つくしから連絡が来きたのはそれから数日後だった。参加するのはポピパから香澄ちゃんと有咲。パスパレからイヴちゃん、麻弥さん、日菜さん……ほっ。アフグロからひまりだけ、なんかごめん。ロゼ全員……全員!? 湊友希那くるの!? ハロハピ全員、まぁこれは予想通りだけどミッシェルさん来るの? ましろちゃんとかつくしがミッシェルさんがどうのって言ってるんだけど俺中のヒト知らないんだよな。どんなヒトだろ。RASも全員、ヤバ限界オタクになりそう。総勢俺入れて二十七名の旅行となった。修学旅行かよ。
「これ、ヤバいよつくし」
「だね」
「何がって……」
「うん」
「ビッグセブン全員いる」
「……大輔」
いやまぁね、俺がいるの知ってるのはモニカとひまりくらいなんだから俺目当てじゃないってわかってるけどさ! 燐子さん、有咲、麻弥さんイヴちゃんまで来るなんて予想外なんだよ! 俺だって興奮してる! ビッグセブン全員の風呂上り見れるかも! 俺今のところその実績解放してるの七分の一だもん!
「……え、まさかましろちゃんともう?」
「は? なんでましろちゃんなんだよ。もうってなんだよ」
「違うの?」
「ちげーよ」
瑠唯さんだよ瑠唯さん。この間雨に降られた話しただろう。あれは……あれはヤバかった。もしあれが残り六人見れると思うと……いかん興奮しすぎて鼻血出そう。そんな俺に冷ややかな視線を送るつくしにしょうがないだろう、と俺は力説する。ちなみに既に夜なので現在つくしの部屋にいる。あ、おばさんお茶ありっす。
「うま」
「……なんでママってば、お客様用の高いの出すかな」
「なんだ、不満か」
「大輔なんて水道水で充分だよ!」
それはヒドくね、せめてお前んちのウォーターサーバーくらい使わせてくれよ! 抗議するが現実はおいしい冷茶なので俺の勝ちである。確かに久しぶりに来たとはいえ昔なんてめちゃくちゃ入り浸ってたのにな。理由は単純、コイツんちの方が俺んちより広くてデカいテレビがあったから。ゲーム機持ってきて野球しようぜ! のノリでゲームしようぜ! ってやってたからな。
「それより費用はどんなん? 団体割とか使えそう?」
「それがタダで貸し切りだって」
「なんで?」
いやホントなんで? 貸し切りはまぁ多少予想はしてたけどタダてどういうこと? そう訊ねると透子ちゃんとこころさんが共謀してより面白い方に転がそうとしたらしい。なにその最低最悪のダイスロール。クリティカルしたの?
「透子ちゃんが貸し切りにしようって言いだして」
「うん」
「弦巻さんがこの人数だと移動が大変だってことでバスを買い取って」
「買い取って……おう」
「ここまではまだ常識の範囲内なんだけど」
「どこがだよ」
おいお嬢、テメーさては富裕層側だな? つか桐ケ谷弦巻ほど資産ないじゃんお前んち。それでもバスくらい買えるもんと反論された。バスはくらいって形容するもんじゃねぇよ。
──それはさておき、まだひと悶着あったのか。
「ましろちゃんが指した旅館そのものを買い取るとか、改造するとか、めちゃくちゃで」
「……ついていけねぇ」
「結局最後は七深ちゃんと瑠唯さんの提案で新しい温泉宿作ることに落ち着いたよ」
ごめん、なんて? 金持ち怖くね? ましろちゃんがさぞ青い顔していたでしょう。絶対後で電話来るな。慰めとこ。ただ流石に旅館を作るほど自由にできるお金は透子ちゃんにはなかったようでこころさん頼りになったと。俺女だらけのバスに乗るの?
「うん、でも大丈夫、席は決まったんだ」
「どれどれ」
「大輔は一番前だよ」
俺はそう言われてつくしのスマホの画面をのぞき込む。もしかして前、はないけど後左右女の子のおっぱいハーレム状態になっちゃうのでは? ビッグセブン全員いるしね。そんな期待とイエスおっぱいノータッチという原則がもしかして隣によっては崩れ去ってしまうかもなんてちょっとの危機感を覚えながら確認し──俺はキレた。
| パレオ | CHU² | 和奏 | ||
| 大和 | 若宮 | 奥沢 | こころ | |
| 氷川(日) | 広町 | 透子 | 倉田 | |
| 戸山 | 市ヶ谷 | 松原 | 上原 | |
| 朝日 | 佐藤 | 白金 | 八潮 | |
| 今井 | 友希那 | 氷川(紗) | 宇田川 | |
| はぐみ | 薫くん | 二葉 | 宗山 |
イジメじゃねぇか! なんでだ! なんでこの状況でどこ見渡してもおっぱいがないんだ! バカじゃねぇの!? おっぱい俺が見えないところに固まってんのなに? なんなの? いったい誰だよこんな席順考えた悪魔はよぉ!
