とある何でも屋の物語   作:√2 √3

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一応処女作なんで色々問題点ありますが。


第一話 誘拐事件編 1

4月某日、東京、とあるビル

 

 二人の男が会話していた。

「ああ、依頼の内容は分かった。」

 と白髪に黒コートの男。

「そうかそうか、話が早くて助かるよ。」

 と黒のスーツを着た男。

「で、報酬は?」

「ハッハッハ、お前やっぱ金好きだよなあ。いっつも金を大事にしやがって。」

「ハハ、そりゃそうさ。俺は依頼の為に命をかけてやってるんだぞ?金ぐらい大切にするよ。」

「おい白、お前はそうそう死なんだろう。そんな力持ってるお前が死ぬ所なんて想像できんしな。で、報酬の話だったな。」

「ああそうだ。向こうはなんて言ってる?」

「そうだな、『500万からどうだ』との事だ。」

「へえ、なるほど、分かった。」

「おっ、この依頼受けるか?」

「ああ、受けさせてもらうよ。向こうにもそう伝えといてくれ。」

「ああ分かった。仲介手数料は報酬から引いておくからな。ま、お前は常連だからな、多少は引いといてやるさ。」

「ああ、分かったありがとう。」

 

 そう言って男と青年は話を終え、青年はビルから出ていった。

 

 

 ○○○

 

 

 この世界では『能力』という物がある。世界中の人が基本誰でも持っている。つまり基本誰でも『能力者』である。「基本」というのはごく稀に持っていない物もいるからである。が、相当なレアケースだ………疲れたわこの喋り方。

 まあ『能力』ってのがあるんだよ。ところでみんなは『能力』と聞いてどんなことを思い浮かべるかな?火を出したり、風を吹かせたり、はたまたサイコキネシスとか?まあそんな感じのイメージでだいたいあってる。そういう超『能力』的な物さ。『能力』だけにね。あははー………僕何言ってるんだろ。

 で、そんな『能力』なんて物があったらさ、当然増えるものがあるんだよね。

 え?何かって?ふふふ、よくぞ聞いてくれたね。

 そりゃもちろん犯罪だ。まあそりゃそうだよね。そんな『能力』なんて有ったらみんなやっちゃうよねー、犯罪。

 まあ『能力』を用いた犯罪事件は当然大量に起きている。

 が、そんなに多くあれば当然国や政府としても対処しない訳にはいかない。そりゃそうだ。だってほっといたら国崩壊するもん。

 そんなわけで国は『能力』を使った犯罪を取り締まる組織をいくつか設立した。その中でも最もメジャーで、かつ最大規模な組織を教えてあげよう。『国営警邏部隊』、通称『国警』だ。

 この『国警』は……まあ詳しいことは彼の話で出てくるだろう。今言ったようなことをしている組織だと思っていてくれればいいさ。

 おっと、彼が誰のことかを言ってなかったね。

 さっきの会話あったじゃん?その中で白髪黒コートの子。「白」って呼ばれてた子ね。彼が僕の言う彼さ。彼はどうやら「何でも屋」を生業としているらしい。面白そうだよねぇ。

 さて、僕の話があんまり長くなってもアレだ。うん、良くない。そろそろ終わらせてもらおう。

 これから僕たちが見るのは彼の日常だ。この『能力』というものがある世界で、彼がどう生きていくのか、彼がどんな事件に巻き込まれ、どんな運命を辿っていくのか。面白いか面白くないかは彼次第だけど……見ていくとしよう。

 ん?僕は誰かって?今は…まだいいだろう。まあでも彼の日常を見ていたら、その内僕は彼と会うんじゃないかなあ。てか僕が会いたい。

 

 

 ○○○

 

 

 4月某日、東京、新宿

 

「さて、行くか」

 

 白髪黒コートの男、何でも屋の「白」は新宿駅に向かっていた。

 今回彼が受けた依頼は「裏組織の壊滅」だ。先程の黒スーツの仲介役の話によるとこの組織は主に誘拐などをやっているらしい。最近関東地方を中心に「女子学生連続誘拐事件」なる物が起きているのだが……どうやらそれの黒幕なようだった。

 つまり、彼は今からその組織をボコしに行こうって話だ。

 なぜ彼が駅に向かっているかと言うと件の組織の本拠地が少し離れた場所にあるからだ。一応東京都内だけど駅から電車でGOである。

 今回の依頼を受けた彼がまず思ったことはまあまあ楽だな、である。今回の依頼の場合、組織を潰しに行くとだけ聞くと大事に聞こえるが割と小さめの組織だった。それにこの組織の情報等は依頼主が事前に調べあげていた。なんでも依頼主はこの国の上流階級、「貴族」の一人であり、であり一人娘が例の誘拐事件に遭ったらしい。

 報酬金についてはさすが貴族と言うべきだと彼は思っていた。自分で情報を調べあげているだけで珍しいのに、更に500万なんて普通は払わない。普通はもっと安いはずだと考えていた。きっと金銭感覚ガバガバなんだろうなぁ。貴族だし。思わずそんな考えが彼の頭をよぎった。

