おっぱいはせいぎ   作:黒マメファナ

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某主人公がよく他作品とクロスオーバーしてる人気ラノベのヒロインの中だとミタケランと声帯が同じ飲料水の名前の子がすきです。


第12話:あざといはかわいいから結局好き

 ましろちゃんとの距離はどんどん縮まっている。これだけの情報だとなんだかとってもいいことのように感じるのが言葉の不思議ってやつだ。簡潔に伝えすぎるのもやっぱり問題なんだな、なんて頭のよさそうなこと考えてしまった。はい、おっぱい。これこそ上がったIQを下げるために編み出された俺のムテキの呪文ってやつだ。

 

「京都……いいなぁ」

「夏の京都か」

 

 確かクソ暑いんだっけ。俺はまだ大丈夫かもしれんけどましろちゃんとか絶対日焼けすると真っ赤になるタイプじゃん。隣で旅行雑誌を真剣な顔で立ち読みしてる横顔と、その肌の透き通るような白さと、なにより横から見ると主張の激しいおっぱいを眺めながらそう思っていた。ところで今日のワンピースは爽やか清楚感がして、それなのに一部の主張がとってもすごいのがギャップで素晴らしいと思います。

 

「やっぱり夏だと、涼しいところがいい?」

「まぁ、そりゃそうだけど」

 

 でもこの温度湿度マシマシの二郎系もかくやというこの国において夏に涼しいところってなんだよってなるんだけど。そうすると北海道? と首を傾げてくる。確かに北国みたいなイメージあるし避暑地の代表だけど札幌って八月前半は三十度フツーに越えるらしいよ。

 

「そ、そうなんだ……じゃあ軽井沢?」

「セレブの発想だね」

 

 流石月ノ森生なんてからかってみると広町家はそっちに別荘持ってるらしい。マジで異次元の会話だなこれ。そういえばつくしんちの別荘がどこだったかな、飛騨あたりに確かあったはず。なんか子どもの頃に一緒に連れてってもらった記憶があるよ。

 

「そっか、先輩もお金持ちなんだっけ」

「俺んちは別に、母さんが社長令嬢だったってくらいだし」

 

 でも母さんはセレブな世界よりも大好きなヒトとのロマンスを選んで一般人になった。その会社の現社長であるおじさん、つまり母さんの弟は音楽好きで、俺はその影響で気に入られてお小遣いとかもらってライブとか行ってるけどさ。結局父さんはなんの変哲もない会社員だし母さんは元箱入りお嬢の専業主婦だよ。

 

「そっか」

「なんか面白いことあった?」

 

 にやけてる感じがしたから訊ねてみるけどましろちゃんはううんと首を横に振って、それからまたちょっと笑みを浮かべて、先輩の話が聴けてよかった、なんて変なことを言い出した。なにそれ。

 

「先輩、全然自分のこと教えてくれないから」

「そうだっけ?」

「そう! 気付いたらわたしばっかりお話してて、先輩なんて相槌打ってること多いもん。それ言うと急に天気の話をし始めるし」

「う、ごめん」

 

 しょうがない、おっぱいと天気以外の話題を持ってないんだから。ちなむと軽井沢はイメージないかもしれないけど夏は雨が多いんだよね。そんなくだらない天気の話にましろちゃんはわかりやすく頬を膨らませた。

 

「……んっ、それよりさ、お泊りなら温泉とかいいよね」

「温泉ね、どこがいいの?」

「箱根とか草津とか?」

「わおセレブ」

 

 そこの二か所も避暑地かつ別荘地的な意味合いがあるんだよな、まぁ一般人も入れるような温泉付き旅館なんて当たり前にあるんだけど。さっきの話の続きだとこういうリアクションが正解なんだろう。うんうん、ましろちゃんも月ノ森の空気に染まってきてるようでなによりだよ。

 

「じゃあそういう温泉宿とかにしとく?」

「うん、和風なのもいいよね」

「だね」

 

 そこまで言って、ふと、本当にふとしたことなんだけどこれデート予定なんですよね? え、ましろちゃんとおんなじ部屋で寝るの俺? いや間違いを起こさない自信はあるんだけど、それって逆に不健全なんじゃと思わなくもない男子高校生なのです。風が、じゃなくて俺の心臓が騒がしいよ。

 

「じゃあ、ちょっと探してみるね」

「うん、よろしくお願いします」

 

 ホントに、ましろちゃんとは距離が近くなった。というか人見知りでおどおどしてる印象が強かったはずなのに、いつの間にか顔を見るなり笑顔になって、時々曇った表情になるけど手を握ってあげると嬉しそうに笑ったり、甘えるような仕草をしてみたり。果てはお泊りデートがしたい、だなんて。

 ──まるで恋人同士みたいだ。そんな自惚れた言葉、俺にはとても口には出せないけど。

 

「あの、さ」

「なに?」

「さっきの、泊まりがいいって……同じ部屋でも、いいの?」

「……うん、平気」

 

