司波(達也)咲耶のオラリオ『さすおに』物語—— 作:仁611
『魔法科高校の劣等生』
ライトノベルを始め、アニメや漫画と多くの作品として俺がいた日本では商業目的で販売されていた。現実では無い筈の第三次世界大戦が発端となり、超能力者の活躍で核兵器による世界の破滅は免れた。核兵器と呼ばれる化学兵器を退けた『未知の力』は、各国のパワーバランスを決める最重要ピースとなり、世界の各所で科学的に研究や実験を行う流れになった。
超能力を科学的に論理付け、その結果『魔法師』と呼ばれる存在が各国の中心となって行き、一世紀程経った世界で主人である公司波達也を取り巻く様々なイベントが起きる物語だ…。
何故いきなりそんな話が?そう思われてしまうのは無理も無いが、俺は何故か司波達也に憑依していた。だが——摩訶不思議な現象はそれだけでは終わらず、司波達也として魔法科高校で主人公ロールプレイを無事消化していたある日。
『横浜動乱編』と呼ばれるストーリーの最中、司波兄妹の実父と再婚した司波小百合が【聖遺物】と呼ばれ、魔法的な性質を持ち現代の科学水準を持ってしても複製が不可能な
司波小百合は、司波達也が『トーラス・シルバー』としても四葉の関係者としても疎ましく思っていた、だからこそ達也の小言である無茶だと言う台詞に頭に来たらしく、我が家から護衛も付けずにフォア・リーブス・テクノロジー、通称FLT(Four Leaves Technology)へと自分で
追い付いた時には、襲撃者に取り囲まれて怯える小百合が目前に見えていた為、CADと呼ばれる魔法の補助具を抜き放った。襲撃者を全て無力化すると、小百合を搭乗していた車両の物陰に退避させ、一応
その瞬間がどれだけの確率が存在するだろうか、左手に持った勾玉と心臓が射線上にある上での狙撃など——主人公『司波達也』は分解と再生を固有魔法として所持しており、再生は自身が生存する機能を失った場合即座に自動展開される。
肉体に
意識が戻った場所は中世の欧米の様な雰囲気が見受けられ、自身の横たわる場所は城壁の様な街の周囲を覆う外壁上部だった。何より目の前に飛び込んだ最も衝撃的な建造物『バベルの塔』が雲をも超える高さでそびえ立っていた。
『ダンジョンに出会いを求めてるのは間違っているだろうか』
このフレーズが即座に頭を過ぎった——司波達也の肉体を持ったままどうやら今度は異世界転移をしたらしいのだ…。
自分の理解がおよぶ世界が変わってしまうのは二度目だからか、司波達也と言う肉体の感情起伏の抑制からなのか至って冷静で、思考は冴えていたお陰か自身の状況は整理しおわっていた。
司波達也として作り出したCADは両脇のホルスターに納まり、起動式圧縮ストレージとして使う弾倉部の予備がアタッシュケースに20本納められており、携帯型CAD調整器としてストーリーに無い俺オリジナルの機器が何故か調整用仮想デバイスと一緒に置いてあった…。
調整用仮想デバイスを簡単に説明するなら、某映画のアイアンマンが設計図を指のみで図面をいじる場面と同じ感じだ。携帯型CAD調整器自体は大型では無いが、それでもらいぶハウスのアンプ程の大きさがあるのでかんたんに運べない、だがしかし現代風なアルミ製の台車に括り付けられたサービスがなされた状態で置いてある。
司波達也の身体であるからには、どうしても確認がひつようだった『魔法』の展開を行なって見たが、
『ダンまち』などと呼ばれるこの世界にも、科学水準が低いが『魔法科高校の劣等生』の世界同様の理論がどうやら通用するらしい。
折角だ、司波達也として生きる抜く縛りが無くなったのだから『椎名咲耶』と言う前世の名前を使おう——ふと深雪の事が頭を過ぎり、十数年間兄妹としての関係が胸にチクリと訴える。
