ウマ娘 リトルダービー ~ウマ娘世界における、ちょっと異なる種の話~   作:zaq2

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誤字修正してます。


パドック

 8月も終わりになる最後の日曜日。

 競走ウマ娘たちのファン感謝祭のイベント会場として選ばれたTC競バ場。

 

 その感謝祭の日、最後を締めくくるイベントとして、また、新たな公式のレースという事もあり、観客の熱気は十分でもあった。

 

 

 パッドクでは、これから出走する予定のウマ娘が、その姿を現そうとしていた。

 

 

 

   *   *   *

 

《夏も終わりに近づいてきている日曜日の夜》

《ニュー・トゥインクルジャックポットが煌びやかに彩りを放つココ、TC競バ場》

夜間開催(トゥインクルレース)として本日、まさに国内初となるレースが開催されようとしています》

 

《今まで、世界では存在していたリトルクラスの競走ウマ娘たちのレース》

《日本ではリトルクラスのウマ娘たちが走る姿を見る機会はありませんでした》

《ですが本日、ついにその公式同等となるレースが開催される事となりました》

 

《初となるリトルクラスのレースの第一回目となるコースを紹介しましょう》

《TC競バ場、ダートコース、1000m、そして左回りコース》

《馬バ状態は、良》

 

《初ばかりが多い今回のレースです》

《その初となるリトルクラスのウマ娘たちを紹介していきましょう》

 

 

 

 

 

《1枠1番 サクラポニーオー》

《距離ハンデ模擬レースにおいても、一線を退いた競走ウマ娘に一着は譲りましたが》

《それに負けずとも劣らない粘りのある走りで2着につけています》

 

 

《2枠2番 ミスターチービー》

《距離ハンデ模擬レースにおいて、最後方からごぼう抜きで差し切って勝利という》

《まさに、シービー戦法を体現してれくる勝ち方をしています》

《今回も、シービー戦法が炸裂するのでしょうか!》

 

 

《3枠3番 メジロリャイアン》

《距離ハンデ模擬レースにおいても、後方から迫るロークライムから逃げ切って勝利》

《スピードは十分ともいえますが、初めての距離に対応できるのか》

 

 

《4枠4番 ホクトベガコ》

《距離ハンデにおいては、スピードは見るものがありますが、スタミナに不安もあります》

《今回、初めての1000mという事で、そのスタミナがどこまで持つのか不安が残ります》

 

 

《5枠5番 サンデーサイザンス》

《本場アメリカからの帰国子女。今回のリトルクラスの中でレース経験者であります》

《ハーフマイルで2戦1勝、クォーターマイルで2戦2勝という実績を引っ提げての登場》

《今回の1000mは、初めての距離となりそうですが、その実力はいかに!!》

 

 

《6枠6番 ナリタブラリアン》

《今回の本命ともいえるウマ娘。何と、模擬ハンデ戦、全て200m以上ハンデを持ちながら》

《2着3回、3着2回という好成績。実質、唯一の1000m級も走り切っており》

《その速さは、リトル級よりも、ジュニア級に匹敵するレベルといえます》

《おっと!懐から長い草?みたいな物を取り出し・・・口にくわえた!》

 

 

《い、以上、6名による、1000mダートレースとなります》

 

 

 

   *   *   *

 

「サイザンス!!いつ戻ってたのさ!」

 

 控室にて、ドアを開けたら、いつものメンバーがなだれ込んできては、ネイチャンが代弁するかのように聞いてきた。

 

 

「えーっと、昨日の昼には帰ってきてたけどね」

「出走するなんて、聞いてないんだけど?」

「というか、本場のレースに出てたって本当か?どうなんだ?やっぱりすげーのか!」

「ずるいぞ~本物のレースやってるなんて~」

「ちょっと待って!待ってって!!急にそんなに言われても」

 

 

 あちこちから、質問攻めを食らっては、どこから返そうかと困っていると

 

「みんな落ち着きなよ、サイザンスが困ってるよ?」

「そうそう、そういうのは、ひとつづつ聞いていかないとね」

「ほら、サイザンス。みんなに言う事があるんだろ?」

 

 リャイアンとポニーオーがたしなめてくれつつも、フクショウグンがきっかけを作ってくれた。

 

「えーっと、ただいま。それと・・・その、アメリカでレースに出る事黙ってごめんなさい」

 

 

 そうして、深々と頭を下げると・・・

 

 

「えっ?なんで謝んだ?」

「さぁ?」

「察しなさいよ。あんたたちは・・・」

「あーまー、うん、たぶん気にしてない、というか、気にもしてないが正しいかな?うん」

「そんな余裕がありませんでしたわ」

「そんな余裕があるように思えませんわ」

「えっ?」

 

 

