでる気がした。じゃじゃ馬?

 

「その話さ、んーまたゆっくりしようよ、電話でもいいけど」

「う、うん」

「冷静になって、一緒に考えない?」

「だっ、だよね……じゃあ、今度のデ……お出掛けで」

 

 確かにいつもの本屋とか行けば旅行雑誌あるもんな。そういうので下調べってのは確かに大事なんだろう。あーでもその場面を想像するとちょっと恥ずかしい気分もする。いやこういうましろちゃんがお出掛けって呼称してるコレも完全にデートなんですけど、お泊りデートになるとまた意味が違ってくるしそのための計画を練るデートというのは、また違った印象があるな。

 

「あ、そうだ先輩」

「なに?」

「バイト終わった後、ちょっと時間もらっていい?」

「どうしたの?」

「えっとね、プレゼント……したいものがあって」

 

 プレゼント、プレゼントねぇ……なんかあったっけ? 俺の誕生日は八月一日なんだけど。えっと、と困惑してるけどましろちゃんはほわほわした顔でいいもの見つけたからと説明してくれた。あーなるほど、なにか俺が喜びそうなものを見つけたからそれを気まぐれでくれるって話ね、完全に理解した。んな感じで腕組みしたり顔を脳内でしているとおーいとのんびりな声がしてましろちゃんが返事をした。

 

「きゅーけー終わりだよシロちゃん」

「うん、今行くね! それじゃあ、お仕事頑張ってね」

「そっちも練習頑張って」

「うん!」

 

 はぁ、ヤバ……なにあの癒しの大天使、七深ちゃんの呼びかけに笑顔で応えて一瞬こっち向いてなんだかそれとはまた別種の笑顔で手を振ってくれる。これがあれかてぇてぇってやつなのか。麻弥さんに送るレスとはまた違うオタク感を醸し出していたところでピークがやってきて俺はましろちゃんの言葉通りお仕事を頑張ることになった。

 

 

 

 


 

 

 

 

 最初は公園で待つとか言ってたからさすがに危ないだろってことで店長に相談したらましろちゃんを裏に通してくれた。めっちゃ優しいし気が利くイケメン店長さんなんだけど恋バナ好きなのが玉に瑕ってやつだ。別の女とか言わないで、瑠唯さんもましろちゃんも俺の女じゃないです。二股じゃねぇっつってんだろ。

 

「あ、お疲れ様」

「うん、ごめんね待たせて」

「大丈夫、帰ろ」

 

 ああでもバイト終わって疲れた~って事務所行ったらましろちゃんいるのいいかもしれん。精神安定的にとても素晴らしいものではなかろうか。そんなヒーリングスポットとなって椅子にちょこんと座るましろちゃんはちょっと居心地が悪そうだったけど、俺を見つけるなりほっとしたような笑顔を浮かべた。

 

「手……」

「いいよ」

「えへへ、ありがと」

 

 人見知りなぁ、直してほしいだなんて俺が思うのはおこがましいことなんだろう。そもそも直してほしい、って言葉自体が俺とましろちゃんの関係に特別なナニカをつけたがってるだけな感じがする。好みのおっぱいを持つビッグセブンの中で唯一、俺が気軽に触れてしまう存在、そして放っておけなくてなんとかしてあげたいと思ってしまう。

 ──直してほしいだなんて、カレシ面もいいところだ。腕組み後方待機勢でもないクセに、前方でレスもらいまくってるのにな。

 

「そういえば、プレゼントってなに?」

「あ、えっとね、これなんだ」

「ディスク?」

「うん」

 

 それを何気なく受け取って……ってこれ、俺の好きな女性シンガーの限定版のカバーアルバムじゃん! ネットショップだとプレミアついてて手が届かなかったのに、どうして? 問いかけるとはにかみながら買取ショップで安く売ってたから買っちゃったと教えてくれた。言ってくれれば自分で買ったのに! でもましろちゃんは慌てたように首を横に振った。

 

「それじゃあ意味ないよ、わたしがプレゼントしたかったんだもん」

「でも」

「いつも一緒にいてくれるお礼、だよ?」

 

 いい子すぎるんだよなぁましろちゃん。俺の好きなアーティスト覚えてて、偶々とはいえ見つけて、俺のためにって自分のサイフを開く。マジで悪い男に騙されないか心配してきた。そもそも俺がいい男ではないけど。でも、やっぱり申し訳なさが勝ってしまうんだよなぁ。

 

「あ、じゃ、じゃあさ」

「ん?」

「次の……お出掛けの時、何か買ってほしいな」

「それでいいの?」

「うん、プレゼントを贈り合うのってなんだか……っぽい、でしょ?」

 

 確かに、プレゼントって一方通行じゃなくて相互であるべきものだもんな。そんな風に俺は納得してじゃあまたねとましろちゃんを家まで送っていった。

 ──そうして手を振ってくるりとドアを開けてからまた手を振る彼女に懐かれているというお得さを、改めて感じてしまった俺だった。

 

 

 

 




おっぱいヒロイン図鑑は次回の後編にて。今回は番外編で
EX№08ギャル系正当派お嬢様インフルエンサー:桐ケ谷透子
 属性盛りすぎ定期。おっぱいは大きく準ビッグセブンクラスとなっている。準メンバーの中では七深と合わせて関わる方。彼の人間関係を面白おかしく眺めている。

EX№09のんびりほんわか不思議系女子:広町七深
 なんでも天才ちゃんらしいことはモニカメンバーから訊いている。が、彼の前でそのぶっ飛び具合を見せないのでそうなんだぁくらいにしか思われてない。よかったね、擬態できてるよナナミン! ナナミンもまた一級おっぱい師のパワーを持ってる(ビッグセブンは特級)

※準ビッグセブン:現在名前が登場しているものを含めると上記二人と花音とリサの二人。ちゃんと七人いる。
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