悩んだ末に『司波咲耶』として、3度目になる生を送る事で自身の全てを忘れない様に心の奥底で誓うのだった。
現在俺の最大の課題は、住居とお金と身元不明と言う3大異世界課題とも呼べる内容だったのだが、前世?前回では全て既に四葉家の類縁で司波達也と言う身分があったが、今回は転生でもひょういでも無く転移と言う状態…。
暴漢や敵に対する慈悲や武力行使への忌避感は無いが、路地裏で絡まれるのを率先してやるのもどうかと思う。それと『ダンまち』の世界観だからと全く同じとも言い切れないし、転移した年代だって俺には今現在では分からない。
この物語の主人公ベル・クラネルが、迷宮都市オラリオに来てるかどうかで判断したり、アイズ・ヴァレンシュタインの現在のレベルで判断するか、アストレアファミリアの存続で年代把握するしかない。
結局ファミリアに所属する以外に生活して行く術は無く、情報収集は平行して行なって行く他無いだろう。荷物を台車に載せて引いて行くだけでも時代背景から考えられない技術水準だし、司波小百合を救出に向かった時と同じ私服で紺のジャケットと黒いシャツ、黒のパンツを着こなす時代背景に似合わない科学繊維を使用した格好——周囲の視線は好奇心や奇人を見る様な目で、動物園のパンダにでもなった様な気分を味わっている。
どうにかバベルのそばにある、
受付カウンターへたどり着くと、冒険者としてファミリアを探してる旨を伝えた。カウンターにたたづむ女性はどこか『千葉エリカ』を思わせる雰囲気を感じる人で、他のギルド職員よりフランクな話し口調だった。
彼女に案内された先に居たのは、『ダンまち』でも意外と登場回数の多いエイナ・チュールその人であり、偶然にも眼鏡を掛けていない状態で目頭を押さえ一息ついていた時だった。
眼鏡を掛けて無い彼女はレアで、ベル君とへファイストスファミリアで防具を買いに行くシーンしか俺は覚えていない。まあそもそも『ダンまち』自体を余り詳しく無いのだが——エイナがエリカ似の彼女に声を掛けられると、ミィシャ(エリカ似さん)と二、三言葉を交わして俺に向き直る。
「——ギルド所属、冒険者アドバイザーのエイナ・チュールと申します。先程の職員からお話は伺っておりますが、ファミリアをお探しだと言う事で宜しいでしょうか?」
「ご丁寧にありがとうございます。司波咲耶と申します——先程の彼女にもお伝えしましたが、出来たら規模は気にしませんが
俺の返事や態度に驚いたのか、エイナが少しの間フリーズしてしまい返事を待つ間何が駄目だったのか思案していた。横隣の冒険者とアドバイザーのやり取りや、換金所での冒険者を観察してみたがどうやら俺は丁寧に対応し過ぎな上横柄でなさ過ぎる様だな——エルフらしき種族の人達は言葉こそ丁寧だが、どこか見下した態度が見受けられるので、俺の様に丁寧で物腰が柔らかいのはめずらしいのだろう。
「——貴方の様な品のある男性冒険者さんはめずらしいですので、動揺してしまいすみません「いえ、お気になさらないで下さい」ありがとうございます。では簡易地図と募集ファミリア表の写しを持って来ますので暫くお待ち下さい」
「お手数お掛けします」
どうも司波達也の頃の達也ロールプレイが染み付いて、椎名咲耶と言う人間が薄くなってしまっている。元々の俺自身、横柄な態度は嫌いだし物腰が柔らかいと思う——そんな事を考えていると、エイナが二枚の再生紙の様な色合いの紙を持って来た。
エイナがファミリアの情報や街についての情報などを丁寧に教えてくれたお陰で、現在が『ダンまち』の主人公ベル・クラネルが来訪する半年前だろうと推察できた。
現在の治安は、4年半前のアストレアファミリアの崩壊後かなり改善されたと聞かされ、
