おっぱいはせいぎ   作:黒マメファナ

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足りてなかったから差し込み投稿します、すまん。


第2話:動き出したビッグワン

 燐子さんとデート……でいいのか? 燐子さんに二人で出掛けられませんかとかいうとんでもなく予想外の提案になんだかんだ色んなおっぱいとデートしてる俺であっても緊張を隠せずに駅の改札の前で待っていた。

 

「あ……お待たせ、しました……」

「いえ、今来たとこですよ」

「……は、はい」

 

 正しくは十分以上前には着いてたけど今涼んでたコンビニから出てこの改札真正面の場所まで来たところである。嘘はついてない。でも燐子さんにこの常套句はダメだったようで若干引き気味だった。まずったかもしれん。

 

「いえ、あの……やっぱり、慣れて……いるのだな、と」

「え?」

「デート慣れ、しているので……」

 

 デート慣れ? ひょっとしてひまりとつくしにダメ出しをされ続けた結果、常にデートの待ち合わせに点数を付けられることになった俺のことを言ってるのだろうか。認識の相違がすごいな。そんな特にひまりによる厳しい精密採点デラックスのおかげで燐子さんの服装や髪型をまじまじと見てしまう。いや髪型も服装も特段オフ会で見かけるものと変わってないんだけど、やっぱこれをお嬢様っていうんだよなぁと感心してしまう。

 

「あ、えっと……その、あんまり……見られると……恥ずかしい、です……」

「ああすいません。今日のコーデも上品で見惚れてました」

「……そういうのも、恥ずかしいので……だめです」

 

 だめだったらしい。服装は褒めろがうちの上官の絶対命令なんだけど。というか女子は褒めろが上官の教えなんだけど、恥ずかしがりで引っ込み思案な燐子さんには逆効果らしい。割と性格が似てる感じのするましろちゃんはめちゃくちゃ喜んでたんだけどあれは、あれは好感度の問題だなたぶん。

 

「じゃあ行きましょうか」

「は、はい……」

 

 俺のことどころかそもそも対人ダメダメが基本の燐子さんの緊張を解すために共通の話題であるゲームの話をしながらショッピングモールへと向かっていく。いつものデートよりも腕一本分距離を開けて、そして未だ読めてない燐子さんの真意を推し量る意味もこめて。

 

「今度の……オフ会で、着ていく服を……用意できていなくて」

「オフ会で?」

「はい……バーベキューをするのに、こういう……服では、いけませんから……」

 

 なるほど、確かにひらひらゴシックでバーベキューは危ない。わんちゃん燃える。それに川遊びをするために濡れてもいい服の下に水着を来る、という紗夜さんが水着を俺に見られたくないがために立てた作戦のために、ややシンプルな水着を買いたいとのことだった。

 

「で、それを一緒に選ぶ相手が、俺なんですか?」

「……せっかくなので、男性の意見も……と思って」

 

 ちょっと目が泳いだからまだ別の目的がある気はするんだけど、そこはいいや。燐子さんがわざわざ対面で話すのが苦手な俺をサシで指名してきた理由なんて、会話してればわかることだろうし。

 

「燐子さんって普段は自作? してるんだよね、あこちゃんが言ってたけど」

「は、はい……ですが、今回は、あまり時間が……なかったので、それに」

「それに?」

「……スキニーや、ジーパンが、わたしに似合うとは、どうしても思わないので……」

 

 わかる。燐子さんはスカート一択な感じする。おっぱいが大きいからあんまりシャツ的なのも持っていないらしい。おっぱいが大きいは勝手予測しましたごめんなさい。そんな風に服を選んで、昼ご飯をどうですかとお店に入る。

 

「……あの」

「はい」

「えっと……氷川さん、の……ことで」

 

 注文し終わって数分後、やや視線が俺から見て左下に泳いでいた燐子さんが口を開いた。──やっぱりなと言うべきか、燐子さんが口にした名前は氷川紗夜さんのことで、最近の紗夜さんのことについて色々訊ねられた。と言っても俺、旅行以来会ってないんですけどね。

 

「あれ……そう、なんですか……?」

「会ってないというか、羽沢珈琲店でばったり会ったきりというか」

「なんだか……宗山、さんに対して……その、最近変わったなとか、思いますか?」

 

 よくわからない質問に俺は首を傾げてそれから横に振る。別に紗夜さんに何か違いがあるかと言われたらそれは感じない。燐子さんは俺の答えにちょっとだけ俯いて、そうですか……と息を吐いた。何かあったのかな? 

