おっぱいはせいぎ   作:黒マメファナ

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しょーがねーだろ、おっぱいなんだから。


第18話:ドルオタでも推しはおっぱい基準

 俺はおっぱい大好きおっぱい星人とガールズバンドのオタクとしての側面以外にもう一つの側面を持っている。それは、パスパレのドルオタという側面である。なんでこういう趣味になるのかってそもそもドルオタになったのはパスパレがガールズバンドだからなので他のアイドルに対して興味はない。けどおっぱいが大きいと見ちゃう、みたいな。

 

「誰への言い訳?」

「つくし?」

「なんで今更私に言い訳する必要があるの……?」

 

 というわけで七月末のイベントにやってきた俺と、いつも通り一人だと不安になってしまうため俺がいないとどうしようもない幼馴染のつくしちゃんです。前回はましろちゃんがいたせいでひゃっほいできなかったけど、今日はコイツしかいないから全力でおっぱいって叫んでも問題ないぜおっぱ──

 

「──バカじゃないの!?」

「おっぱいです」

「大輔……最近言えないストレス溜まりすぎじゃない?」

 

 それはそう。なんなら限界だとつくしに電話しておっぱいおっぱい天気の話挟んでおっぱいって究極の下世話な幼馴染といちゃいちゃラブコメ展開していたんだけど、最近その電話、どこぞのわんこましろちゃんに取られてるんだよなぁ。

 

「そうだよね、なんかいっつもましろちゃんと電話してない?」

「ええはい、これによりわたくしがおっぱい、と思った数と実際に発言した回数の割合が実に先月に比べて10ポイント以上下降していると研究で明らかになっております」

「……頭よさそうな言い方すれば賢いワケじゃないよ」

「確かに~!」

「だからって急にバカにならないで!」

 

 いや、つくしとしゃべんのチョー楽しい。何がって言葉選ばなくていいのがチョー楽しい。気の置けない会話ってこういうことを言うんじゃないかな。そんなぺったんこ幼馴染とのいちゃらぶ展開は置いといて大きなおっぱい鑑賞に、じゃなくて全体握手会と参りましょうね~。

 

「いちゃらぶしてないし」

「周囲から見ればしてるんだよなぁこれ」

「……小学生の時はあんなに嫌がってたのに」

「嘘だ、お前のが嫌がってたし」

「お互い様でしょ!」

 

 そりゃ嫌がるでしょ。つか小学生の学習塾のノリなぁ、懐かしい。あれはお嬢しかいなかった初等部に通ってたつくしにはちょっとしたショックだったんだ、ってはい、昔話終わりー、アイドルに集中したいので……って言っても今日はつくしと並ぶのか。なんか萎えるな。

 

「な、なんで」

「いや、ねぇ?」

 

 いつもは個別だから俺は麻弥さん、時々イヴちゃん。つくしは彩ちゃんと千聖さん。推しが被ってねぇからなんか不思議な気分になるんだよな。とか言いつつ、アイドルに迎えられるとそんなのも気にならなくなるんだけど。

 

「おお、今日も来てくれたんですね! って、今日はあんまり語れませんが……」

「確かに、流れとかありますもんね」

「そういえば今日も二葉さんと一緒にいらっしゃってるんですね」

「え、まぁいつもですし」

 

 そんな短い会話をしていても早く行けよみたいな視線を感じるんだからなんだかすごく勿体ない。ところでつくしのことを話そうとしていたような。そっか、麻弥さんは普段つくしが会いに来ないからいるのかいないのかわかんない時あるのか。いっつも二人なんですよーとは言ってあった気がするけど。

 

「あ、ダイスケさん! いつもありがとうございます!」

「……んっと?」

「え、あ……すみません、いつものクセで……」

 

 その隣にいたイヴちゃんからは羽沢珈琲店のテンプレ文言をいただいて思わず固まってしまった。当の本人は思わず言っちゃった的なノリでテヘペロってしてくれるから許したってなるんだけど、だけど~宗山後ろ後ろって言われそうなくらいの視線が刺さった。イヴ担怖い。ロゼのバンギャとパスパレのガチヲタを怒らせるとヤバい。きっと呪われる。

 

「ふふ、災難でしたね」

「笑わないでください」

 

 ジロジロ見てる暇あったらイヴちゃん見てろやクソオタクがよ、と悪態を心の中でつぶやくと目の前にはちんまりと小柄でありながら大人っぽさを持っている美女に、くすくすと上品に笑われてちょっとむっとした。そして彼女はにっこり笑顔のまま小さな声で俺に囁いた。

 

「ざまぁみなさい」

「……性格悪いっすね」

「あら、性根が腐ってるのはあなたでしょう?」

 

 ──そう、どーでもいいんだけどこの小柄美女の白鷺千聖さんにはめちゃくちゃ嫌われている。なんでかって? それはあれだ。彼女の親友さんのおっぱいを見てたからである。当たり前だよなぁ。

 

「このイベントに来てイヴちゃんや麻弥ちゃんに劣情を抱くのはいいけれどプライベートなら容赦なく通報させてもらうわね」

「ちっうっせーな、気をつけま~す」

 

 そう言って素早く去っていく。触らぬ千聖さんに祟りなし。あ、握手しちまった、やっべ祟られる。ただ、本当に千聖さんには近づきたくないので何言われてもスルーしておく。そもそもおっぱいないから興味もないのだ! それで言うとその隣にいる知り合いとおっぱいと性格以外がそっくりの彼女の方が興味あるのだ! 