『ダンまち』を知る人間なら、タケミカヅチとヘスティアはどうしたと思うだろうが、タケミカヅチファミリアは貧乏過ぎて団員補充が不可能だし、ヘスティアファミリアは爆弾ファミリア過ぎて正直進んで入ろうとは思わない。
俺が向かったのは、バベルにあるへファイストスファミリアの武具店
が建ち並ぶエリアで最大規模の店舗だった。何故ファミリアのホームでは無くココなのか、至って単純で団長椿・コルブランドの作品を扱うのは間違い無く最大規模の店舗で、その奥には社長兼主神であるへファイストスの鍛冶場兼執務室が存在するだろうからだ…。
神へファイストスに最速で会うには、団長か幹部が居そうな最大規模の店舗に行くか、主神へファイストスに直に遭遇するしか無いと言う事からこの選択を即座に選んだ。
——そこに店員としてカウンターに控えていたのは、へファイストスファミリアの団長椿・コルブランド本人で、普段は個人の鍛冶場で製作に明け暮れるだろう人物だった。
余談だが、椎名咲耶だった頃の実家は備前長船刀と呼ばれる岡山県の田舎にある由緒ある刀鍛冶の家だ。曽祖父も祖父も父でさえも刀鍛冶をしており、ひとりっ子だった俺は小学校高学年から鍛冶場のノウハウは叩き込まれていた——37歳と言う若さで生涯を終えた当時の俺だったが、20年以上刀鍛冶師としてやっていたからか、司波達也時代に九重八雲師匠の元で『沖田総司』が使った天然理心流や、北辰一刀流などを習うなど人生全てに刀があった。
目の前の椿・コルブランドを他所に、目に止まった結構地味な場所に置かれた飾り毛の無い一本の無銘の刀が気になり、他に目もくれず刀を抜き身でもって見た。日ノ本と呼ばれる刀の技術より拙い鉄の扱いだが、意も言えぬ不思議な鍛造刀だと分かった。
『ダンまち』で日本に当たる極東で、日本の様に戦国時代があったかどうかは俺には分からない——武器がより武器らしくあり技術が進むのは必ず闘争が前提になってくる、それを地盤に多くの職人が競い更なる技術を生み出して洗練して行く。
——居合切り
店内だと言う事を忘れて無意識に刀の本質が見たくなり居合をしていたのだが、達也の能力【精霊の目】で物質の構成では見知らぬ神秘の力を刀に感じた。
ふと我に返り、視線が俺に突き刺さるのを感じて刀を元の場所へと戻してから、視線の送り主である椿・コルブランドへと向き直る。俺が僅かに見せた刀と言うモノに対する不満気な顔を見たのか、椿はニヤニヤと興味ぶかげにこちらに尋ねて来た。
「見事見事、素晴らしい居合だの——手前が見る限りその方の剣はオラリオでも頭一つ出ておる。そんな者から不満げな顔で刀を戻されては気になって仕方ない、理由を手前に教えて貰えんか?」
「すみません——顔に出すつもりは無かったですが、刀を生身で造って来た者としては何とも言えないモノだったので」
「おっ!その方は刀鍛冶と申すのか?それにその手荷物からしてオラリオの外から来たばかりと見える!へファイストスファミリアに入って手前に刀鍛冶の腕前を見せてはくれんか?」
「確かに刀鍛冶ですが、ファミリア加入を貴女だけで決められるのですか?」
「おぉ!そうじゃった——手前はココ、へファイストスファミリアの団長をしておる椿・コルブランドと申す。主神様にも聞かねばならんのだが、お主の剣や対応を見る限り主神様も喜ばれると手前は思っておるよ」
「俺自身、ファミリアを探してたので助かりますが——良いのですかね?」
「構わん構わん!善は急げじゃな——ほれっ手前が主神様のところへ案内する」
椿・コルブランドに言われるまま、店の従業員しか入る事が許されないエリアに腕を引かれ、強引だが真っ直ぐな彼女のひととなりを感じて警戒を解いて付いて行く。
