ひぐらしのなく頃に~ただひたすら圭一と魅音がイチャイチャするだけ編~   作:Java-Lan

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第25話_9日目(金)D「腕の中の宝石」

[9日目(金):雛見沢分校:放課後:前原圭一]

俺達は体中についたチョークの粉を落すために、グラウンドの水洗い場に集まっていた。

全員が同時に洗えるほど大きくは無いので、女性陣を先にして俺は最後の最後で水洗い場で洗う事にする。

 

頭にかかったチョークの汚れをとるために、蛇口をひねり水を頭にぶっかける。

六月とは思えない暑さも手伝って、頭にかかる水が心地良い。

 

「んじゃさ!罰ゲームいってみようか!」

 

背後から、魅音の声が聞こえるのと同時に

詩音の慌てふためく声も聞こえてきた。

 

「ちょ、お姉!下着姿でなにやってんですか!?圭ちゃんがいるんですよ!」

「え?あははは、大丈夫だよ。それに詩音だって、前に圭ちゃんを誘惑しろとか言ってたじゃん」

「お姉のそれは誘惑じゃなくて、ただのズボラです!女の子であることやめないで下さい!」

「そんなことないよ!誘惑されているって!圭ちゃん、おじさんの事好きだから!ねー圭ちゃん!」

 

「お、おう…」と振り返ることもできずに答えたが、

この状況で、これ以上、どう返事をしろっていうんだ?

後ろの状況が確認できないが、もの凄い視線を感じるぞ?

 

「ほら、圭ちゃん。おじさんに魅了されたって言ってる!」

「…あれはお姉に呆れての返事でしょ、全く」

 

「私も別に圭一さんに見られても問題はありませんわよ?」

「圭一は、沙都子のにーにーなので、恥ずかしく無いのです☆にぱー」

「ちょ…なに、恥ずかしい事をおっしゃるんですの!?」

「裸を見られるより、にーにーと呼ばれると恥ずかしい沙都子は☆可愛い☆可愛いなのですよー」

 

後半の二人の掛け合いは梨花ちゃんと沙都子か?

 

頼む。愉快なガールズトークをこんな所でくりひろげないでくれ。

俺はいつまで、髪を水であらわなければならないんだ…

 

「まぁ、圭ちゃんのことはおいておいてさ。今日の罰ゲームなんだけど…

 せっかく粉まみれになったんだが、それを生かした罰ゲームにしないとね!

 ということで、ばばーん!逆転服装やってもらうよ!」

 

逆転服装?ってなんだ。

 

「簡単に言ってしまえば、普段スカートを履いている人はズボンに、

 女物の服を着ている人は男物の衣装を着るってことさ!」

「えっと、つまり…レナと詩ぃちゃんと、沙都子ちゃんは男子用学生服に着替えて、

 圭一くんは女性用の学生服に着替えるってこと?かな?かな?」

「うん、レナ。それで間違いないよ!

 ちゃんと服は用意してあるから、ちゃっちゃと着替えようか」

 

お、おい待て!

それって…!

 

ガシッ

振り返ろうとしたら、誰かに頭を掴まれた。

 

「圭ちゃん…お姉や、梨花ちゃまや、沙都子みたいに、見られて良いって人ばかりじゃないんですからね?花も恥じらう乙女もいることを忘れないように」

 

花も恥じらう乙女はこんなにパワーを振るわないと思うぞ!

だが、抵抗しても無駄なのは分かっている。しばらく大人しくてしていよう。

 

水飲み場でまつこと数分。ようやくレナから「圭一くん、振り返ってもいいよ☆」と言葉をかけられていたので、振り向く。

そこには男性用の制服を着た、レナと沙都子と詩音がいた。

 

Yシャツに学生ズボンといういでたちは、中々どうして格好がよい。

 

「なんか、皆のそういう姿って新鮮だよな」

 

詩音とレナは頭を掻きながら苦笑する。

 

「あははは。そうですか圭ちゃん?なんだか照れますね!」

「普段はハーフパンツしか履かないから、新鮮かな☆新鮮かな☆」

 

ん?今、レナはハーフパンツって言ったのか?

