ひぐらしのなく頃に~ただひたすら圭一と魅音がイチャイチャするだけ編~   作:Java-Lan

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第12話_5日目(月)B「超難易度」

[5日目(月):レストラン「エンジェルモート」:夕:前原圭一]

 

家に帰ると、親父からエンジェルモートへと行こうと誘われた。

どうやら今夜は、お袋がいないらしい。

特に拒否する理由も無かったので、そのまま親父の車に乗り込みエンジェルモートへと向かう。

 

そういえば、エンジェルモートでは詩音がアルバイトをしていたはずだが

今日は会えるだろうか?

 

エンジェルモートに入り、俺を待っていたのは…

甲子園ピッチャーで、俺の魂の盟友亀田くんだった。

 

「ケェエエエイ!話は聞きましたよッ!

 恋人どころか、結婚したって話じゃないですか!どういうことっすか!」

 

いや、どういうことも何も…

そういうことなんだ亀田くん。

 

あと声が大きい。

怒られるぞ。

 

「そんな、俺達…同じジャンボパフェをつっつきあった仲じゃなかったんですか!

 ある意味、義兄弟以上の仲…それなのに、俺を置いて行くだなんて…あんまりっすよ!」

 

なんか、その言い方だと

俺が亀田くんを捨てて、他の女に走ったみたいだぞ…

 

なんか、周囲の客も変な視線を送っているし、

勘弁してくれ。

 

「そうですよ前原さん!」

「僕たちもずるいと思います!」

 

おぉ、物陰から立ち上がったのは、

同じ雛見沢分校にいるのにもかかわらず、

今まで出番が一切なかった、富田くんと岡村くん!

 

「雑な紹介ありがとうございます!」

「でも、そんなことはどうでもいいんです!

 前原さんが、魅音さんとラブラブしている姿を見て、

 僕たちはどれだけ心を掻きむしられているかわかりますか!」

 

いや、確かに今日の魅音は大概だったが、

それに因縁をつけられるいわれは無いぞ!

 

俺は、富田くんと岡村くんの二人を肩をがっしりと掴む。

 

「良いか。富田くん、岡村くん。

 君達の気持ちは同じ男としても非常によくわかる。

 

 しかしだ、これは『告白』という超難易度イベントを克服した者にのみ

 与えられる祝福なんだ!もし、君達もラブラブしたいというのなら

 恐れずに、梨花ちゃんと、沙都子に告白するべきだと俺は思うぞ!」

 

そう、

富田くんは沙都子萌え!

岡村くんは梨花ちゃん萌え!

 

成功しても、誰も傷つくことは無い!

レナが一人残ってしまう事だけは気がかりだが。

その時はその時で考えよう。

 

だが、二人視線を落とす。

 

「うぅ、そんなの、沙都子ちゃんに

 声をかけてもトラップにハマって撃沈されるだけです」

 

富田くんは泣いた。泣いていた。

 

「無理です。無理なんですよ…梨花ちゃんは難攻不落…

 数々の男の子が笑顔で撃沈されたんですよ…」

 

そして、岡村くんも泣いていた。

 

この世にはどうにもならないことが数多く存在する。

二人は己の力の無さに泣いていた…

 

「そんな沙都子ちゃん梨花ちゃんを落せたのは唯一、圭一さんのみです!」

「僕たちには無理なんですよ!」

 

ハッ?いつ俺が沙都子と梨花ちゃんを口説いた。

全然記憶にないぞ、そんなこと!

 

「ケェエエエエエイ!なんなんですか、アンタ!

 次々女を口説き落しているんですか!アレですか!ジゴロですか!

 女殺しの圭一なんですか!俺にも、俺にも、女の子を紹介して下さいよ!!」

 

「お、落ち着け亀田くん…!いや、口説きも何も、亀田くんは甲子園ピッチャーなんだから、

 女の子にはモテモテ、皆からキャーキャーじゃぁないのか!?」

 

常識的に考えて、プロのスカウトに大注目されている亀田くんがモテない方がおかしいだろう。

むしろ、とっかえひっかえしててもおかしくない気がするが…

 

「…は?K、何を夢見てんすか?」

 

なんか素で返されたぞ。

 

「野球部なんて、朝から晩まで泥まみれで練習して、残った時間は勉強に没頭する!

 家に帰ったら寝るだけで、遊ぶ時間も、女の子に声をかける時間もないんですよ!?

 美人マネージャーに、タオル貰ってキャプテン♥そんな場面なんてねぇよ!

 現実は漫画じゃないんですよ、ケエエエエエイ!!!!!」

 

なんだ、この魂の叫びは…!?

これが恋人がいない野球部員の魂の咆哮なのか…!

 

亀田くんの必死の叫び声が店内に木霊する。

いや、ここまで大声だと営業妨害だぞ。

 

「あの、すいません。他のお客様にご迷惑となっておりますので、

 静かにしては頂けませんでしょうか?」

 

ほら、怒られた。

 

って脇から来たのは詩音か。

エンジェルモートの際どい衣装が良く似合っているぜ。

そうだ。詩音には彼氏って、確かいなかったよな?