「ずーっと、レースとトレーニングばかりだったから、考える余裕なかったからね」

「そうそう。リャイアンとこの主治医さんが来て健康診断とかで悶着あったもんね」

「げっ、あの人苦手だ」

「ブラリアン、ずっ~と注射から逃げてたもんね~」

「いや、にげてねーし!!」

「というか、その草って何なの?突然とりだして咥えるとか」

「これか?師匠から貰ったゲン担ぎの代物だぜ!カッコいいだろ?」

「おぉ!カッコイイ!!」

「だろ?」

 

 

 いつものバカな会話で、いつものみんなのバカ騒ぎ。

 何か、自分がここまで悩んでいたのが、何だったんだと。

 

 

「だから言っただろう。そういう仲間だと」

「うん・・・うん・・・」

 

「ところで、いつ帰ってきたの?連絡してくれたらよかったのに」

「昨日の昼頃に帰ってきたところ、連絡するよりも準備で忙しかったから」

「というか、フクショウグン知ってたの?なんか、そういう素振りなんだけど」

「まぁ、サイザンスから直接話は聞いてたからな。あと、ポニーオーとリャイアンは、主催者側だからと。事情は聞かされてもいたらしいけどな」

 

「げっ、あんたたち3人知ってたの?言ってくれればよかったのに。ひどくない?」

「こればっかりは、サプライズ的な要素って奴だからね、言えなかったんだよ」

「そうそう」

 

 

「ところで、みんな出走じゃなかったんだね」

「枠数は決まってたから、だれが出るかをもめるかと思ったんだが・・・」

「リャイアンとポニーオーは、主催者側の意向があるから忖度決定だよ。まぢで」

「はっきり言うね」

「まぁ、実際そうだから仕方ないさ」

「ブラリアンは、圧倒的な速さを持ってたからという事で決定」

「だろ?さらに速くなったんだぜ?」

「はいはい、わかりましたからー。それで、あとはくじ引きで・・・」

「くじ引きであたりましたわ」

「くじ引きではずれましたわ」

「ハズレだった~」

「実際は、私が当たったんだがな。チービーに譲った」

「譲られたからには、あんたには負けないからね!」

「おうよ!望むところだ!!チビ!!」

「また!チビじゃないって言ってるでしょ!!」

 

 

 結局、いつもの喧嘩になりそうな二人を、フクショウグンとリャイアンがなだめに入ったころ「そろそろ出走の準備をしてください」と、係員さんが呼びに来た。

 

 

「こちらは、観客席から応援しているから頑張ってきてくれ」

「おうよ!」

「じゃ、いこっか」

「いってらっしゃーい」

 

 

 

 係員の後、地下バ道をコースに向かって歩き出す。

 それぞれが、何も口にしない。何も喋らない。

 けれど、何となく意思は分る。

 さっきまでは仲間だったけれど、この先はそうじゃない。

 

 

 ここからは、お互いがライバル同士。

 

 

 それを肌で感じながら星空が見える日が落ちたコースへと出たとき、レース場の風を強く感じた。

 

 




ちょこちょこ追記

※元ネタはありますが、いじってます。


※TC競バ場
愛称 TCK(大◎競馬場)にしてます。

※TC競バ場 ダート 1000m 左回り
これでピンと来た人、競馬を知ってる人です。

たぶん、大◎は右回りだろ!のはず。一応正解。ただし半分だけ。
実は、2021年の秋から、左回りコースのレースが開催されます。
その為、現状、世界唯一の両回りコースがある競馬場となります。

ここにしたのは、ちょっとだけ宣伝かねてみたかったっていうのもあります
(追記)というか、ウマ娘関係のコスプレイベントやってたりしてましたね



※ブラリアンの口にくわえる草?
ブッピガァン! は置いといて。ぶっちゃけシングレの髪飾り装着のオマージュ



※勝負服
出走ウマ娘、サイザンス以外、何とかなりそうなんですよね。
サクラは、チヨノオーや、バクシンオーなどもいますし、
リャイアンはメジロ関連で。
(追記)あ、ベガコどうすんだか忘れてた(ぉぃ



感想返せれるところを
・開催地;ウマ娘イベントもやってたりするあの競馬場です。
 あそこ、色々と色物もやってるような・・・
・夜間開催なので、門限で出られません。助かったネ!(誰が?
・下書きというか、ネタ帳に残骸があったりしました。
 一新で書き直すときに追加しますかね…
 恥ずかしながらこの作品、書きなぐり状態の代物なので。
・サポカ、集まらないよね…サポカを育てるのも苦労です
 育成用の資金もきついけど。
・バクシン教に入信ダダダダ(バクシンオーをスピードのみ特化の逃げ特化)
 冗談抜きで、これでURAファイナル取れたのが、えぇ・・・な印象でしたが。
 今は、ようやく色々と行けるようになりましたが 
・ちっこいブラリアンみました。あんな感じで想像してたのと同じですね。
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