おっぱいはせいぎ   作:黒マメファナ

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ラストは麻弥ちゃんだ!


第7話:イベントに行けば巨乳が見れる世界線

 今、流行のガールズバンドをおっかけるようになってから変わったことといえば、アイドルのイベントに行くようになったことが挙げられる。そう、バンドとアイドルの融合であるパスパレのイベントに。最初はイヴちゃんがいるからってふらふらとやってきた俺だけど、そのイベントで全く別のヒトに釣られてしまった。

 

「楽しみだね、ましろちゃん」

「う、うん……でも、やっぱり男のヒトが多い、ね」

 

 ──普段ならここでひゃっほい! おっぱいだおっぱい! って勝手にテンションがあげられる場所なんだけど、今回はその限りではなかった。俺の隣にいるのはオタ友……ではなく。いたらめっちゃ嬉しいんだけど、そうじゃなくて幼馴染でありベストフレンドのつくし。こいつは俺がパスパレの推しもその理由も全部知ってるんだけど、俺のシャツを掴むもう一人がなぁ。

 

「大丈夫ましろちゃん?」

「う、うん……大丈夫じゃないかも」

「つくしは日傘、ヒトに当たらんようにな」

「わかってるよ!」

 

 なんでか知らないけどましろちゃんがついてくることになった。いや確かにイベントのことを知ってはいたし、つくしはアイドルとかかわいい感じのが好きなタイプだから去年から偶に一緒に行ってたんだけど。

 

「わたしも、一緒に行きたい。だめ、かな?」

「ダメってわけじゃないけど」

「なら」

 

 なら連れてってという言葉を否定することはできず、結局こうしてアイドルのイベントに彼女を引っ張り回すことになっていた。状況を頭悪くまとめるとおっぱい眺めるために出掛けたらなんとおっぱいがついてきた、みたいな。わかりやすくないな、うん。

 

「これって、どういうイベントなの?」

「握手会だよ」

「握手? ヒーローショーみたいな?」

 

 なるほど、ましろちゃん的には握手する相手がヒーローなんだね。そんな小さな発見している間につくしが、ちゃんと説明してくれた。まぁヒーローショーみたいに並んで有名人に握手してもらうみたいな感じでは間違ってないけど、まぁ確かにイヴちゃんとか、羽沢珈琲店の常連さんである松原さんのお友達である白鷺さんと握手するのかと言われるとアレなんだけどね。

 

「あ、どもッス、フヘヘ……」

「麻弥さん、今日のミニライブのドラムもアガりました!」

「そ、そうですか? いやぁ、今回はですね~」

 

 とりあえず最初にミニライブがあって、チケット一枚でその後各メンバーと握手することができる。ましろちゃんに使う? と一枚手渡したけど、彩ちゃんのところに行ってるかな。というか一人で行けるのか、それがめちゃくちゃ心配なんだけど。ちょっとそっちに意識のリソースを割きながら、麻弥さんと会話すると時間ですと言われる。

 

「はっ! またジブンばっかりしゃべってしまって……すみません」

「そんなこと、楽しかったし参考になりました!」

 

 いやぁ、アツく語る麻弥さんはやっぱりいいな。なによりおっぱい、ですね。おっぱいが素晴らしいんですよ。アツく語るとちょっと距離が近くなるからやっぱり目線がどうしても胸元に吸われる。ブラックホールの如く光すらも吸い込むような無限の領域だよ。

 

「あ、先輩! いた!」

「よかった、無事握手できた?」

「うん! 彩さんすっごく驚いてたけど嬉しそうだった!」

 

 ましろちゃんはパっと笑顔で俺に向かってかけてくるのがかわいいんだよなぁ。因みにだけどつくしも彩ちゃん推しらしい。なんでも同じバンドのリーダーとしての心構えが、とかリーダー繋がりで親近感? リスペクト? みたいなのがあるっぽい。そんなこと言うとひまりもそうなんだから話聞いてやって。

 

「ミニライブも、すごかったなぁ」

「バンドとして?」

「うん、たった二曲でお客さんをあんなに盛り上げちゃうんだもん!」

 

 なんだかこういうましろちゃんも珍しいけどかわいらしくていいと思う。というかましろちゃんもオタク気質なんだなぁと思う瞬間だよね。いいと思う、透子ちゃんみたいなのは苦手なんだよな。それにしても元気なましろちゃんはたゆんたゆんしていていいと思う! ううん最高! ありがとう! 