 

「詩音は、どうだ。亀田くんの彼女…?」

「はぁ?」

 

うっ、詩音の目を見て俺はたじろく。

 

その瞳は雄弁に「殺すぞお前?」と語っていた。

だが、亀田くんは気が付いていない!

 

「詩音さん、お願いします!お、俺の彼女になってください!」

 

「あ、あのぉ、申し訳ないんですが。

 ちょっと、甲子園のピッチャーの亀田さんに、私は不釣り合いと言いますか、

 力不足と言いますが…きっと、もっと素晴らしい女性が見つかると思いますよ?」

 

亀田くんの必死の願いは、

詩音に、一蹴された。

 

ガーンという効果音が文字で見えるぐらいにショックをうけているのがよくわかる。

声をかけようとしたが、半分放心状態の亀田くんは、声をかけるのもはばかられた。

 

だが一応謝っておこう。

「なんか…その…すまん!亀田くん!」

「…ふ、ふふふ…いいんです。わかっているんです…Kと俺じゃ、住む世界が違うってことは…

 あんたは結局ケーキより、現実の女を選ぶ…そんな男なんですよ…」

 

その言葉に、ショックを受けた。

自分でも信じられんほどショックを受けた。

 

亀田くんは確かに俺と魂の波長があうレベルの仲だった。

朋友(ぼうゆう)とさえ言ってよいだろう。

 

そうでなければ、ジャンボパフェを男二人でつっつきあうわけが無い!

 

しかし、そう、しかしだ…!

魅音と、ジャンボパフェ、どちらをとるかと言われたら

俺は魅音をとるしかない!間違いなく!確実に!なんの躊躇もなく!

 

友情を取るか?彼女を取るか?

この究極の問題に、俺は明確に答えを出してしまった。

 

あぁ、すまん…亀田くん…俺にとっては…

魅音は何よりも優先するものなのだ…!ジャンボパフェよりも!

 

でもな、亀田くん、忘れないでくれ。

二次元少女を愛する資格があるのは、リアル少女を愛する者だけだということを…

少女に見立てたジャンポパフェをめでる資格のあるものは、リアル少女を尊重できる者だけであるということを…

 

トボトボと店を出て行く、亀田くん。

その後姿には哀愁が漂っていた。

 

ぐぃ…

 

って、襟首を噛むのは誰だ?

詩音か?笑顔なのに、もの凄い怒りの炎が見えているぞ…

 

「いや、圭ちゃん。なに余計な事してやがってくれてんですか?

 私は、沙都子のねーねーとして忙しいんです。今度男なんぞあてがおうとしたら

 四肢を斬り落として、箱詰めに入れて、お姉の元に送りますからね?」

 

お、おいおい怖いぞ詩音。

 

「大丈夫ですよ。お姉なら、箱詰めになった圭ちゃんを

 ちゃんと、お世話してくれるはずですから」

 

いやいやいや…

 

「むしろ、圭ちゃんを独占できるって、喜ぶんじゃないですかね?お姉?」

 

勘弁してくれ。

俺が悪かった。許してくれ!詩音!

 

「ま、これぐらいでいいかな?

 ところで、今日のお姉は、何かありましたか」

 

ふぅ~ようやく解放されたぜ。

ところで、今日の魅音?あぁ…

 

「なんか…すっごく、攻められたぜ」

「責められたって、何か圭ちゃん、悪い事でもしたんですか?」

「いや、責め、じゃなくて、攻め…あぁ、言葉じゃ伝わりにくいぜ…!」

 

仕方が無いので具体的に説明するか。

今日、魅音に体を擦りつけられたり、胸を押し付けられた事を話す。

 

最初は笑いながら聞いていた魅音は、途中から表情が変わり、

最後の方は困り顏になっていた。

 

「あの、圭ちゃん…

 お姉って怖がりだから、あまりやりすぎても怒鳴ったりとかしないでくださいね」

 

「いや、怒鳴りはしないけど…怖がり…?

 繊細ってことか?」

 

「要するにヘタレなんです」

 

ヘタレって…

随分バッサリだな…

 

「圭ちゃんに、そういうことをするのって、

 セクシャル・アピールでも何でもなくて、ただ甘えているだけなんです。

 もう自分が、圭ちゃんに嫌われないって確信しているからできるんですよ。

 私、お姉のそういうところが本当に…」

 

「…詩音?」口調が少しづつ荒くなり、感情的になってきたので、

思わず声をかけてしまった。

 

詩音も気が付いたんだろう。

目が覚めたような顔をすると、ニッコリ笑って親父のいる席の方に手を向けた。

 

「アハハハ、まぁ、お姉はじゃれているだけなので、

 あまり本気で怒らないで下さいって事で☆

 …それじゃ、お客様。席について下さい。邪魔ですから」

 

詩音に足されて、というか乱暴に突かれて、

親父のいる席に座らされた。

 

ウェイトレスとは思えない粗暴さだぜ。

そのくせ、親父には丁寧にあいさつしている。

畜生、詩音の奴め…!