 

「うん。普段着の時はスカートの下にハーフパンツ履いているんだよ。水着の時もあるけど」

 

…なんか少し残念だな。それ。

なんて思ったら、魅音が凄い形相で睨んでいた。

 

「圭ちゃんってさ。レナのスカートの中身、気になるわけ?」

 

…ヤバイ。

答えを間違えたら、死ぬ。

 

「あぁ、レナのスカートの中がそうなら、

 魅音のスカートの中ってどうなるのか…って気になるだろう?」

「はぁ?おじさんのスカートの中!?」

 

意表を突かれたのか、素っ頓狂な声をあげる魅音。

よし、なんとかなりそうだな。

 

笑い声を抑えて、詩音が魅音の両肩を掴んだ。

 

「安心していいですよ。

 お姉はいつでも圭ちゃんのためにスカートの中は勝負下着を履いていますから」

「し、し、し、詩音ッ!?あんた何をいっているのさー!!!」

 

そうか、そうか、勝負下着か。

…勝負下着ってなんだ?プロレスラーが履くようなパンツのことか?

 

「お、おじさんは知らないなー!アーハハハハ!!!!」

 

なんなんだ、その高笑いは。

 

真横では、暑いのか男装姿の沙都子が

手でパタパタと煽いでいる。

 

「しかし、女性用の制服でも蒸れますのに、男性用の服って本当に大変ですわね。

 こんな暑苦しい服で、よく、殿方は生活していけているものでございますわ」

 

沙都子がYシャツのボタンをガンガン外していく。

さすがちびっこだ。恥じらいが無い。

 

それを詩音は目を細めて見ている。

 

「こうしてみると、悟史くんに似ているんだよね」

 

…悟史、沙都子の兄貴か。

 

俺には何も答えられない。

そんな俺の肩に、魅音がゆっくりと手をのせてきた。

 

「魅音…」

「圭ちゃん…じゃ、さっそく罰ゲームやっちゃおうか!」

 

…はい?

 

周囲を見ると、レナ、梨花ちゃん、沙都子、詩音が、えげつない笑みを浮かべて近づいてくる。

 

「ククク、圭ちゃんにあうように、サイズぴったりのセーラー服とスカート用意したからね…」

「そうだ、お姉、三つ編みのカツラと、伊達眼鏡もつけてあげましょうよ」

「化粧とかすると可愛いくなるかも☆はぅ~」

「マニュキュアとかも付けると、よりいっそうよくなると思いますですよー」

「さて、圭一さん、お覚悟はよろしくて?」

 

あれ?これって、俺個人に対する罰ゲームだっけ?

いや、お前達も罰ゲーム受ける側だったんじゃなかったか?

ちょっと、止め…うわぁあああああ!!!

 

そんな叫びもむなしく、

俺は女達の玩具にされるのであった…

 

[9日目(金):通学路:夕:前原圭一]

 

全く、あいつら…人をなんだと思っているんだ。

通学路、俺はいつものように魅音と手をつないで下校した。

 

一つ違う点があるとすれば、それは俺が完璧な女装をしているという点だ。

 

セーラー服にスカート。三つ編みのカツラをつけて、伊達眼鏡をかけている。

オマケに指に薄いマニキュアを塗り、香水までつけているというこだわりの仕様だ。

 

さすがに下着まで女物では無かったが、

男の矜持を守ったかと言われるとそんなことは全くない。

 

完成した俺の格好を見て詩音は

「圭ちゃん、最高です!この格好で興宮を歩いたら、きっとナンパされますよ!」

と、称賛してきた。全く嬉しくないぞ。

 

レナもニコニコして、

「でも、圭ちゃんは毛が薄いから、綺麗に女性に見えるよ」

と褒めるので、仕方がないからヤケクソ気味に胸を張ってやった。

 

「あぁ、そうだな。

 きっと魅音と二人で下校したら、雛見沢一の美少女カップルって言われるぜ?」

 

それに対して何故か沙都子は敏感に反応する。

 

「な、なんですって!雛見沢一の美少女カップルは、私と梨花のものですわ!

 これは絶対にして不変!究極の真理なのでございますわ!!!」

 

「…なんか、知っている言葉をとりあえず全部出した感じで可愛いな沙都子は」

「沙都子はいつだって、可愛いのです☆にぱー」

 

「むきー!圭一さんどころか梨花までー!」

 

とりあえず真面目にやると心が折れそうになるので、

適当に沙都子を弄った所できりあげて、俺は魅音の手をひっぱり学校を出た。

 

隣にいる魅音は憮然としている俺を見て、ケラケラと笑う。

 

「ほら、圭ちゃん。笑顔笑顔!せっかく可愛くなったんだから、笑顔でいないと!

