ひぐらしのなく頃に~ただひたすら圭一と魅音がイチャイチャするだけ編~   作:Java-Lan

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第3話__2日目(金)A「女らしさ」

[2日目(金):通学路:朝:前原圭一]

 

朝、家に迎えにきたレナは、最初から可愛いモードに突入していた。

何が嬉しいのかよくわからないが、スカートをひるがえして、くるくる回りながら道を進む。

 

そういえば格闘キャラクターで、こんな奴がいたな。

今のレナなら、スカート連打で360連撃ぐらいやれるかもしれないぞ。

 

「だって☆だって☆今日の魅ぃちゃん、きっと、すっごく可愛いんだよ!はぅ~☆」

 

レナとは俺の家で、魅音とは途中の道で待ち合わせをしている。

 

時間が合わない場合は魅音と会えなくなる時もあるが、

今日はいつもの待ち合わせ場所に魅音がいた。

 

「よ、おはよう魅音!」

「魅ぃちゃんおはよう!」

 

俺とレナは元気に挨拶したが、

魅音は伏し目がちでこちらを見ると、小さな声で挨拶をした。

 

「おはようレナ、おはよう圭ちゃん…」

 

頬を赤くしてる魅音。

いや、顔面真っ赤と言ってもいい。

 

うむ。間違いなく魅音だ。断じて詩音では無いだろう。

ただ、あまりにもしおらしので、そこは魅音には見えない。

 

「なぁ、魅音…」

「なに、圭ちゃん?」

 

今日はしおらしいな…と声をかけようとしたが、

前に約束していたことを思いだした。

 

あれはたしか、初めて俺が詩音に会い、

詩音は魅音の別の姿だと勘違いしていた時だ。

 

実際には、詩音と魅音は双子の別人であるとわかったわけだが、

実は、この時、魅音は詩音に化けて俺のために色々としてくれていた。

 

魅音は普段は男らしさというか男っぽい行動をとっていた。

そのため、魅音は普段しないような女性らしい行動をとるときに、

照れ隠しで双子の詩音の格好をしなければならなかった。

 

魅音と詩音は一卵性双生児だ。

格好を変えれば見分けがつかない。

 

だから俺も最初は全く気が付かなかった。

 

だが色々あって正体が分かった時、

魅音は詩音の姿で、こう言った。

 

…これなら素直になれるかなと、思ってさ。

 

魅音の時は男らしく自分を表現している。

だから女らしくあるときは詩音の格好をしている。

そう魅音は語っていた。

 

そして、俺はその話を聞いたときに魅音にこう伝えた。

 

-魅音のままで同じ事を言っても、笑ったりしないぜ?

-魅音も詩音も一人の女の子なんだから…

と。

 

…おいおい、前原圭一。

ここが、つまり、そういう時なんじゃないか?

 

魅音がしおらしく、女の子Verの雰囲気を出している。

その女性らしさを肯定してやろうぜ、恋人として!

 

「魅音。お前のそういう、女の子っぽい所も好きだぜ」

 

俺は最大限クールに決めた。

エフェクトで歯も、キラリと光っているはずだ。

 

魅音は目を丸くしている。

効果はバツグンだ!

 

「へっ?あ、その…うん。ありがとう圭ちゃん。

おじさん、今、そんなに女の子っぽかったかな?アハハハ」

 

…よく考えれば、これは結構脈絡が無い言い方だったかもしれない。

挨拶の後に「お前、女の子っぽい所も好きだぜ」って何なんだ。

 

「うんうん、今日の魅ぃちゃん。すっごく可愛いよ!」

 

レナも激しく同意してくれたが、しかし。急激に恥ずかしさがこみあげて来たぞ。

もしかして、俺、やっちまったか?

 

「その、さ。行こうぜ魅音!」

「そ、そうだね圭ちゃん、い、いこう!」

 

声が上ずっているな魅音。

かく言う俺も声が上ずっているんだが。

 

おそらく、俺も顏が真っ赤になっているんだろうな。

ちくしょう。仕方ないだろ!

 

恋人になったことなんて初めての経験なんだからさ!

 

「魅ぃちゃんも、圭一くんも、か、か、か、可愛いよぉ!はぅ~☆」

 

俺と魅音の顔を交互にみながら、レナが恍惚としている。

まぁ、レナが楽しそうなのは何よりだ。

 

しかし、魅音の手にもっているその大きな風呂敷はなんだ?