 

親父はというと、一部始終を見て楽しかったようでご満悦だ。

 

「ハハハ、圭一。詩音ちゃんにこってりしぼられたみたいだな」

「全く、あんなのが、俺の妹になるってんだから世も末だぜ」

「まぁ、そういうな。良い子じゃないか。

 それに年上の妹なんて、欲しいと思ってもできるもんじゃないぞ?」

 

甘い!親父は詩音の本当の顔を知らないからそういえるんだ!

何が年上の妹だ!詩音は、鬼だ!悪魔だ!詩音だ!

 

「はい、お父様に、圭一お兄ぃ。

 決まりましたら、呼んで下さいね♥」

 

詩音は、わざとらしい笑顔を俺と親父に向けると

席を離れていきやがった。

 

くそ、いつかへこませてやるぜ。

 

「しかし、圭一が、雛見沢に来てこんなに元気になるだなんて父さんも考えて無かったよ」

「それについては感謝しているよ父さん。

 俺も、こんなに楽しい日々を過ごせるとは思わなかったぜ」

 

それは本心だ。

さすがに結婚するとまでは思ってもみなかったけど、親父につられれてきて、過ごしたこの数週間は、今まで生きてきた人生のその全てに匹敵するほど輝いていた。

 

「お前に、何かを伝えられるのも、あと数年かな」

「父さん…」

「だから、お前にはきっちりと話しておきたいことがある」

「なんだよ父さん。あらたまって」

「制服学についてだ」

 

…はい?

 

「この店の制服はいかに素晴らしいかは前にも話したと思うが…」

 

いやいや、親父、アンタ、何言ってんだ?

今、ちょっと、親父のこと尊敬していたんだぞ?

それを一瞬で崩すのか?

 

というか、なんか、いかに制服とはすばらしいものかと長々と話はじめたぞ。

どうするんだこれ。息子として聞かなきゃいけないのか?

 

「いや、前原さん!その論にあえて口を挟ませてもらいましょう!」

 

誰だ!?か、監督…イリー!?

 

「ほう、これは入江先生。私と語り合いたいと?」

「えぇ、貴方の論は素晴らしいが完璧ではありません。

 このイリー…貴方と魂をかけて語り合おうではありませんか…」

 

止めてくれ…

そして俺を巻き込まないでくれ。

 

だが、俺の願いもむなしく、

この二人の口論は実に二時間三十分にも及び、

 

客足に影響が出ると判断された店長と、スタッフにより、

ガムテープに巻かれて、店舗から放逐されることになった。




トピック: [ 魂の盟友・亀田くん ]
※トピックでは「ひぐらしのなく頃に」のネタバレが含まれます※

前原圭一の説得により、己の本性と向き合えることができた甲子園ピッチャーの亀田くん。
オリジナル同人版でも「ジャンボパフェを一緒につっついた仲」と語っていましたが、「ひぐらしのなく頃に奉」の「皆殺し編」では、より明確に「同じジャンボパフェをつっついた仲」「義兄弟以上の仲」「フェスタに二人で食べに行きましょう」とまで語っています。

それについて前原圭一は特に反論しなかったことから、亀田くんの妄想では無く、おそらく本当に二人でフェスタでジャンボパフェをつっつくほど仲が良いと思われます。

ちなみに彼女がいるか否かは原作では書かれてはいません。
彼女がいればフェスタに連れていかないとも思えないので、おそらくいないのではないのでしょうか?
(もちろん、己の変態性をパートナーに見せたくないから連れて行かない可能性もありますが)

トピック: [ 沙都子ちゃん梨花ちゃんを落せたのは唯一、圭一さんのみ ]
※トピックでは「ひぐらしのなく頃に」のネタバレが含まれます※

「ひぐらしのなく頃に大賞」 の「方條ゆとり賞」に選ばれたこの短編「女こまし編」の逸話より。この話によると、特に梨花ちゃんは難攻不落と言われ、次々と男子を玉砕させたと言われています。

そんな彼女達も入江京介の作った「惚れられ薬」を飲み、口先能力をブーストされた前原圭一に難なく口説き落とされていました。なお、服用中の記憶は一切なくなるらしく、口説きおとした事を前原圭一は何も覚えてはいません。


トピック: [ 親父の制服学 ]
※トピックでは「ひぐらしのなく頃に」のネタバレが含まれます※

オリジナル同人版とアニメには存在せず、コンシュマー版「ひぐらしのなく頃に奉」の「共通ルート」に存在する逸話です。前原圭一と父親が初めてエンジェルモートにきたときに、父親が制服論を語り、それに入江京介が反応するという話です。
なお、この時点では入江京介はモブキャラの一種として登場するために、前原圭一の記憶にはほとんど残っておりません。
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