おっぱいはせいぎ   作:黒マメファナ

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ここが運命の分かれ道。


第27話:転換点に立つ瞬間

 おっぱい! なーんてふざけるような展開ではなくなってしまって、心苦しいかと思う。でも誰が一番苦しいって俺なんだよね。頭の中お花畑ならぬおっぱい畑と化してる俺の脳みそでシリアスなことやるとそのうち爆発するかもしれない。ところでおっぱい畑って想像すると素晴らしい景色だよね。

 

「おーい、生きてる~?」

「無駄ですね、現実逃避してます」

「あはは……まぁ逃避したくなるくらいショックが大きいのか」

「甘やかすと粘着されますよ。この男はそういう男です」

 

 ──はっ、おっぱいが俺を呼んでる声がする。覚醒するとお、帰ってきたーと軽いノリでコチラに手を振ってくれるおっぱいギャル、金色の口もノリも全部が軽いお嬢の方じゃなくて茶髪でバブみのある今井リサさんだった。

 

「深刻な話の後にそれですか……?」

 

 やべ、そう、あと紗夜さん。おっぱいない、以上……じゃなくてこうやって冷ややかな目と厳しい小言は多いけどなんだかんだで話を聞いてくれる優しいスレンダー系お姉さん。お姉さんって言うと某妹が突撃してくるかもしれないからやめとこ。あのヒト苦手。

 

「で、結局さ、大輔はどうしたいの?」

「どうしたい、とは?」

「アタシは基本ひまりといる大輔しか知らないから、ましろとどういう過ごし方してきたのかとかわかんない、ケドさ」

「はい」

「やっぱりこのまま放っておいていいや、って思える程度の相手じゃないんでしょ?」

 

 ゆっくりと肯定する。放っておいていいと思ってるならこうしてリサさんや紗夜さんに話したりしない。自分のおっぱい性癖を一切合切視線以外隠し通せるくらいには口は堅いというか秘密主義なんだ。ましろちゃんがそれを誰かに相談したとしても素知らぬ顔ができるくらいには最低の秘密主義者だから。

 

「私は、今まで誤解させていたことを即刻謝罪すべきかと」

「でも、それだとましろに現実を突きつけることになるくない?」

「……いずれはお互いにとって不都合であろうと事実と向き合うべきです」

 

 時間があればあるほど、その時間に甘えるのが人間ですからと付け足す。リサさんはその言葉になるほどね~と含みのある笑みを浮かべて、なんだろう紗夜さんの実体験か何かなんだろうか? ちょっとよくわかんないけどやっぱりロゼメンツって案外みんな仲良しだよね。

 

「仲良し……っ、ふふ、あはは」

「今井さん……!」

「やーごめんごめん、外からみるとそうなるのかーと思ってさ」

 

 え、もしかしてギスギスなん? とてもそうは見えないし、なんなら三人ゲーム友達としてオフ会してる時もめちゃくちゃ仲良しだなぁとしか考えてなかった。でも、まぁそうするとやっぱり俺にはバンドとか向いてないかもなぁ。音楽やってこればよかったと後悔したことがないわけじゃないけど。こう誰かと音楽を奏でるっていうと向いてない気がする。

 

「確かに、バンドの意味は束や集団ですからね」

「俺に集団は無理ってこと……無理ですね」

「自分で諦めるんだソレ……」

 

 諦めますね、無理ですね。そこの自己評価は低すぎもなく高すぎもないと思ってる。それ以外はもしかしたら低くしすぎてるのかもしれないけど。

 ──それはさておき、もう一度ちゃんとましろちゃんと話さないといけないということはリサさんも紗夜さんも共通していた。逃げたい、この現実から逃げ出しておっぱいの園へフライウェイしたい。アイキャンフライしておっぱいがいっぱいの青く澄み切ったデイズに戻りたいよ。

 

「ま、なんにせよ逃げちゃダメだよ」

「……はい」

「ついでにこの際、あなたのクセを直してください」

「それは無理です」

 

 クセっていうか性癖ね、濁した表現をされたけど俺は、そうだな俺はこんなことがあってもおっぱいが頭から離れていかないんだよな。うーん業が深いしリサさんのオフショルを上から見た時のおっぱいはしばらく忘れられないし。

 

「私より今井さんの方に視線を向けていましたね」

「ええ、はいまぁ」

 

 リサさんがいなくなったと思った瞬間いつもの説教が始まった。反省する気あるんですかくらいの感じで睨んでくる紗夜さんに対して反省はしてるけど目線が吸い寄せられるんですと言い訳をする最低な俺。それは仕方ないとは思いますがとまさかのフォローが飛んできてびっくりした。

 

「だからと言って、今井さんの胸を上から覗くのはどうかしています」

「すいません」

 