 人もうらやむ美人女学生が台無しだよ!!」

 

うるせぇ!と思いつつも、口端をあげる。

ニヘラ…笑顔が引きつっているな。自分でもわかる。

 

「まぁ、いいや。魅音が楽しけりゃそれで」

「あははは!おじさんは、圭ちゃんと一緒にいるだけで楽しいよ」

 

魅音の笑顔が眩しい。

本当、大好きだな、魅音の笑顔。

 

「今日はさ…圭ちゃんが、あぁ言ってくれるなんて思わなくて…嬉しかったよ…えへへへ」

「言うって、何がだ?」

「ほら…初めてあったときから、おじさんのこと好きだって。言ってくれたじゃん?」

 

…あれは、お前の嘘に乗っかっただけなんだけどな。

 魅音がそれで良いっていうなら、別に事実にされてもいいけど。

 

「その設定さ。おじさんも…使って良い…かな?」

「使うって?」

「…圭ちゃんの事、初めてあったときから好きだって」

 

俺は足を止めて魅音を見つめる。

魅音は恥ずかしそうに視線を落とすと、俺に体を預けてきた。

 

「…だったら魅音。こうしないか?」

「ん?なに?」

「俺達二人、転校したその日に一目ぼれしたって…ことにさ」

 

何か意味があったわけじゃない。

とっさに思いついただけだった。

 

魅音が瞳を大きくして俺を見る。

「圭…ちゃん…」

 

だけど、お互いが、最初から好きだったというのであれば、

そういう話も、ありなんじゃないかと思う。

 

「きっとさ、俺達の子供は羨ましがると思うぜ。

 転校したその日に運命の出会いをしたって話を聞いたらさ。それって…」

 

「………」

「…魅音?」

「…うぅ…ううううっ…!」

 

魅音?なんだ、どうした?

 

魅音が、泣いていた。

俺の胸に顔を埋めて、泣いていた。

 

「魅音、大丈夫か?そんなに嫌だったか?この話…?だったら、もう…」

「違うの、圭ちゃん…違うの…嬉しいの、嬉しくて…私ッ…私ッ!!ああああッ!!!」

 

魅音は大声で泣きだした。

理由が分からない。でも泣いていた。

 

俺はどうしてよいかわからず、魅音の体を抱きしめると、農道にあった大きな木の所まで連れて行く。座らせようとしたが、魅音は俺をしっかりとつかんで離さない。

 

「魅音…」

「圭ちゃんッ!!圭ちゃんッ!!!圭ちゃんッ!!!!圭ちゃんッ!!!うわぁああああ!!」

 

俺は、魅音を支えながら一緒に巨木の根元に座る。

この状況では、俺は何もできない。

それだけはわかった。

 

だから、魅音を抱きしめた。強く、強く。

人目は気にしない。誰が来ようが意識はしない。

 

俺が今やるべきことは、魅音を抱きしめる事だ。

ただ、それだけは理解できていた。

 

どれくらいの時間がったのだろう。

魅音の鳴き声が少しずつ小さくなり、収まってきた。

 

濡れた涙の後を手で拭う。

 

「大丈夫か魅音?」

「うん、圭ちゃん、ありがとう。ありがとう…」

 

俺は魅音の頭を撫でると、魅音は気持ちよさそうに微笑む。

 

「圭ちゃん。私…圭ちゃんの事が好き」

「おう。知ってるぜ魅音」

「でも、好きすぎて、好きすぎて、私さ、どうにかなりそうだったんだ。

 こんなにもいっぱい、圭ちゃんのことが好きなのに、それを伝えられなくて、もどかしくて、

 どうやって、この気持ちを出せば良いのかわからなくて…だからさ…泣いちゃったんだ…」

 

そうだったのか。

良かった、てっきり、設定が気に入らなかったのかと思ったぜ。

 

「ううん。逆だよ圭ちゃん。嬉しくて、嬉しくて…

 頭がどうにかなりそうだった。あははは。バカみたいだよね。私…

 嬉しくて、号泣するなんて、さ」

「そんなことないぜ」

「圭ちゃん、私の事を好きになってくれて、ありがとう

 この雛見沢にきてくれて、ありがとう…私と出会ってくれて、ありがとう…」

 

「…俺も、ありがとうな魅音」

 

「えへへ…そういってくれると…うれし…い…」

…すぅ…すぅ…

 

…魅音?

