ウマ娘 リトルダービー ~ウマ娘世界における、ちょっと異なる種の話~   作:zaq2

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本編ではなく、思いつきの短編みたいなものになります。
なので続きません。


小話(ホクト姉妹の憂鬱)

○ホクト姉妹の憂鬱

 

「勝てませんわ……」

「勝てませんわね……」

 

 

 週明けの月曜日の放課後、何時もみたいにファーストフード店にみんなが集まっては、その中でホクト姉妹がいつも以上に落ち込んだ状態で机につっぷしていた。

 

 あれから、幾つかの競走を行っていたりするけれど、そのどれもにホクト姉妹は勝ったためしはなかった。

 

 そもそも、どのレースでも、最後の最後にはスタミナが切れて、ヘロヘロになりながらゴール板を超えたあたりで倒れ込む始末だった。

 

 

「どーしたん?」

「「……」」

 

 そんな二人に声をかけるブラリアンを恨めしそうに見つめるホクト姉妹。

 

 

「いや、そこでお前が聞くのか?」

「だよね」

「うんうん」

「???」

 

 

 うん、その主な元凶となっているブラリアンが声をかけている事は、ちょっとまずくないかな?とは思ったりする。

 

 なにしろ、ハンデがない競走では、ブラリアンは常勝という状態である。

 泥をつけたのは、ハンデがある競走だけで、本当に、競走という観点だけ見てみれば、スゴイ才能だと思う。

 

 ただ、その後のウィニングライブに成長の兆しが、未だに見え無いという欠点があるけど……

 

 そんなブラリアンを他所に、他のメンバーは対処方法を講じていく。

 

 

「そういうけど、あたしなんて、良くて2位どまりなんですけど?」

「やっぱり、二人ともにスタミナが足りてないんじゃないかな」

「なら、プールか。または、チービーもやってる坂路となるか?」

「坂路~あれ、疲れるからやだなぁ~」

「っていうか、チービーも良くやってるよね坂路」

「そう?疲れるけど、結構いい感じになれるわよ?」

 

 

 わいのわいのと、煮詰まっていく小さな会議場。

 そんな中、ズズズズーと特製はちみーシェイクを飲み干したブラリアンが

 

 

「ていうか、ホクト姉妹ってオレらと同じじゃなく、短い方がよくね?100mとか1Fとかさ」

「……!」

「……!?」

「だってさ、スピード"だけ"なら、負けてないと思うし」

 

 

 と、サラリとすごい的確な意見が飛び出しては、周りのみんなをポカーンという表情をさせていた。

 

 確かに、ボクもホクト姉妹は短距離走においては、ゲート訓練とスタートダッシュさえ身につければ、良い結果が出るんじゃないかな?とは思った事があるけれど……

 

 本当にこのブラリアンは、競走に関してはどこかしらの天性の感覚というか才能というか、それが天然に出てくるところがあるからとても厄介である。

 

 

「そ、そうですわ……みんなと同じでなくても良いんですわ……」

「ええ、ええ、同じになる必要はなかったんですわ……」

「「先に帰りますわ!!」」

 

 

 そう言ったホクト姉妹は、何か希望を見出したという恰好で店を出ていった。

 

 

「なんだったんだ?あいつら」

「アドバイスしてたって事、意識してなかったの?」

「???」

「あー、無意識だわコイツ」

 

 

 

 うん、何も考えていない、いつものブラリアンだった。

 

 

 

   *   *   *

 

 

 その後、ホクト姉妹は、1F未満においてブラリアンに、"たまに"苦汁をなめさせられる存在になっていった。

 

 

「どうです?ワタシたちの実力は」

「距離が合えば、こういうものですわ」

「くっそー!!次は負けねぇ!」

 

 

「いや、すっごい僅差のハナ差だった結果なんだけど……」

「勝ちは勝ちですわ!」

「そう、勝ちは勝ちですわ!」

「ちくしょー!覚えてろよ!!」

 

 

 




なお、ホクト姉妹のウィニングライヴは、とても優雅だった。
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