 

「いえ……ですが、氷川さんが……前までの、氷川さんなら……宗山さんと、一緒のコテージに、泊まることを許可……しないから」

「そう言われるとそうですね。旅行が直前にあったので全然違和感なかったです」

 

 なんという叙述トリック。叙述トリックって一度使ってみたかっただけだから絶対意味違うけどもう一回くらい使っておくか。なんという叙述トリック。そもそも川遊びで濡れてもいい服をとは言ったがそもそも俺がいるから水は禁止と言わないのも夏休み前とは違うところだね。

 

「……だから」

「付き合ってはないよ」

「あ……ですよね……」

「両片想いもね」

「はい……」

 

 なんでそこで残念そうな顔をするのかはわからんが、そうくると思ったぜ。安心してよ燐子さん。そもそも紗夜さんが俺をってそれはない。むしろ紗夜さんは俺のことを絶対に敵視してるからね。

 

「……そう、なんでしょうか?」

「うーん、最近はなんとなく更生しろって監視してくる立場的な」

「更生……?」

「あー燐子さんも、薄々気付いてるだろうけど、俺の性癖の話だよ」

「あ……」

 

 そうやってちょっとおっぱいを隠されると余計に見ちゃうからやめてほしい。そもそも燐子さんがコンプレックスらしいというのはひまりから散々怒られてることだから。それでも見ちゃうのが俺の悲しい性なんだけどさ。

 

「でも、宗山さんは……なんというか、優しい? 穏やかな、目で見るので……」

「それは単純に燐子さんのおっぱいに宿る神を拝んでるだけですね」

「……え」

 

 しまったつい。いやだって燐子さんは俺が出会ったビッグセブンの中で更に四天王に数えるべきパーフェクトおっぱいさんだからね。瑠唯さん、ひまり、有咲、燐子さんの四人。特に瑠唯さんと燐子さんは俺の中でトップオブトップ、双璧でありどちらもビッグセブンというかドレッドノートおっぱいというか。

 

「神……そ、そう……だったんですね……」

「いやすいません。今まで無許可で拝んでしまって、えっとお布施いります?」

「ええ……? い、いりません……! べ、別に……少し、なら、宗山さんなら……気になりません……から」

 

 俺は少しじゃないんだよなぁと思うけど。とにかく、そんなこんなで俺のこの性格が紗夜さんにはどうしても自分の胸囲としても敵対者なので。好かれているというより嫌われてる方に天秤が傾いてるとは思ってるけど。

 

「そう……ですか……えと、じゃあ……」

「はい?」

「わたしは……次のオフ会、男性に、宗山さんに……その、胸を……見られても、気にしないように、して……します」

「は、はぁ」

「……なので、代わりに……その、オフ会中に……氷川さんのこと……もっと、知ってあげて、ください……」

「知る?」

「はい……わたしが、あなたのことを……知らないように、あなたも、氷川さんのことを……誤解して、いますから」

 

 そんな難しい条件を出されて、俺はちょっとだけ悩んでからおっぱいのためだと思ってわかりましたと頷いた。頷いた時点で、もう俺は紗夜さんと向き合う資格すらないような気がするけど。

 ──結局、俺はおっぱいありきで動いてるんだもんなぁ。どうしようもない男だって呆れられることはあっても、好かれることはないでしょ。

 

「では……その、また……オフ会で」

「はい」

 

 送っていきますと言ったけどそれも断られてしまった。ひまり教官、お前の作戦、燐子さんには全部逆効果だったよ。二度とその口で上官名乗んじゃねぇ。

 ──ところでさ、ずっとスルーしてたんだけどこれ何泊するの? え、合宿ってなんです燐子さん? もちろんイベント中はずっとです、と笑顔で言われて、やっぱりりんりんさんは怖いなぁと思った俺でした。どうやら夏休みラストイベントはパソコンさんとイチャラブのようです。

 




もしや燐子編か? というミスリードを誘いたかったのに抜けてたせいで台無しに。だから正直なくても話は成り立つ。
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