何故か読めてしまう、『ダンまち』世界の共通語で書かれた【社長室兼主神執務室】と言うプレート——豪快な性格が見受けられる椿だったが、流石の彼女でも神へファイストスの部屋に入る際のノックは礼節を弁えていた。
神へファイストスであろう女性の返事を聞き、勧められるまま一緒に社長室へと連れ込まれる。司波達也だった頃もそうだが、強引な女性が俺の周りには多い気がするが、一先ずそう言った事は別の機会に考えようと思考を切り替え椿の紹介で自己紹介を始めた。
「主神様!逸材を見つけて来たぞ」
「はぁ〜犬猫では無いのよ?もっときちんと紹介してくれる?既に分かっているだろうけど私がへファイストスファミリアの主神で、鍛冶を司るへファイストスよ」
「自己紹介は自分でさせて頂きます。俺は司波咲耶です——椿さんとは先程店内で知り合ったばかりですが、刀鍛冶歴は20年過ぎた程度の若輩者ですが、店舗に置いてあった刀に思う所があった所を彼女に見つかったと言うところです。俺自身ファミリアを探していたので渡りに船ですが、椿さんにファミリアへと誘拐…では無く誘われてと言うのが経緯です」
「はぁ〜所々気になる部分があるのだけれど、質問いいかしら?」
「ええ、答えられる範囲で良いのでしたら」
「まずは、ウチのファミリアで良いの?椿に強引に引っ張れれて来た様だし、不本意でわ無いのよね?」
「ええ——鍛冶の経験は刀類と薙刀に分銅と言う、偏った分野で良いのであれば俺は願ったりです」
「そう——刀鍛冶歴20年過ぎたと言っていたけれど、貴方…見た目と年齢が一致して無いわね。いったい何歳なのかしら?」
「——現在の(肉体)年齢は16歳ですが、鍛冶歴は20年以上「ちょっと待って頂戴!」何ですか?」
「え〜と——おかしいわよね?どう言う…まさか」
「俺は——異世界転生者で転移者ですから」
そこからの会話は地獄絵図だったと言える、椿が異世界転生と言う聞き覚えのない単語に興奮して脱線したり、神へファイストスの胃がキリキリなりながら今までの経緯を大まかな感じで説明した。
へファイストスは額に手を当て、椿は逸材をゲットした事にドヤ顔で主神に目を向けている。流石にこの世界が『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』と言う創作物だと言ってはいないし前世も創作物だと伝えなかった。
一通り話し終えると、神へファイストスは『毒を喰らわば皿まで』と呟き俺の入団を認めてくれた。俺の身の上が神と言う存在にとってパンドラの箱其の物だと言うのは分かっているし、へファイストス自身聞いてしまったが最後、
一応鍛冶師として、へファイストスの鍛冶場を使い一般的な鋼で鍛冶をして見せた。椎名咲耶の時には既に刀で重要な炭素量が科学的に研究され、多くの名刀がどう言った物質構成か分かっていた。
司波達也の持っている【精霊の眼】によって物質構造を理解した上で鍛錬を行い、柔らかい心鉄と硬い皮鉄を完璧に組み合わせる事で椎名時代より洗練された日本刀を完成させた。
CADを操作する事で、『魔法科高校の劣等生』の世界で使う魔法によって【加速・加重】【移動・振動】【収束・発散】【吸収・放出】四系統八種と呼ばれる、正と負を合わせて16に分類される力でかなり省略した刀鍛冶を行った。
神へファイストスからしても「ずるい」と言わしめる魔法に、椿から刀の歴史が遥かに上な技術に刀剣の歴史をせがまれた。へファイストスすら学ぶものが多いと言わしめた刀を極めた先祖へ俺は無意識に感謝し、この世界の鉱物を使ってこれ以上を成し得たら刀においては比率無いと言われた。
何より神からしても
サクヤ・シバ(司波咲耶)
Lv.1>>rank up
力:S999
耐:EX5743
器:SSS1332
俊:SS1186