 

「あー、ソーヤマさんじゃん、久しぶり~」

「確かに久しぶりですね」

「ねね、最近おねーちゃんがお昼にこそこそでかけてったんだけど、知らない?」

「こそこそ出掛けてた、だと知らないです」

 

 彼女は氷川日菜さん。見た目が紗夜さんそっくりの双子の妹ちゃん。おっぱいは割とおっきくていいな感があるんだけど、俺が紗夜さんと知り合いだと知ると一に挨拶二におねーちゃん三四におねーちゃん五におねーちゃんの狂気のシスコンなので性格的には苦手だったりする。遠くでおっぱいだけ眺めていたい。ところで紗夜さん、お昼というワードに引っかかるものはカフェに出掛けた話だけどこそこそかどうかはわからないから知らないんだよな。フツーに帰ってったし。

 

「そっか、じゃね~」

「はい」

 

 よかった握手会なので比較的あっさり抜け出せた。やっぱり全体握手会に参加するのはリスキーすぎる。というかリアル知り合いじゃないのって最後に待ってる彩ちゃんくらいなんだよなぁ。彼女はひまりのバイト先にいるとかで、いやアイドルがファストフード店で働いてるってなによとは思うけど。ただ、ひまりと一緒にプライベートで会った時になぁ。

 

「あ、キミがひまりちゃんの言ってた人なんだ!」

「え……ひまり?」

 

 そんなことを言われて以来、ひまりの話に出てくるもの同士という扱いでしかない。というか彩ちゃんに俺の話してるのかひまり、と思わず信じられないものを見るような顔をしてしまったね。当のひまりは首を傾げるだけだった。かわいいけど! 

 

「いつもありがとうございますっ」

「いつもつくしがお世話になってます」

「えっ、いやいや、いつもキラキラの応援もらってるから」

 

 そう、あとつくしが地味に花見かなんかでプライベートのパスパレと話をする機会があったとかで、その際に俺の存在も語ったらしい。それで知り合いの知り合いってことでなんか偶に会う知り合いのご近所さんみたいなリアクションが取られる。

 

「はぁ、たまには全員とちょっとずつお話できる握手会もいいね!」

「……俺は苦手なヒトいるからな」

「そういうのダメだよ! プロでもただの女の子なんだから」

 

 いや一方的に悪意持たれてるんだよなぁ。それも自業自得といえばその通りなんだけど。いいんだよそれは。そもそも俺は別に悪意があっておっぱいを狙ってるわけじゃなくてただ単におっぱいを拝みたいだけなんだよ。イエスおっぱいノータッチ! 

 

「またそれ?」

「大事なこと、おっぱいに対して真摯であれ!」

「恥ずかしいからやめて」

 

 怒られた。けど俺に天気以外の話をさせてくれる幼馴染はやっぱりベストフレンドなんだよなぁ! そしてそのまま今日は夜から泊まりがけでバンドの練習があるとつくしと別れた俺は独りになった寂しさと、なによりさっきまで言えたおっぱいおっぱいが言えないのがちょっと口寂しくてテキトーな喫茶店のコーヒーを頼もうと何名様ですか? と言われて数を示そうとすると二人っスと声がして慌てて振り返った。

 

「フヘヘ、おじゃまします、大輔さん」

「……お疲れ様です、麻弥さん」

 

 そこに現れたのは変装アイテムで顔を隠した麻弥さんだった。まさか飛び入りとはタイミングいいですね、と思わず微笑んだ。捨てるおっぱいあれば拾うおっぱいあり。いや捨てるおっぱいに対して拾ったおっぱいサイズ違いすぎてやべーけどな! 

 

 

 




おっぱいヒロイン図鑑
EX№05パスパレのボーカルさん:丸山彩
 なんの捻りもない覚え方である。ひまりのバイト先メンバーであり、イヴ麻弥と仲が良かったため割と認知されている。アイドルに認知はヲタカチキレでは。つくしの推しでもあるためその幼馴染としての認識。

EX№06おねーちゃんラブのアイドル:氷川日菜
 羽丘の生徒会長という覚え方をしていたが紗夜の妹という面が強い。二言目にはおねーちゃんであり次にはおねーちゃん。むしろ彼的には姉より好感度高め、おっぱいの差が全ての差である。

今日は毎回の如くサブキャラで。千聖さんはまた羽沢珈琲店の時に紹介したいと思います。
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