 そうこう考えている間に電車が来た。彼は電車に乗り込んでいった。

 

 

 ○○○

 

 俺はあるビルの前に立っていた。

 依頼主曰くここが目的の組織の本拠地らしい。

 ………いやこれただのビルじゃん。

 ビルを見て真っ先にでた感想はそれだった。

 些か緊張感が少ない気がするが、実際ここにあるのは何の変哲もない、至って普通のビルだった。

 本当にこんなところにいるのか?と思わず考えてしまう。

 まあでもよく考えてみれば普通のビルの方が周りに擬態できて案外バレないのかもしれない。まあもうバレてるわけだけど。

 傍から見たら普通の建物なのに組織の本拠地だと割り出すとかやはり貴族は恐ろしい。しかも組織の情報とかめっちゃ詳しくずらーっと書いてあったし。どうなってんだよ情報網。

 まあ入口前で立ち往生していて中の組織の連中に「なんだアイツ不審者いるよ通報しよ」とか思われても嫌だからな。ちゃっちゃと入ってサクッと終わらせてしまおう。

 というわけで俺はビルの中に入る。もちろん玄関からである。いや組織といえどこの組織弱そうだし?まあ考え無しに正面突破してもいけるだろう。ちなみに俺はフラグは立てない主義である。それに立てたとしてもグチャグチャに折っていくスタイルである。きちんとフルボッコにするので安心して欲しい。

 

 

 ○○○

 

 

 入ってからしばらく進んだところ、廊下の曲がり角あたりで俺は足を止めた。

 ……だれかの気配がする。

 恐らくここを曲がった先に居るな。気配から察するに3人、そんなに強くはない。見張り役ってところだろう。だが能力が分からない以上は何があるか分からない。考えて動いた方が良さそうだな。

 ………やっぱ突撃するか。

 別に考えるのが面倒くさくなったわけじゃないからな。こっちの方が早いよねっていうだけだ。決して面倒くさい訳じゃないぞ。

 だがさっき言ったように何があるかは分からない。対応されない速度でいこう。

 俺は曲がり角から飛び出す。

 

「よぉ、少し聞きたいことがあるんだがちょっといいか?」

 

 ……見張り役、もし下っ端だとしても少なからず情報を持っているだろう。依頼主が寄越してきた情報は詳しかったが組織についてだけである。内部の事までは載っていなかった。内部の情報は内部の奴らに聞けばいいだろう。そう思っていた時にちょうど出会ったんだ。これはもうやっていいよって言っているようなものだろう。よし遠慮なくやっちゃおう。

 

「お前らが誘拐事件の黒幕で間違いないな?」

「あ?なんだてめえ」

 

 俺が一応確認すると、3人組の1番右の男が睨んでくる。こいつは1番右だし見張り役Aと呼ぼう。ついでに隣の奴らはBとCだ。てか人相悪すぎだろこいつら。うん多分そうだな。こいつら例の組織だわ。だって顔も気配も悪役のそれだもん。

 

「確かにそうだがここはお前みてえなガキの来る場所じゃねえよ」

「あーいや、俺はお前ら組織を潰すように頼まれたもんでな。そうかじゃあお前らで合ってるんだな。」

「おいさっさとどっか行かねえところ…」

 

 ズド

 

「ゴフッ!?」

 

 俺の振った拳がAの腹にクリーンヒットする。結構いい音がした。うっわ痛そー。Aはすっかり床に蹲ってしまった。

 

「何しやがんだテメェ!」

「殺す!」

 

 それを見て激昂したBとCが俺に襲いかかろうとしてきた瞬間

 

 ズドッズドッ

 

 Aの時と同じようにBとCの腹に拳がめり込んだ。

 

「ゲフッ」

「ガハッ」

「お前ら、聞きたいことがあるんだけどちょっと答えてくれる?」

 

 俺はもう一度そう聞いた。すると見張り役達は

 

「コクコクコク」

 

 という感じで頷いた。さっきの腹パンが余程応えたのか、まあすぐに大人しくなってくれて嬉しい。

 

「お前らの組織の数と配置を言え。それと誘拐された奴らはどこにいる。」

「あ、えっと…」

「さっさと答えろ。」

「は、はい!」

 

 俺が少し睨むと見張り役はすぐに答えてくれた。いやあ優しいなあ。

 

「そ、組織の人数は20人、配置は詳しくは教えられていません!誘拐した奴らは最上階にいるはずです!」

「それだけか?」

「ひっ!?そ、それだけです!本当にそれだけです!」

「そっかそっか。分かった。」

 

 ゴス、ゴス、ゴス

 

 俺は答えてくれたA、B、Cに対して笑みを浮かべるとそのまま腹を蹴って気絶させた。弱めにしたから死んではいないはずだ。たぶん。まあそのまま放っておいて連絡でもされたら厄介だもんな。

 いや、もう既に勘づかれている可能性も無きにしも非ずだ。

 

「少し急ぐか。」

 

 目指すは最上階、俺は少し急ぐことにした。

 




読んでいただきありがとうございました。
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