魔:EX———
《魔法》
【未知魔法】
前世での魔法を魔法式を解す事で使用出来、固有魔法【分解】【再生】もこれらに含まれている。古式魔法もこれらに含まれている。
※知識に無いものは不可能
【】
【】
《スキル》
別次元への器として、微精霊を吸収した上活性化させた非物質を物質へと強制的に変換した調整体。魔法演算領域を拡張し、起動式(CADのストレージに当たる弾倉と同じ)を8つまで常時保存可能(CAD不介入)で即時魔法が放てる。
※【分解】【再生】は常時魔法演算領域に存在する為含まれない。
※魔法式の保存は恩恵更新の際に読み込みが必要
———error———
【異世界言語】
多種多様な言語を常用言語として強制理解をする上、魔法演算領域と同じく無意識下で文字や言語を使用する。
とんでもアビリティだったが、神へファイストス曰く耐久の数値が高いのは【再生】を繰り返しているが、器として俺の前世で言う
ランクアップも並行して行ったが、ランクアップ自体は魔法常識を壊した事が偉業なのか、歴史的な刀を打った事が偉業なのか判断出来ないと神へファイストスは言った。
俺のアビリティに関して当然箝口令を言い渡され、椿に至っては口外した場合鍛冶禁止1年と言われて青ざめていた——椿が鍛冶に関する内容で興奮すると、鍛冶関連で口が軽くなる事を見越した釘を刺して来たのだと直感で理解した。
その後俺に関してだが、鍛冶場やCAD関連のファミリアでもかなり秘匿性が高い内容から与えられた鍛冶場は、現在神へファイストスの社長室兼執務室兼鍛冶場と同フロアにあり、改装予定の中規模店舗裏にある倉庫を改装する事になった。
それらの特別扱いを妬むおそれがあったため、極一部の幹部と団長に主神だけが事実を知り、他の団員には鉱物研究室として建築すると伝える事になった。
店舗での改装(倉庫のみ即日着工)に必要な打ち合わせも済ませ、へファイストスファミリアのホームへと椿が案内してくれた。それと言うのも、オラリオの常識やファミリアの決まりを教わる上で、団長か主神以外情報開示が出来ない為に椿一択になった。
ホームは流石最大鍛冶ファミリアと言える大きさで、何故か幹部エリアにある椿の個人部屋の隣を指定(椿の独断)され、その時は気付きもせずに幹部エリアで椿の部屋(角部屋)の隣だけ飛ばして全て埋まっており、必然的にそこしか(幹部エリアには)無かった——この時は椿の隣が何故飛ばされているかなど、考えなかったのを俺はのちに後悔する事になるが、その時は以外と早かった…。
夕食を食堂で済ませる際に、自己紹介と椿の刀鍛冶ならへファイストス様のお墨付きと言う言葉によってかなり質問を受けた。鍛冶師が職人気質故なのか、食堂で団員が一堂に会すのはかなり希らしく今日は強制招集での俺の自己紹介が行われた。
自己紹介の時には、椿が神へファイストスと決めた極東のとある山奥に存在する(噂があるが未確認)村の出だと言ってくれたお陰なのだろうか、噂上は口伝のみで継承するとされる刀鍛冶の一族な為、村の正確な位置や細かい情報は秘匿事項だと言える様に設定した。
団員達がいつから鍛冶をしてるか聞いてくると——3歳からと言う設定にしており、かなりの年数の鍛冶経験を積んでいると言う話になっている。
椿曰く、極東でもその村は未だに見つかっておらず伝説の様な逸話がいくつも存在すると説明を受けている。夕食が終わって自室へと戻って数分、椿が突然部屋に入って来たのには驚いた…。
そう——椿の隣が空いていた訳は、後日他の幹部から同情と合わせて聞いた話で分かったにだが、幹部連中=とある分野の熟練鍛冶師と言う事なのだが、椿にとっては生きる自分以外の専門書の様な扱いらしく、連日連夜訪れて鬱陶しいのが原因で物理的に生き易い隣部屋だけは避けたからだ。