かなり大きそうな荷物だけどさ。

 

「あ、アハハハ!これね!実は、その…昨日のおかずの残り物が多くてさ!」

 

まさか、これ全部弁当か?

前に境内で食べたレナの弁当ぐらいの量があるぞ!?

重箱何段だ?五段か?六段か?いや…七段か?

 

「一つ聞いていいか魅音?」

「ん?なに?」

「昨日、宴会でもあったのか?親族会議とか?」

「い、いやぁ、そういうのは無いんだけどさ。ほら、いつもの夕飯をちょっと作りすぎて…」

 

魅音、お前の家は、

毎夜懐石料理のフルコースでもだすのか?

 

「きっとねぇ、今日の為に魅ぃちゃんはりきったんだと思うよ!

 今日はお昼、楽しみだね!楽しみだね!」

 

魅音が真っ赤になってうつむいている。

そうか、魅音は俺のために料理を作ってくれたのか。

 

そういえば、魅音は既に家人としてあらゆる技術を身につけていると聞いた事があったな。

普段はめんどくさいから、そういう技術は使っていないらしいが。

 

それをつまり、今回は俺のために使ってくれたってことなんだな。

嬉しいぜ魅音。

 

「あ、はははは!早く行かないと遅刻するよ!」

 

声をかけようとしたが逃げられた。

まぁいいさ。誉める機会なんて、学校に行けば幾らでもあるだろうしさ。

 

[2日目(金):雛見沢分校:昼:前原圭一]

 

机に広げられる魅音の弁当。

いや、弁当は弁当だがこの量はまるで大人数のキャンプ食材の如くだ。

 

だが、驚くべきは質だ。

量自体は、たまにレナが気合いを入れて弁当を作ってくれる時があるので、

それ自体はたしかに驚くべきことではあるが慣れてはいる。

 

しかし魅音がもってきた弁当はあきらかに

冷凍食品では作れないものが大半だ。

 

というか、これでは季節外れのお節料理じゃないか!

 

「その…圭ちゃんの口にあうかわからないけれど」

 

魅音が箸をつかって、おずおずと煮物を掴み、俺の前に差し出してきた。

俺は反射的に口に入れる。もぐもぐもぐ…

 

おぉ、これは美味い!

 

「あは、こりゃ美味いぜ魅音!こんなに美味い煮物は始めてだ!」

「そ、そう?よかった。そういってくれるとおじさんも嬉しいよ」

 

魅音が顔をほころばせた。

ちくしょう。それを見ていると俺も何だか嬉しくなってくるぜ。

 

「ほら、皆も食べ…」と、俺はそこまで口を開いて止まった。

 

恍惚としている可愛いモードのレナ。

笑顔の梨花ちゃん。

そして、しかめっつらの沙都子…

 

「圭一さん。子供じゃないですから、きちんと自分のお箸で食べなさいませ。

 魅音さんも、甘やかしすぎではございませんこと?」

 

恥ずかしさが急に込み上げてきたぞ。

さっきやったのは、いわゆる恋人同士がやる「あーん♥」というやつじゃないか?

 

横目でちらっとみると、魅音も顏を真っ赤にして湯気が出ている。

そういえば、昨日も湯気が出ていた気がするな。

 

もしかして、この謎を解明すればあらたな蒸気発電が可能かもしれない。

恋愛発電所か。なんかどこぞかの恋愛小説にありそうなタイトルだぜ。

 

梨花ちゃんがニコニコ笑うと、沙都子の頭を撫でた。

 

「みー☆沙都子、恋人同士で食べさせてあげるのは良い事なのですよ。

 ここは目をつぶって、二人のロマンスを見守るのです」

「さようでございますか?恋愛とはよくわかないものでございますね」

「沙都子も、もう少し大人になればわかるのです☆にぱー!」

 

梨花ちゃんが、沙都子を諭しているが、今一理解しきれていないようだ。

沙都子はお子様だからな。仕方がない。

 

「かかかか、可愛いよぉ!魅ぃちゃん可愛いよぉおお!!!」

 

なんか、昨日からそればっかりだなレナ。

でも、うん。楽しそうだから良いか。

 

でもレナの気持ちもわかるぜ。

確かに昨日今日の魅音の可愛らしさは異常だ。

天使と言っても過言では無い!