 何が平気なのだろう。世間一般的にはもはやその解答が平気じゃないよ。だけどましろちゃんは俺の手を握ってきて、だってもっと近くにいたいからなんて言い出す。ましろちゃんにとって俺はどういう風に見えてるのだろう。ちょっと恥ずかしそうに、だけど透き通るような瞳は確かに俺を見ているはずなんだけど。

 

「先輩はわたしに怖いこと絶対しないって、大事にしてくれてるって知ってるから」

「それは言い過ぎだよ」

「ふふ、わかってるよ」

 

 かわいい、かわいいんだけどましろちゃんの言葉は時々、俺には難しすぎる気がする。ところで、プレゼントって何がいいの? と訊ねるとなんと女性向けのアクセサリーショップに連れていかれてしまった。あれだ、なんだか結局居心地が悪くなりそうだ。

 

「わたし、あんまりこういうのつけないから……でも、やっぱり透子ちゃんとかキラキラしてて憧れてて」

「うん」

「……だから、先輩に選んでほしい」

 

 自分の指と指を絡めて、恥ずかしそうに、だけどはにかんでそうおねだりされたあとにダメかな、とでも言うような上目遣い、もうこれわざとやってんだろ。ビッグセブンの癒し大天使、あざとパワーまで持っていたとは……あざと枠ひまりだけだと思ってたのに。そしてなにより男は、特に俺はそういうあざとさに耐性がないのである。

 

「でも、アレルギーとか大丈夫?」

「アレルギー?」

「うん、今までネックレスとか付けたことないんでしょ?」

 

 首を傾げられてから不思議そうに頷かれ、ちょっと苦笑いをしてしまった。肌が弱い人がずっと金属系のアクセサリーをするとかぶれたりしちゃうんだよね。昔、ってほど昔じゃないけど中学の時につくしのやつ、ネックレスがほしいほしいって言って誕生日に買わされたことがあって、超ご機嫌になったのはいいんだけど、その後で赤くなって痒くなったーって大騒ぎでさ。

 

「つ、つくしちゃんに……プレゼントで」

「うん、だから気を付けて、痒いなぁとか思ったら外すことをオススメするよ」

「……わかった」

 

 それ以来二度と着けてないだろうからなあいつ。無駄になっちゃうとなんか勿体ないしなぁ。そういうのがなければと思ったんだけど、どうやらましろちゃんはマジで金属アレルギーのことすら知らなかったようで、四つ葉のクローバーがあしらわれた金色の小さな髪留めを買ってあげることにした。

 

「えへへ……♪」

「喜んでくれてよかった」

 

 ニコニコ笑顔のましろちゃんにちょっとだけほっとする。でも何か不満だったのか、不安だったのか、帰りはずっと手を繋いだままだった。ちょっと手汗が気になっちゃうし、実はニコニコ顔なのに不安で泣きそうだったらどうしようとドキドキしてる。

 

「楽しみだなぁ」

「夏休み?」

「うん、先輩といっぱい過ごして、バンドいっぱい練習して、ライブして……高校生の夏休みは急にいっぱいいっぱいやることができちゃった!」

 

 中学までは、という野暮な質問はしなかったしできるわけもなかった。彼女の過去にこうやって手を繋いであげる友達はいたんだろうか、彼女の背中を押してあげる仲間はいたんだろうか。いなかったから、こうやって今純粋無垢な子どものように俺の手を握ってキレイな笑顔を咲かせるのだろうか。

 

「先輩」

「ん?」

「楽しい夏休みにしようね」

「うん、きっとなるよ」

 

 ましろちゃんには友達がいて、仲間がいて、きっとこれからもバンドを通してたくさんの人と知り合って、仲良くなって世界が広がっていく。ましろちゃんはそのための翼を持ってると思うよ……なんて、クサいしカッコつけすぎてて口には出せないんだけど。

 ──ただ、流石に冷静になってヤバいだろと思ったのでお泊りデートについては帰って即座につくしと相談することにした。当然返ってきたのはなんでノリ気なの! というお説教でした。だって、温泉で風呂上り浴衣おっぱいだと思ったら拒否するより身体が動いてたんだ! 見たいよ! そういうイベントならではの特殊おっぱい見たいんだよ! 熱弁したけどつくしの言葉は常に冷や水のように冷たかった。

 

 

 

 




ましろの発言に違和感があったことと思います。あとがきで公開することをお許しください。だってバラす場所ないもん!
おっぱいヒロイン図鑑
№09ビッグセブンの放っておけない癒し系:倉田ましろ
 大輔がお嬢様学校のレベルたけぇ……と思い知った(つくしを除く)原因の子。脱ぐとたぶんもっとすごいことをまだ彼は知らない。
 彼女にとって彼はカレシだと思っている。何回もデートしてるし、手も繋ぐ、触れ合う関係はもう恋人以外の何物でもないと信じて疑っていない。そんな(倒錯)大本命でもある。

ましろ的にはおっぱい大輔はカレシなのであれだけ積極的なのです。言われてみると最初からカノジョヅラしてるでしょ?
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