別の話になるが、これから4日後には神へファイストスに扉を最高錬成硬度の鉱物で扉を作り、CADに使用される起動式を保存するストレージと
詳しい事は省くが、魔石(想子格納庫)を電池にして感応石で電子的な信号に置き換えてストレージ内の起動式を読み取り、魔法石(簡易魔法演算領域)で事象を起こす事に成功した。
『ダンまち』世界の魔法は、前世の世界と違い魔法演算領域と言うブラックボックスを『詠唱』と呼ぶ摩訶不思議に依存していると予測していた——魔法石が魔法の補助足り得るのは、『詠唱』によって伝達不足を補うから威力上昇や魔力消費が軽減していたと考え、【精霊の眼】を駆使して解析と研究した。
結果としては扉前の人物を、光の収束を利用して室内へとホログラムとして写し出す事が出来た。オラリオに無い技術革新を俺はオラリオに来て数日で可能にした——因みに無一文の俺に鉱物を提供してくれる代わりに、100キロに及ぶ鉱石の不純物を分解する事で手を打ってもらった…。
1週間、オラリオに関する一般常識や俺と言うこの世界に存在しない人間のバックグラウンドを設定したりと、神に嘘がつける様に神へファイストスとも調整を済ませた。
実はこの1週間で起きた特別なイベント(イレギュラー)が存在するのだが、それはまた別の時に振り返ろう。
——初ダンジョン
自分で制作した刀を帯刀し、椿お墨付きで中層までは余裕と言う事で初ダンジョンへと赴いていた。体術や剣術に関しては九重師匠の人間離れした教えにより、レベル5の椿ですら俺を魔法無しで一瞬見失う身のこなしなのだ——俊歩と呼ばれる足運びに、殺害と言うものに忌避を覚えない前世が合わさり、ダンジョンへと訪れて30分しか経たずに8階層へと来ていた。
今のところ戦闘に魔法は一度も使用しておらず、移動の際に加重と加速のみ魔法を使った。
「ん?」
丁度俺が曲がり角で壁を足場にかなりの速度で通りすぎる際、金色がかなり目立つ俺と同じぐらいの年齢の女の子とすれ違った——現在はその女の子に絶賛襲われ中で、先程まで使わなかった俺自身を動かす移動と、風の抵抗を無くし利用する吸収と放出を使う起動式を最大速度で展開している。
最初はすれ違いざまで気付かなかったが、爆風と共に追い掛ける人物がロキファミリア 団員で、二つ名が【剣姫】と呼ばれる戦闘狂のアイズ・ヴェレンシュタインだと直ぐに分かった。
——結果
ダンジョン歴の差で、絶対記憶があろうと身体が覚えているアイズ・ヴァレンシュタインには敵わず、道順と言う致命的な差によって彼女に捕まってしまった。
因みに31階層で…。
「貴方…誰?」
この第一声は正直顔が引き攣ってしまう俺が悪い訳じゃ無い、アイズと言う女性が口下手なだけなのだろうが、追い掛け回された俺としては他に言う事は?そう思って仕方なかった。
「へファイストスファミリア所属の司波咲耶だ——因みに咲耶が名前で司波が苗字だ」
「私は、ロキファミリア——アイズ・ヴァレンシュタイン…です」
「そうか、何故俺を追い掛けた?」
「?……逃げるから?」
「逆じゃ無いか?急に追われて俺は逃げただけだ」
「ん?………移動が凄く速くて、重心がブレない足運び……だったから、気になって——追い掛けた」
マジで理不尽此処に極まりだな——アイズのアイズ検定が必要そうな会をを進めて行き、武術や剣術の正式な師匠がいない彼女にとって洗練された動きをする俺に興味があったらしい。即日模擬戦を懇願されてしまい、断りを入れようとするとこの世の終わりの様な顔をされてしまい主神が許すならと伝えた——結果、アイズはロキファミリアにロキを拉致した後、へファイストスファミリアへと力技(ランク差)と言う暴力で無理矢理連れて行かれたのだった。