 

…いや、言い過ぎた。

 

これはおそらく俺の恋人偏向フィルターが存分にかかっているせいだとはわかっているが。

でもさ、そう思うのは勝手だろ?恋人なんだからさ!

 

って、俺は誰に言い訳しているんだ!?

 

[2日目(金):雛見沢分校:放課後:前原圭一]

 

授業も終わり、帰りの時間となった。

今日は昨日に引き続き部活をやろうという話になり、さっそくゲームを開始した。

 

犯人、凶器、場所、の三つをあてる推理ゲームだ。

前に同じゲームを遊んだが、その時はこてんぱんにやられてしまったため、

今回はリベンジをかねて気合いを入れてやることにしたのだが…

 

「あ、圭ちゃん。それ凶器ね」

「お、サンキュ!魅音!助かったぜ!」

 

魅音が積極的にサポートしてくれので、圧倒的な大差で俺が一位となっていた。

なにしろ、魅音はこのゲームが得意だ。

魅音が支援してくれるのなら、これほど心強いものは無いぜ!

 

だが沙都子は、そんな魅音に苦い顔をしている。

どうした?

 

「魅音さん。圭一さんをサポートするのは、まぁよろしいとしても、ご自身の勝敗をあまりにも無視をしておいでではございませんか?それでは会則違反でございましてよ」

 

そう、魅音は俺のサポートに徹するあまり自分の勝率は無視していた。

というか、一点も稼げていない。

 

まぁ、レナが誤回答して失敗すれば、0点以下になり何もしなくても勝てる場合もあるのだが、

今回はレナも一度正解して得点を入れている。

 

つまり、魅音は今最下位なのだ。

 

「アハハハ、今日のおじさん、調子が悪いみたいでさぁ」

 

嘘だろお前?

魅音のサポートのおかげで俺は大勝中だぞ!?

どうみたって絶好調じゃねぇか!!

 

明かなこの嘘に対して、

なぜか可愛いモードで激しく呼吸して見守るレナ。

 

よく見ると、

梨花ちゃんが沙都子に何か耳打ちしている。

 

「沙都子、このまま勝負がつくと、魅ぃが最下位で、圭一が一位なのです。

 つまり、今日の罰ゲームは、圭一が魅ぃに下すことになるのですよ」

 

「それはわかっておりましてよ。ですから魅音さんに…」

「にぱー☆」

「…?梨花?さっぱりわかりませんわね?」

 

ん?まて、なんだか空気がおかしいぞ?

もしかして、俺、ハメられているのか?

 

「おい、魅音、これって…」

 

胸が高鳴った。

視線をうつした先にあった魅音は、唇と瞳を濡らし、

何かを訴えるような表情でこちらを見ていたのだ。

 

「あははは…圭ちゃん…さ。

 何でも言っていいんだよ。罰ゲームだから…さ」

 

くっそ…

やはり俺はハメられたようだ。

誰にだ?レナか?梨花ちゃんか?それとも…魅音にか?




トピック: [ 園崎魅音の女性らしさの肯定 ]
※トピックでは「ひぐらしのなく頃に」のネタバレが含まれます※

オリジナル同人版の「ひぐらしのなく頃に」及びアニメ版では、この逸話は存在しません。

後に発売された「ひぐらしのなく頃に奉」では、魅音ルートを進むさいに人形を渡すなど原作にはない選択肢を選び、積極的に魅音の感情を揺さぶる行動をとると本来は存在しない魅音の正体告白シーンが追加されまず。

その中で魅音は、詩音の衣装に着替えて、
自分が素直に圭一好意を伝えられなかったことを謝罪しますが、
「魅音のままで同じ事を言っても笑ったりしないぜ?」
「魅音だから男っぽく、詩音だから女の子らしく。そうじゃないよな。姉妹だって、魅音も詩音も一人の女の子なんだから…」
と前原圭一は伝えます。

このシーンの最中に、魅音に対して、前原圭一が生れてはじめて「可愛いぜ」と言ってしまい、危うく口説くモードになりそうになって慌てるという描写もあります。
そのまま口説く落せばよかったのに。

圭一×魅音ファンとしてはちょっと残念です。

ちなみに、このシーンの後、すぐ「綿流し編」が始まり、詩音と魅音の入れ替わりが起きるため、残念ながら「園崎魅音・女の子Ver」を見ることはありません。
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