 

魅音は寝ていた。泣きつかれたのだろうか。

まるで、小さなか子供のような顏で魅音は俺に抱かれて眠っていた。

 

俺は魅音の髪をかきあげてキスをした。

ふと、視線をあげてみると、農道を挟んで向かい側にキャンパスが見える。

誰かが、俺達を見て…絵を描いている?

 

あれは…まさか、親父か?いつから?

俺が立ち上がろうとすると、親父は筆をもっていた右手で、そのまま座るように指示をした。

 

俺は座りなおす。

 

親父は筆を置くと、

毛布を持って、俺達のところまでやってきた。

 

「圭一には、なぜこの雛見沢に来たか。一度話したことがあったな?」

 

確か、この雛見沢に下見にきたとき、二人の美しい少女にであったから。

という話を聞いた事がある。それが、ここに移り住むきっかけとなったと。

 

「父さんは、ここに来れば、きっと美しい物が見つかるんじゃないかと思っていた。

 そして、それは、間違ってはいなかったんだよ」

「父さん…」

 

魅音と俺に親父は毛布をかけてくれた。

 

「この世は汚くて醜くて無残なことで一杯だ。でも、その中にもかけがいの無い美しいものがある。圭一…お前の、その腕の中には、誰もが探し、求め、望んでも、生涯得られぬかもしれない宝石がある。なにがあろうとも決して離すんじゃないぞ」

 

俺は頷く。

 

あぁ、そうさ。

この腕の中にあるものは、俺の人生の光なんだ。

 

「俺は決して、放さないぜ魅音」

 

魅音、俺はお前と共に歩こう。

この世界が滅びたとしても、歩み続けよう。

俺があと何年生きられるかわからないが、その全てを捧げよう。

 

魅音、お前は俺の宝だ。俺の命のそのものだ。

お前のためなら、俺はなんだってやれる。

この命すらも惜しくは無い。

 

だから泣いても良いんだ。

いつまでも、寝てくれて良いんだ。

 

お前側にいられること、

そして微笑みだけで、俺は十分なんだ。

 

「え…あ…圭ちゃん?…と、お義父様?」

 

魅音が目を覚ました。

目の前に親父に気が付いたんだろう。瞬きをしている。

 

まったく、王子様が唇にキスをする前に起きるなんて、

不届きな王女様もいたもんだぜ。

 

「道端で、美しい少女が二人寝ていると思ったら、

 圭一と魅音ちゃんだとわかってね。スケッチさせてもらっていたんだよ」

 

え…?あ、そういえば今、俺は女装していたんだ!?

おいおい、そういえば、前に女装して帰ってきたとき、親父にアトリエに連れ込まれていたけど、

つまり、そういうパターンで、俺は見られていたって事か?

 

自分に毛布がかけられていることに気が付いた魅音が

親父と俺に頭を下げる。

 

「お義父様、圭ちゃん。ありがとう」

「いや、その…あはは…帰ろうか、魅音、父さん」

 

俺は照れ笑いをして、魅音を支えながら立ち上がる。

親父がキャンパスを片付け、車の用意をしているその時…

 

魅音は俺の耳元でささやいた。

 

「私も、決して放さないからね圭ちゃん」

 

俺は、反射的に魅音の唇を奪い抱きしめていた。

魅音も抵抗をせずに、それを受け止めている。

 

親父がそれを見てスケッチしているようだったが、構うものか。

この輝きは決して手放さないと決めたんだから。

 




トピック: [ レナの私服のスカートの下はハーフパンツ? ]
※トピックでは「ひぐらしのなく頃に」のネタバレが含まれます※

中央にやたらと際どいスリットが入ったのが特徴のレナの私服ですが、イラストや漫画によっては下にハーフパンツや水着を履いている描写があります。
(とはいえ、毎回、必ずしもハーフパンツを履いているとは限らないでしょう。多分)
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