「私と紗夜さん」
「悪魔どもめ!」
つくしは味方だと思ったのに! 嘆くがそもそもおっぱいに関してつくしが味方なワケがなかったし紗夜さんはいつもの紗夜さんだ。慈悲なし。勘違い直さなきゃワンチャン燐子さんの隣にいけたかもしれねぇ……正直なのが仇になったぜ。
「いいもん……風呂上りのおっぱい堪能するもん」
「もん、はキモイでしょ」
うるさい悪魔め! ビッグセブン全員集合どころか準ビッグセブンも全員揃ってる状態、そうまさに俺にとってのおっぱいハーレムという究極完全体にもなれるこのシチュエーションなんだぞ!? 移動中のおっぱいすら期待しちゃいけないってどういうことなの!?
「ん? というか奥沢さんいるんだ……付き添い?」
「ミッシェルさんだよ?」
「……え、そうなの?」
「うん」
え、あのちょいイケメンなような美人なような感じのあの子がミッシェルなの!? キグルミモードと雰囲気全然ちげー、絶対言われないとわかんねぇやつじゃん。うわそれよりマジで湊友希那の名前あるよ。サインとかしてくれるんかな。
──ちょっと冷静になって見渡すと1:1が1:5になったと思ったら1:26て。頭がイカれてるとしか思わん。しかもそのうちの14人が俺のおっぱい大きい基準を満たしてることが確定。実に半分以上である。
「なのに隣は……このベストフレンドだけか」
「親友なら喜びなさいよ」
「ぺったんこ」
「流石にキレていいよねこれ」
「すんません」
後ろを覗こうもんなら紗夜さんの制裁間違いなしだし、隣はかわいいとか美人というよりはカッコいいが先に出てきてしかもおっぱいない瀬田さんだしコロッケ屋のスポーツ少女はつくしよりはあるけど紗夜さんといい勝負だし。湊友希那は個人的にファンだけどおっぱいはファンじゃない。ホントにただただガールズバンドのオタクとして琴線に触れた珍しいヒトだ。そも俺ロゼとパスパレのオタだし。
「あ、大輔の部屋だけどさ」
「うん、いやもう期待してない」
「当たり前のように一人なんだけど露天風呂付きなんだって」
「……俺はそっちで我慢しろってか」
「まぁ、うん」
そりゃ人数比的に男湯と女湯分ける必要ないもんな。俺だけ露天風呂付きの豪華な部屋の代わりに大浴場はなしか。あれ……これましろちゃんとのお泊りデートだったよな。おかしいな。なんでこんなましろちゃんと話す機会もなさそうなん?
「……大輔って、ましろちゃんと付き合ってる?」
「なんでお前までそういうワケのわからんこと訊いてくるかな」
「でも、お泊りデートって、それもうカレカノじゃん」
いやまぁ……確かにね。そうなんだけど、ましろちゃんのお願いに耐えられないんだよな。もしかしたらましろちゃんは夏休みの思い出的なサムシングがほしかったのかもしれない。そういうことならむしろ喜んでるかな? でも、人見知りだからなぁ。絶対まだ人見知り発動する相手とかいるだろうしなんならこころさんにしてたよ。
「……大輔」
「ん?」
「ごめん、大輔……どっか遠くに行きそうな顔してた」
そう言ってつくしは、まるでましろちゃんのように下を向きながら俺に近づいてきた。珍しい、超絶珍しい現象だ。いやまぁ甘えたがりなのは知ってるけど、いつもは俺にだってしっかりものであろうとするつくしがなぁ。
「だめだなぁ、全然、幼馴染離れできてないね」
「つくしだしな」
「もう、どういう意味?」
「まんまの意味だよ。むかーしから子どもっぽいんだからお前は」
小さい頃のように頭を撫でてやると、つくしは唇を尖らせてやめてと怒ってきた。昔はスゲー喜んでたんだけど、やっぱつくしだって成長してるよ。だって初等部の頃のつくしは俺のことがあまりに好きすぎたからな。
「しょーがないじゃん……初恋だったんだもん」
「俺に初恋ねぇ、バカだなぁ」
「うるさいなぁ」
「ん? っていうと俺もバカか」
「知ってる」
「両想いだな」
「キモ」
キモはやめろって。そんな風にじゃれあってから、俺はおばさんにお茶ごちでしたと一言伝えてから引き留められて夜ご飯を一緒に食べて帰った。食べ盛りだから助かった、あとで母さんのメシも食おうっと。そんなお得感を味わいながら俺はほんの二百メートルほどのめちゃくちゃ近い自分の家までの道を歩いていった。
おっぱいヒロイン図鑑(裏):好感度順
№05幼馴染離れができない:二葉つくし
恋人云々にするにはあまりにセクハラが激しい。つんつるてん。そりゃ初恋相手は身近な異性なため彼だがそれは幼少期の話、現在は恋をするよりも自分が一人前になることを考えている。だがやっぱり大輔がいないとヘラっちゃう。ここ一年ほどで急激に周囲に女性が増えてリソースが割かれている現状はやっぱり面白くない。なによりましろに煽られるのがもっとも面白くない。
ましろのライバル(勘違い)のつくしちゃんです! ただ大輔と付き合うならマジでただの障碍物でもある。そしてこの幼馴染よりも好感度高いのが四人もいる事実。