 紗夜さんめっちゃ怒ってらっしゃる。一瞬そんなに怒らなくてもと思ったが、バンド仲間で友達のおっぱいを上から下品な視線で覗く男に怒らないヒトはいないと思う。ごめんなさいつい反応してしまいました。

 

「とにかく、倉田さんには誠心誠意をもって、胸を見ることなく自分の態度を悔い改めることね」

「ですね……あ、えっとあと、気になったこと、ふと気になったこと少し、訊ねてもいいですか?」

「はい」

 

 それはほんの少しの疑問だ。紗夜さんにとって俺は、ひょっとしてとんでもなく厄介であり得ないくらいに不快な性格を持つ人間ではなかろうか。コンプレックスっぽいおっぱいについて隣にいたヒトと比べてくる、そんな人間が俺だ。さぞ、彼女はそれで怒りを抱いてきたことだろう。

 

「そうですね」

「なのに、どうして紗夜さんは……俺に燐子さんへのアプローチをしてもいいって言ったの?」

 

 有咲も言っていたように、決して俺を嫌うような態度を取ってはいない。でも俺は最低の人間だ。特にそれこそ有咲とか燐子さんみたいにおっぱいがあるならマシかもしれないけど、紗夜さんにとっては最悪以外の何者でもないのに。

 

「紗夜さんは俺が嫌いじゃないの?」

「嫌いですよ、あなたのその性癖を駄々洩れにする視線は」

「だけど」

「……やっぱり、覚えてないのね。あなたは私になんて言ったのか」

 

 なんの話? そう言うと初めて会った時の言葉を私は忘れませんよと、それを言い残して去っていった。初めて会った時、初めて会った時……やっべ思い出せない。とりあえずロゼの紗夜さんってゲームとかするんだ! みたいな衝撃が大きかったことくらいしか覚えてない。

 

「あ……えと」

「ま、しろ……ちゃん」

 

 そんなことを考えながらご飯を終えてお土産コーナーぶらぶら……なんでお土産コーナーあるのここ新しく建てたんだよな? そう考えると色んなところにツッコミどころあるな。まぁそれはさておき、ばったりましろちゃんに遭遇してしまったから大変、俺もましろちゃんもテンパってしまった。

 

「ご、ごめんなさい……」

「待って、ましろちゃん」

 

 青い顔で走り去ろうとしたましろちゃんに待ったをかける。常に目線を合わせてくれない彼女はひどく怯えているようで、一番初めの出会いに戻ったような感覚さえある気がする。俺は、ましろちゃんにどう報いればいいかなんてわからない。おっぱいのことしか考えてこなかった俺は、ましろちゃんになんて言ってあげればいいのかなんてわからない。

 

「ごめんって言うのは俺の方だよ」

「……なんで」

「なんでって、ましろちゃんを傷つけて」

「付き合ってないならどうして、わたしを気にしようとするの……?」

 

 ぐっと言葉に詰まる。カレシじゃないけど、俺はましろちゃんと過ごした時間が楽しかったから。そんな軽い感じに言葉が出せればよかったのに。ホントの俺はましろちゃんのおっぱいを眺めたくて、違和感から目を背けてただけだから。

 

「……わたしがつくしちゃんの友達だから?」

「違う」

「モニカだから?」

「それも違う」

 

 じゃあと視線が上を向いた。ちょっと長めの前髪から青い瞳がじっと俺を捉えた。なんて言ったらいいんだろうか。俺には選びようがないような気がする。でも、ここで俺は変わるか、変わらないかの二択を選択できるんじゃないだろうか。

 ──ひとつめは変わること。おっぱいが好きだけじゃなくて、きちんとひまりの言っていた俺のことを好きでいてくれる女の子に向き合おうと努力すること。ふたつめは変わらずに、俺のまま、ただ中途半端に自分から逃げるのはやめること。さぁ、どちらにするべきだろうな。

 




おっぱいヒロイン図鑑
EX№11世話焼きギャルママ:今井リサ
 たぶんこれ本人の前で言ったら怒られる。準ビッグセブンクラスのおっぱいにギャルとは思えない(桐ケ谷比)包容力とバブみを併せ持つためリサ姉どころかもはやリサママ。でもやっぱりあんまり言うとエンドオブフェニックスされるため黙っていよう。やっぱりママじゃないか。


――というわけでここからは大輔の選択によってラブコメか否かのルートチェンジ、そして心苦しいのですがメインキャラを分けようと思います。もう無理、数多すぎて把握しきれないよ。

変わる→ラブコメルート(メイン:好感度トップ六人)
変わらず→否ラブコメ(メイン:モニカ+ひまり+ちょっとオフ会)
となります。どっちにしようかな。

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