 

「つくしもおかえり」

「久しぶりのイベントだからちょっと緊張しちゃった」

「それじゃあとりあえずお昼にしよっか」

 

 そんな風に順調にイベントでまた少し回って、帰りは三人の意見を合わせて家の近くにあるファミレスに行くことになった。わいわいしゃべりながら食べていると、相席よろしいですかと問われて見上げるとそこには恥ずかしそうに笑う麻弥さんの姿があった。

 

「麻弥さん、お疲れ様です」

「ッス、お二人も来てくれてありがとうございます」

「いえいえ! 楽しかったし、ね? ましろちゃん」

「う、うん……お話は緊張したけど、楽しかったです」

 

 そんな二人の言葉に麻弥さんは本当に嬉しそうに目を細めて恐縮ですと頭を下げた。ところで今日はおひとりなんですか? そもそもイベント後にこのファミレス来るのは本当に稀ですよね。

 

「あーいや、今日は、さっきの握手会の話、したりないなぁ……なんて思っちゃいまして」

「それで?」

「いっつも二葉さんと帰りはここにいるらしいというのは、知っていたので」

 

 麻弥さんとはプライベート? での知り合いでもあるんだよね。そもそも、パスパレって羽沢珈琲店の出没率が高いからたぶんあんまり会話したことないのってそれこそ彩ちゃんくらいじゃないかな。それでも連絡してくれれば教えたのに、と言うと会えなかったらそれまでなのでと困り気味の笑いをされてしまった。

 

「麻弥さんなら大歓迎ですよ、な、つくし」

「うん、もちろん! またいっぱいドラムの話聞きたいです!」

「そういうことなら……フヘヘ」

 

 そりゃ、麻弥さんがつくしと楽しそうに話しているのを横から眺めるなんて、なんてご褒美なんでしょ状態だからね。特に向かいに麻弥さんがいる状況がベストだと思う。ただ今はましろちゃんがいるから隣なのが惜しい。横目に眺めるだけにとどめておこう。

 

「麻弥さんと、仲良しなんだね」

「ん? 仲良し、うんたぶん」

「ふぅん」

 

 ドリンクバーを取りに行くとましろちゃんが追いかけてきて、ちょっと不満そうな声を出していた。なんだろう、もしかしてアイドル興味あったのに今まで誘われなくて、その上でプライベートの繋がりもってたから不満なのかな。

 

「今日さ」

「ん?」

「……カラオケ行きたい」

「えっと、じゃあ二人にも訊いてくるよ」

「……うん」

 

 頷きつつ、ましろちゃんは俺から離れることはない。えっと、マジでどうしたんだろうか。なんだかんださっきまですっごく元気そうだったのに。もしかして、やっぱり麻弥さんがいると人見知りを発動しちゃうんだろうか。だとすると、カラオケ行きたいというのはあんまり緊張しちゃわずにいられる場所に行きたいってことでもあるんだろう。おっけーおっけー理解した。

 

「……わかった」

「先輩……」

「でもカラオケはまた今度な」

「……そっか」

 

 その代わりに話したいことあったら今夜は幾らでも付き合うよと伝えるとようやくましろちゃんに笑顔が戻ってきた。うーん、つくしに相談したら絶対に甘やかしすぎって言われるんだよな、オカンかよというツッコミはさておき。戻ってつくしに事情を説明してそれとなく席を変わってもらった。

 

「いや、それにしても麻弥さんの演奏はカッコいいですけど、機材とかも関わってるんですよね?」

「いやぁ、どーしても裏方だった頃の血が騒ぐという感じッス」

 

 そこからは麻弥さんと向かいになって、ましろちゃんに若干くっつかれながら会話を続けていた。そのせいで麻弥さんにはちょっと不思議な顔をされてしまったけど。ごめんね、正直人見知りだったのすっかり忘れてたから。そういう罪悪感もあって甘やかしてしまうんだよな。つくしからはいっつも甘くするとダメ、月ノ森生としても、人間としても、って口酸っぱく、やっぱりオカンの如く言われてる。ただお前が独り立ちしてるとは絶対に認めないけどな。

 

「それじゃあ、今日はお疲れ様でした!」

「はい! お休みなさい、倉田さんも」

「は、はい……おやすみなさい」

「麻弥さん、またドラムの話したいです」

「おお、いいっスね! 語り合いましょう!」

 

 そんな感じで麻弥さんと別れて、深夜になるまでましろちゃんと電話をした時に、半分寝ぼけた声で先輩の周りは女の子が多すぎるよと文句のような、そんな言葉に俺は確かになと頷いた。

 ──燐子さん、瑠唯さん、ひまり、有咲、麻弥さんにましろちゃんにイヴちゃん。俺が去年から出逢い続けてきた大きなおっぱいを持つ七人の天使たち……一部例外もいますが、俺の性癖にとっての大正義を体現する美少女たちと、その他性癖は外すけど美人ぞろいの知り合いたち。ただホントに誰かと付き合うだなんて俺は考えてなくて、ガールズバンドとして応援したり、会話をしておっぱいを眺めてるだけでマジで幸せだから。

 

 




この物語は全員が絶妙にすれ違っていますが、噛み合ってるヒトもいるのでその子とは仲良し、みたいな感じです。
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